1 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 09:05:26 ID:GyDrYHY+
【原則】※ますはここを読め
前の人の話やフラグを無視して続きを書くのは止めましょう。
また、現在位置と時間、状況と方針は忘れないで下さい。
投下前に見直しする事を怠らないで下さい、家に帰るまでが遠足です。
投下後のフォローも忘れないようにしましょう。
全体の話を把握してから投下して下さい。
また、初めての人はまとめサイトのルールにもしっかりと目を通しておくと吉です。
今ロワは予約制です。
感想、議論スレで名前欄にトリップを入れ、使うキャラを予約してください。
トリップの付け方は#の後に好きな文字を半角八文字まで好きなだけ入れるだけです。

【ルール】
EN・弾薬は補給ポイントを利用することで補給することができます。
機体の損傷は、原則として機体が再生能力を持っていない限り直りません。
再生能力自体も制限で弱体化しています。
修理機能の効果は微々たる物だと思われます。
また、乗り換えは自由です。

【備考】
議論感想雑談は専用スレでして下さい。
作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
おやつは三百円までです、核ミサイルは食べられません。
スパロボでしか知らない人も居るので場合によっては説明書きを添えて下さい。
水筒の中身は自由です、がクスハ汁は勘弁してつかぁさい。
これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
初めての方はノリで投下して下さい、結果は後から付いてくる物です。
作品の保存はマメにしておきましょう、イデはいつ発動するかわかりません。

前スレ
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1161702283/l50
前々スレ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1149764572/

旧本スレ
第二次スパロボバトルロワイアル
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1149350054/

第2次スパロボロワイヤル企画スレ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1148890280/

旧まとめサイト
ttp://2nd.geocities.jp/s2matome/main.html

仮まとめサイト
ttp://srwbr2.nomaki.jp/index.html


2 名前:アルフィミィちゃんの観察日誌1[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 09:08:04 ID:GyDrYHY+
第101話「青い翼、白い羽根」まで
死亡者編
・『死亡者名(搭乗機)/殺害者名(搭乗機)』 キャラ辞典より抜粋&コメント
 なお順番は死亡順

・エクセレン=ブロウニング(搭乗機なし)/アインスト=ノイ=レジセイア(搭乗機なし)
 アインスト=ノイ=レジセイアに最初の見せしめにされ首輪を吹き飛ばされ死亡。
 このことによりキョウスケはアインスト達を倒しアルフィミィを解き放ちエクセレンを迎えに行くこと
 を覚悟する。

・メルア=メルナ=メイア(ジム・カスタム)/グ=ランドン・ゴーツ(ラフトクランズ)、流 竜馬(大雷凰)
 グ=ランドンに機体を串刺しにされ竜馬に機体を爆散されロワ参加者(除くエクセレン)初の死亡者となる。
 早々にテニアとの合流を果たすも彼女の目の前で死亡。このことがきっかけでテニアがゲームに
 乗ってしまいカティアを殺害、統夜も乗っているので彼女の死は報われない。

・グ=ランドン・ゴーツ(ラフトクランズ)/フェステニア・ミューズ(ベルゲルミル)
 竜馬の大雷凰に機体をライジングメテオ・インフェルノで真っ二つにされる。
 それでも生存していたがテニアを挑発、そのまま彼女に撃ち殺される。
 だが彼の言葉は彼女の心に絶望を植えつける。

・ラクス=クライン EVA零号機)/ヒイロ=ユイ(レイダーガンダム)
 EVA零号機を操ってヒイロを追い詰め、説得しようとするも常識外れの攻撃により零号機を破壊され、死亡。
 版権作品初の死亡者となる。似た思考の持ち主であるリリーナとは遭遇できなかった。

・木戸 丈太郎(クロスボーン・ガンダムX2)/相羽 シンヤ(搭乗機なし)
 知恵と技術でサイコガンダムを撃破するものの、相羽シンヤがテッカマンに変身できるとは見抜けず、
 PSYボルテッカにてコクピットブロックごと蒸発させられる。
 彼が放送で名を呼ばれてもたいして影響がないことも考えると可哀想な死に様である。

・神名綾人(アルトロンガンダム)/テンカワ・アキト(YF-21)
 ロジャーとリリーナを奇襲するも、割り込まれたアキトにマーダーとみなされコクピットに拳を
 打ち込まれ死亡。だが、彼との戦闘で凰牙のENがなくなったためリリーナの死にも関与している。

・カティア・グリニャール(VF22S・Sボーゲル2F)/フェステニア・ミューズ(ベルゲルミル)
 テニアと再開するも、すでに彼女はゲームに乗っており絞殺される。テッカマンに殺られたキッドを
 除けば当ロワで生身で殺られた人、第一号である。なお、友人に殺されるという最後をとげた一番欝な
 死に方である。

・ジョシュア・ラドクリフ(クインシィ・グランチャー)/ギム・ギンガナム(シャイニングガンダム)
 アイビスと行動中に統夜に御大将を擦り付けられる。そのまま戦闘中にクインシィに邪魔され
 シャイニングフィンガーを喰らい機体が大破、アイビスと共に逃げるものの既に彼は爆死していた。
 なお、彼の死はラキに影響を与えるため彼女の今後が心配である。

・リリーナ・ドーリアン(セルブースターヴァルハラ)/相羽 シンヤ(搭乗機なし)
 機体をばらばらにされ連れ攫われテッカマンにコックピットの ハッチをこじ開けられ首を跳ね飛ばされる。
 おとなしく凰牙にENを供給していればもっと違った展開が待っていたかもしれない。

・ギャリソン時田(ガンダムレオパルド・デストロイ)/ガウルン(マスターガンダム)
 ガウルンと再び交戦、激戦を繰り広げるもガウルンの宗介の愛の前に敗れ去る。
 すごい執事だけに序盤でおしい人が逝ってしまったのは残念。

<<第一回目の放送で上記10名の死亡が伝達>>


3 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 09:09:10 ID:GyDrYHY+
・ユウキ=コスモ(ジガンスクード・ドゥロ) /ジョナサン=グレーン(ガンダムF91)
 ギャリソンの死を悲しみバサラの歌に心を癒されている
 最中にジョナサンの奇襲を受ける。機動性の高いF91を倒すため広範囲攻撃の
 G・サークルブラスターを放とうとするも生きていたバサラがいたため躊躇。
 そのままコクピットにヴェスバーを撃ち込まれ蒸発、死亡する。

