17話「邪龍空に在り」
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男はコンソールに足投げ出し、己の身何がに起きているのかを考え溜め息を吐いていた
「殺し合い、ですか…」
レジセイアと名乗った化け物によって連れてこられたこの世界、
「ガンエデンは存在しない世界とはいえ、どこにでも似た存在は居るものだね。いやはや、なんとも面倒なことに巻き込まれたものだ」
ガンエデンの僕として延命を受け、様々な輩の下についてきた
「ケイサル・エフェス…、あの怨念ともにあの馬鹿共に殺られた時は駄目かと思ったがね…ふふ、まだついてるようだ、ね」
微笑がこぼれる。αナンバーズに倒されたはずの孫光龍は自らの運の良さに酔いしれながらも、機体の起動に取り掛かった。
「しかし、なんとも不思議な機体だね。生物的、昆虫を彷彿させるね。少々気味が悪い」
孫光龍は支給された赤色の昆虫型ロボット「レプラカーン」の動力源が何であるかある程度想像がついていた。
「さしずめ、生きる力、と行ったところかな?ふふ、もってこいじゃないか!!」
オーラバトラーはオーラ力を動力源とする。
そこに普通のオーラと異なった強く、そして歪んだ力、念動力を流しこんでやれば…
「ほぉら、そうだそうだ!もっと吸え、そして私に力を!!力、力をブグゥッ、ガハッ」

強すぎる力が行き場を求め暴れだしたのだ。
レプラカーンのサイズが見る間に大きく膨れ上がっていく
「止まれぇ、止まるんだよ!!」
念動力を止め、孫光龍は大きく深呼吸をした
「暴走すると厄介なのは、世界共通だからねぇ。しかし、これは良い物だ。真・龍王機とは勝手が違うが、実に僕向きだ」
レプラカーンが大空に飛び立つ
「見極めなければね、誰に付くかが大切だ。間違えれば、あの美人と同じようにボンッか…面白い。
さぁ行くとしよう。空が僕を喚んでいる。なんてね、アカシックレコードなのかね、これも」
孫光龍空に在り。

【孫光龍】
機体:レプラカーン(ダンバイン)
パイロット状態:健康
機体状態:損傷無し(ハイパー化の兆し在り)
現在位置:F-1
【第一行動方針】情報収集
【第二行動方針】不明
【最終行動方針】生き残る


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