Scenario IF 5話(20話 another side) 「シュンパティア」 ◆ZbL7QonnV.
(聞こえるかい、兄さん?)
(ああ、聞こえるぞ)
(フフ……どうやら、僕達にとってこの機体は大当たりだったみたいだね)
(そうだな、オルバよ。このシステム、シュンパティア……と言ったか。
我々にとっては、かなり相性の良いシステムらしい。オルバ、いつもよりお前を近くに感じるぞ……)
(僕もだよ、兄さん……)
A−1エリアとC−3エリア。遠く隔てた場所に落とされた双子の兄弟。
通信機能の限定された状況下で、彼らは互いの状況を理解出来る訳がないはずであった。
……だが、これも主催者の戯れなのだろうか。
二人に支給された機体の特性と、そして二人が持つ特異能力。
それが互いを補うように強化し合い、今の二人は側にいて言葉を交わす以上に互いの事を理解する事が出来ていた。
カテゴリーF――
フロスト兄弟の間で作用する特殊能力。互いの距離に関係なく、相互の意思を伝え合う事が出来る。
シュンパティア――
ガナドゥールとストレーガに搭載されている“人の精神を共感させる”システム。
そう。フロスト兄弟にとって、この機体は正に“大当たり”と呼ぶべきものだった。
(兄さん、このゲームだけど……どうするつもりだい?)
(無論、勝ち抜くに決まっている。だが……)
(ゲームの勝者は一人。二人で勝ち上がろうとした場合、この首輪が枷になる)
(……そうだ)
(兄さん、どうする? 首輪の解除が可能な人間を見付け出して、僕らの首輪を解除してもらうかい?
リスクの事を考えたら、そちらの方が無難かもしれないと思うけど……)
(いや、まだ方針を決めるには早過ぎる)
(……それもそうか。まだ首輪の解除が出来る人間がいると決まった訳でもないからね)
(うむ。まずは、そう……戦力の確保からだ。オルバ、今の位置は?)
(C−3。兄さんは?)
(A−1……よし、そう離れてはいない。まずは合流するぞ、オルバ。
我々の機体は、二機が揃ってこそ真の力を発揮するようだからな)
(フォルテギガス……強き巨人、か。どれほどの力を発揮するのか、少し楽しみだね……)
(ああ、そうだな……)
かくして“勝者”の名を冠した機体と、“魔女”の名を冠した機体は動き出す。
そう……自分達“だけ”の勝利を目的として……。
【シャギア・フロスト 搭乗機体:ガナドゥール(スーパーロボット大戦D)
パイロット状況:良好
機体状況:良好
現在位置:A−1
第1行動方針:オルバと合流
最終行動方針:オルバと共に生き残る
備考:シュンパティアによってカテゴリーFの共感能力が大幅に強化
フォルテギガスに合体可能】
【オルバ・フロスト 搭乗機体:ストレーガ(スーパーロボット大戦D)
パイロット状況:良好
機体状況:良好
現在位置:C−3
第1行動方針:シャギアと合流
最終行動方針:シャギアと共に生き残る
備考:シュンパティアによってカテゴリーFの共感能力が大幅に強化
フォルテギガスに合体可能】