・九鬼 正義(ドラグナー2型カスタム)/バーナード=ワイズマン(ブラックゲッター)
 ブラックゲッターの強襲を受け、あっさりと撃墜されてしまう。
 ラーゼフォン系は全滅、薄氷同盟最初の死者となった。

・アスラン=ザラ(ファルゲン・マッフ)/カテジナ=ルース(ラーゼフォン)
 カテジナに盗られたラーゼフォンと遭遇。
 バサラが乗っていると思い込んだまま交戦。だが、ドラグナ−系の力ではデウスエクス・マキナに
 一歩及ばずに機体を両断され敗北。最後に思いを親友に託しながら死亡してしまう。

<<第二回目の放送で上記3名の死亡が伝達予定>>

4 名前:アルフィミィちゃんの観察日誌3[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 09:12:15 ID:GyDrYHY+
生存者編
●小隊(最新エピソード時の場所と時刻)状況コメント
   ・『生存者名(搭乗機)タイプ分け』備考&一口コメント
   自衛協力型(自衛はするが友好的。対マーダー予備軍)
   無差別型(見敵必殺・問答無用)
   猫被り型(友好的に見えるが、攻撃の機会を狙っている)
   策士型(知略戦で漁夫の利狙い。攻撃は最終手段)
   対マーダー(マーダーは攻撃。他には協力的)
   自衛戦闘型(敵対するなら相手を殺す気あり)
   協力暴走型(基本は自衛協力的だが、状況によって暴走してしまう)
   平和解決型(攻撃されても話し合いで解決したい)

●シャギア&オルバ&比瑪&甲児(D-3/初日17:00)
  フロスト兄弟は比瑪と甲児を利用する気である。現在は甲児達の人のよさが幸いし穏やかムード。
  しかし比瑪と甲児が敵を見逃したという行為にフロスト兄弟がどう反応するかは不明。
・シャギア・フロスト(ヴァイクラン)自衛戦闘型
  サルファの中ボス機であり単機でも高い戦闘能力を持っている。
  ディバリウムと合体しガドル・ヴァイクランとなることが可能。合体を破られショック。
  オルバと共に生き残るためにゲームには乗らない。ただし、他人は容赦なく利用する。

・オルバ・フロスト(ディバリウム)自衛戦闘型。
  兄を裏切った弟の機体に乗せられるも兄弟間の信頼度NO.1である。
  MAP兵器持ちであり合体も可能なので強力な機体を運用する。
  シャギアと共に生き残るためにゲームには乗らない。ただし、他人は容赦なく利用する。

・兜甲児(ナデシコ)自衛協力型
  熱血単純な主人公。フロスト兄弟の所為で裏切られフラグを持っている。ナデシコでは実力を発揮できない。

・宇都宮比瑪(ぺガス)平和解決型
  とりあえず、ナデシコのオペレーターをやっている。ぺガスは格納庫に収納中。

●シンヤ(D-8/初日17:40)無差別型
   リリーナを殺害し、食料を食べている。
・相羽 シンヤ★★(搭乗機なし)
   機体はないがテッカマンなの食料問題さえなんとかできれば強マーダーである。
   高い戦闘力と体格の小ささで周りを引っ掻き回してほしい。

●リョウ(B-6/初日17:40)無差別型
   アキトに吹き飛ばされてぼろぼろの状態でD-7からB-6に吹き飛ばされる。
・流 竜馬(大雷凰)
   元の世界に戻り隼人や早乙女博士を殺すためマーダーとなる。現在は体も機体ぼろぼろ。
   隼人や武蔵との再会した場合どうなるかは未知数である。

5 名前:アルフィミィちゃんの観察日誌4[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 09:13:51 ID:GyDrYHY+
●クインシィ&ガロード(B-1/初日17:45)
   協調性0のクインシィがガロードを振り回している。ゲットマシンなので非力なチーム。
   隼人のことは信用していない。A-1・A-2・B-1・B-2の四つのブロックの境目を目指している。
・クインシィ・イッサー(真イーグル号)協力暴走型
   協調性0なので苦労人な人物としか組めない?
   愛機を目の前で撃墜され怒り心頭中であるが彼女の邪魔も要因なため自業自得である。

・ガロード・ラン(真ジャガー号)自衛協力型
   クインシィに振り回される。原作でもこんな感じ。
   チームワークが必要なゲットマシンに乗っているので彼がティファの元に戻れるのは絶望的か?

●隼人(B-1/初日17:45)
   現在は真ベアー号をどうするか悩んでいる。真ゲッターがフルの性能を引き出せるかのフラグ持ち。
   クインシィとガロードを信用するかで変わってくる。とりあえずクインシィ達を追うつもりはあるらしい。
・神 隼人(YF-19)自衛戦闘型
   機動力と空戦能力の高いYF-19を支給されるも体調不良のため性能を完全には引き出せない。
   腕は悪くはないが生き残る可能性は低い?

   依頼主は死んだがその依頼は引き継いでいる。しかしシンヤは問答無用で攻撃対象。
・ロジャー・スミス(騎士凰牙)平和解決型
   ロジャーは格闘技能があるので凰牙との相性は悪くない。
   現在EN満タンではあるが損傷が激しくシンヤが接近中なので生存確率は低いか?

●キョウスケ&ゼクス&カズイ(E-5 /初日18:10)
   マサキ捜索隊・足が速い組。チームは組んだばかりだがパイロット二人の腕は良いので安泰か。
   E-5北西部からG-5に向かいマサキを捜索しながら移動中。見つからなければG-6へ向かう予定。
・キョウスケ・ナンブ(ビルトファルケン(L))自衛協力型
   エクセレンを殺されたにも関わらずマーダー化せず、打倒主催者とアルフィミィの開放を目指す。
   ビルトファルケン(L)は分の悪い機体である。

・ゼクス・マーキス(メディウス・ロクス)自衛協力型
   エースパイロットであり機体もトールギスと性能が酷似しているので生き残るのはそう難しくはない。
   だが、放送で最愛の妹が呼ばれたり、カズイを後ろに乗せていることも考えるとどうなるかは不明。

・カズイ・バスカーク(メディウス・ロクス)猫被り型
   彼単独ではマーダーに刈られるだけ。
   だが、AI1の存在に気付いているので大惨事を巻き起こす可能性あり。
   ちょっと調子づいてるよ、この子。

