9話  「魔神、起動!」  ◆T6.9oUERyk


「・・・光子力ビームにミサイルパンチ・ブレストファイアーか。すごいなこりゃ、動く弾薬庫だ。」
陽光がさんさんと降り注ぐ硝子張りのコクピットの中、ガロードは嘆息した。
彼が引き当てたカード、それは並みのMSとは比較にすらならない、
それこそガンダムクラスをも上回る重武装・重装甲の要塞のごときロボット“マジンガーZ”。
「このスロットルが出力系で、このスイッチがロケットパンチか・・・」
天性の操縦センス故か、ガロードはMSとはまるで異なる操縦システムを次々とモノにしてゆく。


一通りチェックを済ませ、ガロードは改めて現実的な思考に戻る。

  殺しあい

戦禍で荒廃した世界を腕一つで生き抜いてきたガロードである、
当然自分の手を汚したことも一度や二度ではない。必要とあればこの手で人を殺すことに躊躇いもない。
しかし同時に、彼は人を殺すということを忌避すべきモノであると知っている。
死なないで済むなら、殺さないで済むのならそれにこしたことはない。

「とりあえず、ティファがいなくて良かった。」
このゲームで最初に集められた、あの金髪の女性が殺された場所にティファの姿は無かった。(代わりにとある兄弟がいたが)
彼女は巻き込まれていない、と考えていいだろう。
最大の懸念が晴れ、ガロードの思考は一つの目標へと集約していく。

 生き残る

どんなに絶望的でも、どれだけ無謀でも、ガロードは諦めない。
生きている限り足掻き続ける、死んだ後のことは死んだ後に考えればいい。

「ティファ、待ってろ。オレは絶対に生きて帰るからな!!」

少年の咆哮に応じるように、漆黒の魔神は重々しく第一歩を踏み出した。


【ガロード・ラン 搭乗機体 マジンガーZ:(マジンガーZ)
パイロット状況:好調
機体状況:良好、スクランダー無し
現在位置:B-1
第一行動方針:周囲の捜索
最終行動方針:ティファの元に生還する】


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