6 名前:アルフィミィちゃんの観察日誌5[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 09:15:12 ID:GyDrYHY+
●カミーユ&ゼクス&カズイ(D-4/初日18:10)
  マサキ捜索隊・足が遅い組。深夜0時までにはG-6へ。
  カミーユがユーゼスに不信感を持たなければある程度問題は無いといえる。
・カミーユ・ビダン(メリクリウス)自衛協力型
  ユーゼスやベガに対しては少なくとも不信感は持っていない。
  彼のパイロットとしての腕もよく防御一辺倒だがメリクリウスは悪い機体ではない。
  だが、MK-UやZとまったく違う性能の機体なので全力を出せるかどうか。

・ユーゼス・ゴッツォ(アルトアイゼン)自衛戦闘型
  スパロワで主催者なのは伊達ではなく、アインストの力を手に入れようと画策中。
  サイバスターのラプラスコンピューターにも興味がある様子。
  周りの人間は協力ではなく利用するつもりである。

・ベガ(月のローズセラヴィー)自衛協力型
  月のローズセラヴィーを支給されENも満タンなためこの面子では一番攻撃力がある。
  ユーゼスのことを信用しているのが彼女にとって吉とでるか凶とでるか。

●統夜(G-1/初日18:20)
   ゲームに乗り御大将をジョシュア達に擦り付けて逃走中。知り合いが放送で二人呼ばれた。
   何処へ向かうかは決まっていない。
・紫雲統夜(ヴァイサーガ)策士型
   実質彼の所為でジョシュアが死んだ。ゲームに乗るかどうかは今後出会う他の参加者で左右されそう。
   良機体でもあるのでそこそこ生き残れそう。

●ブンドル(G-5/初日18:20)
  サイバスターを駆り情報の収集中。
  一般人が集まりそうなA-1に向かい、保護するのが目的。
・レオナルド・メディチ・ブンドル(サイバスター)自衛協力型
  美しいサイバスターを駆り、対主催者のため首輪解除の情報を集めている。
  彼ではサイバスターの全能力を引き出せないが機動力もあり腕も良いので単独でも大丈夫。

●エイジ(A-2/初日18:20)
  消えたラキを探す為、北北西に移動中。クルツとの合流地点はB-1補給ポイント。 
・アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ(フォルテギガス)自衛協力型
  ラキに振り回されるわ、クルツには気を許せないわ、苦労人属性が板についている。
  クルツとはそれなりに信頼関係を築くことができた。

●クルツ(A-2/初日18:20)
  消えたラキを探す為、北北東に移動中。合流地点は同上。
・クルツ・ウェーバー(ラーズアングリフ)猫被り型
  射撃特化と思われるラーズアングリフを支給され、どんな手段を使っても生き残ることを覚悟する。
  現在はラキを捜索している。だが、裏では爪を研いでいる。


7 名前:アルフィミィちゃんの観察日誌6[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 09:16:18 ID:GyDrYHY+
●カテジナ(F-5/初日18:50)自衛戦闘型
   バサラからラーゼフォンを奪い取り逃走。
・カテジナ・ルース(ラーゼフォン)
   バサラから機体を強奪後、アスランを殺害。
   強化人間の性質がラーゼフォンにどのような影響を与えるかは不明。

●バサラ(C-5/初日18:55)平和解決型
   現在ジョナサンの攻撃により気絶中。
・熱気バサラ(プロトガーランド)
   カテジナに逃げられ、なんとなく歌に理解を示したコスモに死なれ、ガーランドも壊れた。
   よりによって歌も歌えなくなり、かなり絶望的かも。 

●ユリカ(D-7/初日19:20)自衛協力型
   現在は補給ポイントで一人、ガイ(アキト)を待っている。
・ミスマル・ユリカ(無敵戦艦ダイ)
   現在はロジャーを見送りガイ(アキト)の生存を信じ、帰りを待っている。
   小柄な機体(シンヤ)に怯え、補給ポイント以外のD-7一帯を焼け野原に。
   無敵戦艦ダイでしかもEN、弾は実質無限なのでしばらくはなんとかなるか?

●ゴステロ(H-2/初日19:30)
  アムロと交戦中。
・ゴステロ(スターガオガイガー)無差別型
  力任せの利く当たり機体であるガオガイガーを支給されるもゼクス組、ユーゼス組に退けられる。
  半壊状態で分が悪いがガイガーへのフュージョンアウトをうまく使いこなせるかが勝利の鍵に。

●アムロ(H-2/初日19:30)
  シャア達を逃しゴステロと交戦中。
・アムロ・レイ(VF-1Jバルキリー(ミリア機))自衛協力型
  エースパイロット、機体も悪くはない(ただし赤い)。
  今のところ有利な状況下だがどうなるかはわからない。

●アイビス(G-2/初日19:30)
   核ミサイルの誘爆を避ける為バイタルジャンプでゴステロから逃げる。
   F-2補給ポイントに向かい、そこでアムロの帰りを待つ。
・シャア・アズナブル(核ミサイル)自衛協力型
   アムロと離れ離れになったが今はアイビスに盾になってもらう予定。

・アイビス・ダグラス(ヒメ・ブレン) 自衛戦闘型
   シャアとアムロにより欝ビスから脱却はできた模様。

●ガウルン(C-5/初日19:40)無差別型
   気力115。アキトを堕落させているものが何か探る。
・ガウルン(マスターガンダム)
   ギャリソンを殺し、DG細胞により癌も克服した。
   現在のターゲットはアキトの矛盾元(ユリカ)だが他に参加者を見つければ攻撃を仕掛けるだろう。



8 名前:アルフィミィちゃんの観察日誌7[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 09:17:24 ID:GyDrYHY+
●アキト(C-5/初日19:40)
   ユリカの元に戻るため、機体と体がぼろぼろにもかかわらずD-7に移動中。
   現在補給の傍ら、食事中。
・テンカワ・アキト★(YF-21)自衛戦闘型
   D-7に戻っている最中ではあるが機体と体の両方がぼろぼろ。
   ガウルンに狙われているが最優先で狙われているわけではない。味覚が無くて良かったね。

●バーニィ(G-6/初日19:50)
   光龍と交戦中。
・バーナード・ワイズマン★(ブラックゲッター)無差別型
   ブラックゲッターの整備は完了。
   しかし九鬼との戦闘でENを消費した状態で光龍との戦闘に入る。
   機動力が高く小柄なABに無駄弾を使わなければ勝てるかも。

●孫光龍(G-6/初日19:50)
   バーニィと交戦中。
・孫光龍(レプラカーン)無差別型
   コーヒーブレイクから脱出したものの早速バーニィと戦闘に。
   小柄な為、ブラックゲッターに対し有利ではあるが攻撃力が足りない。
   ハイパー化すればどうにかなるかもしれないが念の暴走、被弾率が上がるなどデメリットも。

●モンシア(G-6/初日19:50)
   体中ボロボロの状態で泥酔して、男子トイレで吐いている。
・ベルナルド・モンシア(機体無し)自衛戦闘型
   大破したヘビーアームズを有効利用し、レイダーを撃破。
   しかしパイロットのヒイロは生きている。暢気に吐いてる場合じゃない 。

●ヒイロ(G-6/初日19:50)
   レイダーは行動不能に陥る。モンシアは倒せても今後どうするか。
・ヒイロ・ユイ★(レイダーガンダム)猫被り型
   腕は良い、だが機体は行動不能。とりあえずモンシアと生身格闘は必須か。

●キラ&テニア&ムサシ(C-6/初日19:50)
   キラとムサシの関係はまずまずと言った所。テニアの存在が今後の鍵となる。
   20:50までジョナサンを待ち、その後統夜を探しに行く。 
・キラ・ヤマト(Jアーク)対マーダー型
   放送後、暴走する事無くロワ脱出を目指す。
   半ば無理やりにJアークに乗り換えさせられたが、相性はいい感じ。
   
・フェステニア・ミューズ★★(ベルゲルミル(ウルズ機))猫被り型
   彼女自身の戦闘能力は高くはないが猫被りマーダーとしての器量に期待できる。
   統夜を殺す事も今では構わないと感じている。

・巴武蔵(RX-78ガンダム)
   彼はテニアの涙に騙され利用される運命である。
   反応弾にビビッてる


9 名前:アルフィミィちゃんの観察日誌8[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 09:17:57 ID:GyDrYHY+
●ラキ(G-8/初日20:00)
   現在補給中。目的地は無いがアイビスを探す予定。
・グラキエース(ネリー・ブレン)自衛戦闘型
   ジョシュアが死んだため暴走するかと思われたがジョシュアの念とブレンのおかげで今の所は大丈夫。
   ただし、放送直後など負の感情を過剰に吸収すればどうなるかはわからない。

●ギンガナム★(H-8/初日20:00)無差別型
   気力80。ラキに逃げられ萎える。
・ギム・ギンガナム(シャイニングガンダム)
   ENも補給し準備は満タンだが満足する戦いが出来ず気力は底辺。
   
●マサキ&シロ&クロ&ソシエ(D-7/初日20:30)
   サイバスターを追いかけている。だが、彼がサイバスターに追いつける可能性は0である。
・マサキ・アンドー(百式)自衛協力型
   方向音痴なのでサイバスターには追いつけない。
   D-7を焼け野原にした恐竜をやっつけるつもりでいるよう。

・シロ&クロ(百式)自衛協力型
   マサキのオプション。彼らがいてもマサキの方向音痴は変わらない。
   マサキが死ぬと彼らは消滅する運命である。クロが小石を銜えているが多分意味は無い。

・ソシエ・ハイム(百式)自衛協力型
   ドスハードを失い、生身で動いていたのが運の尽き、エビルに間違えられ攻撃される。
   それでも生きていて、マサキに助けられると悪運は強いほうかも。
   
●ジョナサン★(B-4/初日21:25)
   現在B-4補給ポイントで補給中。C-6で待っている筈のキラの元へ移動中。一番進行が進んでいる。
・ジョナサン・グレーン(ガンダムF-91)自衛戦闘型
   クインシィを探すため自衛戦闘型。ただし、彼女が死んだ場合はマーダー化するつもりである。
   JアークからF-91に乗り換え、鬱憤晴らしに他の参加者を殺すへたれ。

10 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 09:24:32 ID:fY2gOFo+
>>1乙

11 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/02/07(水) 09:28:46 ID:vnNAVzEC
>>1乙


ミスった。新スレ立てたら、他の人とダブった。どうしよう?

12 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 16:59:47 ID:Rt7kx3kq
こっちが新スレで良いんだろうか?
>>11
建てちゃった物は仕方ないしあっちは放置してdat落ちを待つしかないかと
あわよくば次スレに使えたら良いなくらいの考えで

13 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 17:25:28 ID:cqK+BNWh
>>1
乙!

前スレ>>771
まだ感想書いてなかったので遅ればせながらGJ!
他の人も言われてるけどキョウスケがちょっと無理あるかな
でも全体的にリズムがはやくて面白かった
テンポよく読めるのはやっぱ大事なんだなとしみじみ
統夜の今後に期待大

>>11
ドンマイ
重複スレってことで一応こっちへの誘導付けといた
後は落ちるのを待つしかないんじゃないかな

14 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 22:00:08 ID:ACDubnhf
しぶとい糞スレだ
荒らしてみるか

15 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 11:47:38 ID:S/sVxk0r
人がいない……


なので◆vQm.UvVUE. 氏は修正か破棄のどちらをするつもりなのかを聞いてみる。

16 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/08(木) 12:49:42 ID:mZD5EM4E
>>15
酷い言い草だ
出来れば修正欲しいけど、そのままでも通るってレベルだろ
出来れば修正欲しいけど

17 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/08(木) 14:50:25 ID:cyqdnmAF
検索に引っ掛かってないからおかしいと思ったら・・・
バトル「ロワイアル」じゃなくて「ロワイヤル」になってたのね・・・

まあどうでもいいことだけどさ。

18 名前: ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 21:17:47 ID:wPTALGpG
感想、指摘ありがとうございます
とりあえず指摘の多かったキョウスケ周りの修正を今週中に投下します

19 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 21:42:29 ID:jkU8x5Dv
 瓦礫の街並みの中、四機の航空機が羽を休めている。
 その羽の下、崩れた家屋の残骸に腰をおろしている男がいた。男の名は神隼人という。
 その眼は三機のゲットマシンを見ていた。
 ――間違いなくゲッターだ。
 真ベアー号に乗り込んだときに理解した。コックピットの内装、ゲットマシンの外観こそ知るものと異なってはいたが、首輪が教えてくれた。こいつは――
 ――真ゲッター。
 ゲッターの後継機としてつくられた機体。早乙女博士の尽力にも関わらず、5年前のあの日起動しなかった機体。それが――
 ――なぜ動いている?
 早乙女研究所の地下に封印されていたはずだ。
 ――いや、それよりも……。あの時、こいつが動いていればムサシは。
 噛みしめた奥歯が鳴る。古傷が顔に浮かび上がってきていた。
 一つ深呼吸をして心を静める。
 ――落ち着け。好都合だ。
 あの化け物がどうやってこいつを持ち出したのかは知らんが、好都合だ。
 決して動かなかったこいつが何故か順調に稼働している。そして――
 動かした視界に一組の男女が映し出される。
 おそらくクインシィを宥め連れ戻すのに苦労したのだろう。ガロードは正座で終わりの見えない説教を受けていた。
――ゲットマシンを扱えるパイロットがここに二人いる。
 あの化け物はただ無作為に人を集め訳じゃないらしい。
 翔と剴を見つけた後、どうしても見つけることが出来なかった三人目がここに二人もいる。
 となると、当面の目標は三人目を探すことか。
 そこでようやく隼人は、助けを求めてチラチラと視線を送ってきているガロードに気づいた。
「クインシィ、そのくらいにしておけ」
 少女の意志の強そうな瞳がこちらを向き、鋭い視線と怒気の矛先がかわる。
 それをこともなげに受け流し、話し出した。
「俺たちは別々の世界から集められた可能性がある……」
 最初に交換した情報の中に各自の世界観が異なることはすでに検討がついていた。
「そ〜いうこと。ヘイコン世界に住む者同士ってわけだ」
「並行世界だ」
 以前、クインシィと同様の会話をしていたガロードが得意気に相槌をうち、即座にクインシィの訂正が入る。
「それでこれからの話だが、お前たちはこのままゲッターに乗れ。俺もこのままYF-19に乗る」
 その言葉に、これまで隼人に対してゲッターという単語を口にしてないクインシィの眉がぴくりと動いた。
「そう警戒するな。あれは元々俺がいた世界で俺が乗っていたものだ。お前たちよりはあれに詳しい」
 そして「もっとも肝心なときに動かなかったがな……」とどこか自嘲気味に続ける。
「なら、なぜお前も乗り込まない? 」
「古傷があってな……。だが、そんなことはどうでもいい。それよりひとまず話は中断だ」
『アー、アー、ただいまマイクのテスト中ですの……』
 まるで見計らかったかのようなタイミングで、どこらかともなく少女の声が響いてきた。


20 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 21:43:55 ID:jkU8x5Dv
 ――6時間で10人。
 それを多いととるか少ないととるかは、人それぞれである。
 平時に50人強の集団から6時間で10人の死者が出たと考えれば、それは異常に多いだろう。だが未曾有の災害に巻き込まれたと考えれば、その数は少なかった。
 しかし、あの化け物が提示したルール上死者はまだまだ増える。
 最終的に1人しか生き残れないのであれば、その犠牲の数はやはり異常だ。
 ――1人?
 疑問が浮かんだ。
 この殺し合いはシステム上必ず1人は生き残るように設定されている。
 ――何のために?
 自分に科せられた首輪を撫でる。
 ただ殺すのが目的ならば、奴らはたやすくやってのけれるはずだ。
 最初に集められたときでも、今この瞬間でもだ。
 つまりこれは我々を殺すのが目的ではない。ただの娯楽、気まぐれ、余興と言われてしまえばそれまでだが……。可能性としては――
「選定……もしくは観察か……」
 ここに集められる前の記憶――ネオゲッターチームを集めるために自分が出した犠牲者を思い浮かべる。
 ――なんてことはない。俺もあの化け物と同類か。
 小さく哄笑が漏れた。

「俺について来い。まずはゲッターを合体させるぞ」
「なぜお前にそんなことを命令されなければならない」
 立ち上がり歩き出そうとした隼人にクインシィが噛みつく。
「こんなとこで死ぬのはごめんだろ? なら今はくだらんプライドは捨てて俺に従え。ゲッターの扱い方を教えてやる」
 視線がぶつかり合ったあと、隼人は背を向けて真ベアー号のほうに歩きだす。
 背後では納得がいかないといったふうのクインシィを、ガロードが宥めていた。


 痩身長躯の男が真・ジャガー号のコックピットに張り付き、ガロードにあれこれと指示を飛ばしている。
 その様子をモニター越しに眺めていた。
 ――気に入らない。
 神隼人と名乗るその男は、沈着冷静、頭脳明晰、そういった類の人間なのだろう。
 そして、おそらくは最低限の冷徹さも兼ね備えている。
 物に例えるならばナイフのような男――それが抱いた感想だった。
 この先、生き残っていくのには必要な男。それは理解していた。
 だが、どうにも気に入らない。イライラする。ようはそりが合わないということなのだろう。
 ――くだらないな。
 そう思い。気持を落ち着かせる。気持の問題など些細なことでしかない。
「クインシィ、操縦方法は頭に入っているな。ベアー号はオートで発進させる。まずはゲッター1だ。イーグル・ジャガー・ベアーの順で合体しろ。いいな」
 隼人から通信が入る。それにほんの一瞬前までの考えを忘れて、彼女は苛立った。
 どこか上から物を言うような口調、それが気に入らない。
「黙ってみていろ。私の好きにやらせてもらう」
 感情が判断を鈍らせることを下らないと思いつつも、感情的になる自分を御することができない。クインシィはそういう自分に気づいてはいなかった。


21 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 21:44:52 ID:jkU8x5Dv
 赤、白、黄色、三色のゲットマシンが空を飛び、一列に連なる。やがてその間隔は狭まり、合体は三度目で成功した。
「遅い! 時間がかかりすぎだ」
 筋はいい。そう思いつつ苦言を飛ばす。クインシィから返事はなかった。
「まぁいい。次はゲッター2だ。ジャガー・ベアー・イーグルの順に……」
 そこまでで一度隼人は言葉を区切った。
「神さん? 」
 不審に思ったガロードが声をかける。
「ひとまず中止する。南西の方角にお客さんだ」
 ビル群の中をゆっくりとこちらに近づいてくる青い巨人の姿が目視できた。
 距離から推し量るに、その巨体は真ゲッターと同程度の大きさであろうか。
 その足取りの確かさからまずこちらを確認していると見てほぼ間違いなさそうだった。
 ひとまずは接触すべきと考え、一歩前に踏み出す。
 その瞬間、一陣の風が隼人の横をすり抜けていった。
 零コンマ何秒の世界でその赤い風はキロ単位の距離をふいにし、無造作に頭蓋を鷲掴み、大地に叩きつける。
 技術もへったくれもないただ力任せの一撃。しかし、掛け値なしの渾身の一撃。
 重低音が響き、土煙が柱の如く聳え立つ。
 不意を突かれた隼人も、ガロードも、静止は愚か反応さえもできない間の出来事だった。

 ラキと出会ったときに相対した相手だ。警戒はしていた。
 その時の経験をもとに不意を突かれないだけの距離は取っていた――はずだった。
 どろりとした血液が額を伝って流れ落ち、口の中には錆びた鉄の味が広がる。
 軽く脳震盪でも起こしたのか、視界がぶれてうまく焦点が合わない。揺蕩う視界に赤い悪魔が映し出されていた。
「………した…」
 ガラスを引っ掻いたような耳鳴りがするなか、呟きが聞こえてくる。
「……どこへ隠した。勇をォどこへ隠したアアァァァァアアアアア!!!! 」
 聞き返す間もなく呟きは叫びへとかわる。
 フォルテギガスの頭蓋が持ち上げられ、今度はビルの壁面に叩きつけられる。
「答えろ! 勇はどこだ? 」
「な、何のことだ? 」
 何かが潰れるような鈍い音を響かせてフォルテギガスの頭部が打ちすえられる。
「隠すな! お前は知っているはずだ。勇の……私の弟の行方を!! 」
 意味が分からなかった。
 勇という知り合いはいなかった。グラドスにも、地球にも、ここにもだ。
 にもかかわらずこの少女は自分が勇を知ってると思い込んでいる。
 まったく意味が分からなかった。
 ただ一つわかるのは――この少女がどこか普通ではないということだけだった。


22 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 21:46:05 ID:jkU8x5Dv
 赤い悪鬼が巨人の頭蓋を鷲掴みにしていた。
 いや既に頭の形を保っていないそれは、頭蓋と呼ぶにはふさわしくないかもしれない。
 言ってみれば潰れた鉄屑だった。
 それが大地に、ビルの壁面に、ところ構わず無造作に叩きつけられている。
 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
 永遠にループするその光景を現すなら、『凄惨』の二字がぴったりであっただろう。
「ガロード、何が起こっている! 状況を説明しろ!! 」
 その狂気の惨劇を眼の前に、隼人が吠える。
「俺にだってわかんないよ。こんなお姉さんは初めてなんだ!! 」
 返ってきた返答に苛立つ。
「ともかく。クインシィを落ちつかせろ」
 吐き捨てるように言い、モニターに視界を戻した。
 巨人が逃れようと鷲掴みにする腕を両の手で掴んでいる。しかし、既に力はない。そんな感じだった。
 ――いや、あれは。
「クインシィ、離れろ! 」
 隼人が叫ぶのとほぼ同時に、フォルテギガスの胸部にある四つのハッチが十字に開かれ、閃光が放たれた。

 立ち込めた爆煙を裂いて東西に赤と青――二機の巨人が弾けとび、数棟のビルが巻きこまれて瓦解する。
 ――くそっ! まさかあんな方法で相殺されるなんて。
 逃げられないように腕を掴み放った起死回生の一手――フォルテギガスのギガブラスター。
 それはゲッターの腹部から放たれたゲッタービームに相殺され、二機は弾けとんだ。
「レイ、損傷を……」
 そこまで言いかけて居ないことを思い出し、機体を立て直す。
 立ち上がったフォルテギガスの中、視界が回る。腹の底から何かが込み上げてきて思わず吐き出す。出てきたものは赤かった。
 あれだけ絶え間なくコックピット内部で揺れに翻弄され続けていたのだ。無理もない。
 揺れる視界、いかれた平衡感覚、遠距離戦は不可。逃げ切ることも難しい。
 ――どうにかして接近戦に持ち込むしかない。
 特殊自律型兵器フィガ、それを射出して距離を詰める。そう決めたときに予想外の衝撃がエイジを襲う。
 強き巨人の名を冠する50m超の巨体が地に埋没し、エイジの意識は途絶えた。


23 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 21:47:18 ID:jkU8x5Dv
 首のないその風貌が死を司る首なしの騎士――デュラハンを連想させる機体が、強き巨人を足蹴にたたずんでいる。
 爆発が一つ起こり、近場に一つの機体が吹き飛ばされて来た。
 即座に駆け寄り、蹴り倒し、踏み潰した。そこには容赦も慈悲もない。
 生きる為に他人を蹴落とす。今の彼にとっては至極当然の行為だった。
「ちっ、さすがにでかいだけあって硬え」
 踏み砕くつもりで潰したはずの巨人の背にはヒビが入っていたが、砕けてはいない。
 そこに踵の裏で圧力をかける。
 装甲の外板が悲鳴をあげ、四方を持ち上げつつ?がれていく。圧迫された内部の機器が火花を散らし、黒いオイルが血の如く飛び散った。
 その時、立ち込める土煙を裂いて赤い悪鬼が姿を現した。
 横薙ぎにはらわれる大鎌。
 咄嗟のダッキング。風切り音が頭――否、首の直上をすり抜けていった。
 そのまま懐に潜り込み、振り上げられる拳。
 金属同士がぶつかり合う音が響き――

――大鎌の柄と拳が接触した。
「なっ!? 貴様は誰だ! 」
「俺の知らないゲッターだと!? 」
 互いの言葉が交錯する。押し合う拳と大鎌。
「その声、竜馬か! 」
「……!? 」
 割り込んだ声に誘発され生じたわずかな隙。それを見逃さずクインシィは力を緩め、拳を受け流す。
 前のめりに崩れる大雷凰。上段に大きく振り上げられる大鎌。
 次の瞬間、『轟』と呻りをあげて振り下ろされた大鎌は――

――大雷凰の数センチ上でピタリと静止した。
 大雷凰の腕が大鎌の柄をがっちりと掴んでいる。
「てめえ……、隼人かああぁぁぁああああ!!! 」
 強引に大鎌の柄でゲッターの顎をかちあげる。
 ふわりと浮かび上がるゲッター。そのまま流れるように繰り出された大雷凰の回し蹴りが――

――ゲッターの脇腹に食い込み、その巨体が弾け飛ぶ。
「プラズマビュート! 奴を逃すな!! 」
 まだ終わりではない。発せられたのは青白く輝くプラズマの荒縄。
 捕えられるゲッター。強引に引き寄せられ、一度広がった両者の距離が急速に縮まる。
「調子にぃ……のるなああぁぁぁぁぁぁああああ!!!! 」
 ゲッターバトルウィングが展開されプラズマビュートが断ち切られる。
 肩口から斧槍――ゲッタートマホークを取り出し、速度を落とすことなく――否、むしろ加速しつつゲッターが大雷凰に迫る。
 動じることなく竜馬も大鎌――ゲッターサイトを構え、迎え撃つ。
「うあああぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!! 」
「隼人おおおぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!! 」
 ぶつかり合う互いの気迫。交錯する斧槍と大鎌。入れ替わる両者の位置。

 音をたててゲッターの装甲に亀裂が奔った。
 互いに向きなおり、再び対峙したその時――

「落ち着け、二人とも!! 」

――静止が入った。


24 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 21:48:17 ID:jkU8x5Dv
 大雷凰と真ゲッター。その二つの大型機のちょうど中間に一つの小型機が割り込んでいた。
「リョウ、どういうつもりだ? お前もあの化け物の企てに乗った口か?」
 その小型機から送られてくる通信モニターに隼人が映っている。
 ――ちっ……。ゲッターに乗ってたのが隼人、てめえじゃないとわな……。
 先入観からかゲッターに乗っているのは隼人。そう思いこんだのは間違いだった。

「俺はなぁ、てめえと早乙女のジジイに引導を渡せりゃ、この殺し合いも化け物もどうだっていい」
 モニター越しに隼人を睨みつけ言い放つ。
「どういうことだ? 何故、早乙女博士をお前が狙う! 」
「とぼけるな、隼人! 」
「答えになってないぞ、竜馬!! 」
 噛み合わない会話の往復。隼人の顔に困惑した表情が浮かぶ。
「いつまでとぼける気だ! 三年前のあの日、てめえが早乙女のジジイを殺し、俺に罪を着せて逃げた!!そのせいで俺はなぁ、隼人!! 永久刑務所で地獄を見たんだ!!! 」
 今にも飛びかかりそうな、隠そうともしない剥き出しの憎悪、それが隼人に向けられていた。
「何のことだ? 何を言っている? 」
「うるせぇ! 俺はここでお前を殺し、後ろのゲッターを手に入れて、ジジイに引導を渡しに行く。ただそれだけだ!! 」
 吐き捨てるように口にされたその一言、それに反応した者がいた。
「できるものならやってみろ!! 」
 YF-19を跳び越え、ゲッターが大雷凰に差し迫る。
「ひっこんでいろ、クインシィ! 」
 隼人の言をまるっきり無視してゲッターは駆ける。
 クインシィにしてみれば、勇の手がかりを目の前にして邪魔をされたのだ。
 彼女の性格を考えれば止まるはずはなかった。
 その様子に苛立ちつつ奥歯を噛みしめ、指示を飛ばす。
「ガロード、オープンゲットしろ! 」
「へっ!? な、なんで? 」
 突然ふられたガロードが素っ頓狂な声を挙げた。
「無駄口を叩くな! ゲッター2だ!! 」
 既にゲッターと大雷凰の間の距離は幾許もない。
 ゲッターの背中越しに大雷凰が構え、そして踏み込み、大鎌が振るわれる。
「りょ、了解! 」
「待て、ガロード! 」
 クインシィの静止は一歩間に合わず。ゲッターは分離した。
 振るわれた大鎌の脇を三機のゲットマシンがすり抜け、大雷凰の背後でゲッター2へと姿を変える。
 ゲッター最大の弱点、合体の瞬間。それを狙って竜馬は追撃をかけようとして――

――やめた。
 考えを読んだのか、竜馬の目の前に隼人が立ちふさがっている。
「ガロード、ここから脱出して三人目を探せ。ゲッターの本当の力を引き出さなければ、あの化け物には太刀打ち出来ん!! 」
「わ、わかった」
 隼人の勢いに押される形でゲッターは地中に潜り離脱していく。
 その中でガロードは、怖ろしいほど目を吊り上げているクインシィを確認して、泣きたい気分に駆られていた。


25 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 21:49:34 ID:jkU8x5Dv
 横一文字にはらわれた大鎌をくぐり抜け、YF-19が大雷凰に肉薄する。
 ヒビの入った腹部を確認し、マイクロミサイルの発射管を開いた瞬間、急制動をかけて機体の勢いを殺す。
 鼻先を膝がすり抜けていった。続けて振り下ろされるのは肘。
 反射的にかわせないと判断した隼人はピンポイントバリアを機体上部に展開。バリアごと弾き飛ばされて一旦距離を置いた。
「勘は鈍ってないようだな、竜馬」
「ずいぶん苦しそうじゃねぇか、隼人」
 息が荒く、呼吸が落ちつかない。古傷は確実に隼人の体を蝕んでいる。
 だが、この男に泣き言を言うつもりは全くなかった。
「フ……気のせいだ。それよりもリョウ、落ち着いて聞け! 俺は神隼人だが、お前の知っている神隼人ではない。そして、お前も俺の知っている流竜馬ではない」
 わずかに竜馬の顔に反応がでる。
「……どういうことだ? 隼人、俺にわかるように説明しろ! 」
 食いついてきた。それが隼人の内心の思いであった。
「平行世界。おそらく俺とお前は極めて似通った世界からあの化け物に集められたのだろう」
「何を言い出すかと思えば」
 竜馬が鼻で笑う。
「コロニー、MS、NT、オルファン、アンチボディー、グランチャー、どれも俺には聞き覚えのない言葉だ。お前にもないだろう。真ゲッターに乗っていた二人の世界の言葉だ」
 反応を見つつ、言葉を紡ぐ。竜馬の説得をあきらめたわけではなかった。
「真ゲッター、それがあのゲッターの名前か? 」
「そうだ。そして、俺の知っている竜馬は真ゲッターを知っている。お前は知らない。それが理由だ。根拠としちゃ薄いがな……」
 全てを語り終え、流れる静寂。これが最後の説得であった。その静寂を――
「クク……ハハ……ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!! 」
――竜馬のどこか狂った笑い声が打ち消す。
「俺とてめえが違う世界の人間? それがどうした。だとしたら、俺はここでてめえに引導を渡し、他の集められた奴を全員ぶっ殺して、俺の世界のジジイとてめえに引導を渡す。
それだけだ。やることはかわらねぇ」
 その言葉を受けて、隼人は竜馬の説得を諦めた。
 「そうか。俺もここでお前に生き残る理由を譲ってやるわけにはいかん」
 冷静に状況を分析する。
 敵は共に癖を知りつくした難敵が一機。
 古傷の影響で自機のスペックはフルに引き出せず。体が機体の速度に耐えきれない以上、離脱も戦闘も現実的ではない。


26 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 21:50:50 ID:jkU8x5Dv
 その中で、足掻けることと言えば、体の状態を無視しての離脱。もしくは――ー撃に賭けた撃破。
 共に現実的ではないながらその二つしか思い浮かばなかった。
 神隼人はリアリストである。ゆえに他の相手なら逃げることを選んだであろう。相手が流竜馬であるからこそ隼人は――

――ー撃に賭けることを選んだ。
 YF-19の右腕にピンポイントバリアが収束されていく。

 狙うのは胸部装甲の凹み、コックピットの可能性の高いその一点。
 そこに限界まで収束、圧縮させたピンポイントバリアパンチを叩きこむ。

 普段と比べ段違いに小さく収束されていったピンポイントバリアはやがて通常のナックルカバーの形状から逸脱し、針の先ほどの点となる。
「行くぞ、竜馬! 」
 その言葉を合図に弾けたようにYF-19が突進し、唐突に爆発を起こした。

 目の前の突然爆発を起こしたYF-19が黒煙をあげて流れていき、やがて地表に激突して粉微塵に吹き飛んだ。

「隼人おおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

 その光景を目の前に竜馬はただ叫ぶ。何が起こったかわからなかった。
 眼の端に地に伏したままのフォルテギガスが映った。
 その瞬間、矛先はそこに向けられ――
「貴様かあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!!!」
――激しい打撃音が木霊した。
 一発一発打たれるごとにフォルテギガスの装甲が凹み、蹴り砕かれる。既に鉄屑と化している頭の先から足の先まで余すところなく蹴り砕かれていく。
 やがて動力部を損傷したフォルテギガスは爆音を残して跡形もなく消え失せた。


 戦場で身を潜め、機会をうかがい、神隼人を遠距離砲撃で沈めた男――クルツ=ウェーバーは一路、その爆発を背景に人知れず離脱、機体を北東へと駒を進めていた。


27 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 21:51:28 ID:jkU8x5Dv
【クインシィ・イッサー 搭乗機体:真ゲッター2(真(チェンジ)ゲッターロボ〜地球最後の日)
 パイロット状態:憤慨、やや疲労
 機体状態:ダメージ蓄積、
 現在位置:B-3
 第一行動方針:ガロードを問い詰める。場合によってはお仕置き
 第二行動方針:勇の撃破(ユウはネリーブレンに乗っていると思っている)
 第三行動方針:ギンガナムの撃破(自分のグランチャーを落された為逆恨みしています)
 最終行動方針:勇を殺して自分の幸せを取り戻す】

【ガロード・ラン 搭乗機体:真ゲッター2(真(チェンジ)ゲッターロボ〜地球最後の日)
 パイロット状態:全身鞭打ち・頭にたんこぶその他打ち身多数。
 機体状態:ダメージ蓄積
 現在位置:B-3
 第一行動方針:お姉さんを宥める
 第二行動方針:ゲッターのパイロットを探す
 最終行動方針:ティファの元に生還】

【神 隼人 搭乗機体:YF-19(マクロスプラス)
 パイロット状況:死亡
 機体状況:大破(木端微塵)
 現在位置:B-1】

【流 竜馬 搭乗機体:大雷鳳(バンプレストオリジナル)
パイロット状態:怒り、衰弱
機体状態:装甲表面に多数の微細な傷、頭部喪失、右肩外部装甲損壊 、腹部装甲にヒビ、胸部装甲に凹み
現在位置:B-1
第一行動方針:サーチアンドデストロイ
最終行動方針:ゲームで勝つ
備考:ゲッターサイト(大鎌)を所持】

【アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ 搭乗機体:フォルテギガス(スーパーロボット大戦D)
パイロット状況:死亡
機体状況:大破(木端微塵)
現在位置:B-1】

【クルツ・ウェーバー 搭乗機体:ラーズアングリフ(スーパーロボット大戦A)
パイロット状況:冷静、脇腹がちょっと痛い
機体状況:Fソリッドカノン三発消費、ファランクスミサイル1/3消費
現在位置:C-8
第一行動方針:ラキの探索
第二行動方針:ゲームをぶち壊す
第三行動方針:駄目なら皆殺し
最終行動方針:ゲームから脱出】

【初日 19:40】


28 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/08(木) 21:54:24 ID:7PlIT1n6
あちゃーorz
平行世界ネタ使っちゃったかあ・・・
後遠距離攻撃の件なんだけど・・・レーダーに映らないってのは変だなあ

29 名前: ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 21:56:55 ID:jkU8x5Dv
投下終了。
何か話が尻すぼみに……orz
クルツの出番が異常に少ないのは一応伏せておきたかったからです。
ご指摘のほう、よろしくお願いいたします。

30 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/08(木) 22:00:08 ID:7PlIT1n6
MAP見て確認したけど超遠距離攻撃すぎないか?これ?

31 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 22:30:07 ID:S/sVxk0r
クルツの思考がよく分からない。

味方と認識しているエイジを見捨てて、隼人を撃墜して、はいそれまでだとスナイパーぽくない。
隼人と竜馬の生き残った方を撃墜してエイジを助けるならまだ分かる。
それで失敗してエイジ撃墜、逃走の流れが自然かと思いました。
できればクルツの思考がほしいです。

32 名前: ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/08(木) 23:11:47 ID:jkU8x5Dv
ご指摘、ありがとうございます。
>>19-27を一時破棄。
クルツのパートを書き足して後日修正版の投下させていただきます。
すみませんでした。

33 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/08(木) 23:21:09 ID:HfImUKJb
投下乙!……と思ったら一旦破棄か。
確かにクルツ関連の描写が不足気味だったかも。
それとMAPの端(光の壁)の向こうって視認出来たっけ?

>>28
レーダーやらはかなり機能が阻害されているはず。

34 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/08(木) 23:24:14 ID:7PlIT1n6
>>33
そうか・・・。
ならどうやって遠距離から狙いを付けたかだよね・・・

35 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/08(木) 23:46:59 ID:kBC0xLQl
こんなキャラ像が壊れきってるスレに、元の性格も設定もクソないだろが。
所詮ネタスレなんだから、もっとキャラとかぶっ壊していけよ。
原型が分からないくらいにな。
それとバトロワなんだから、もっとバサバサ殺していけよ。
もったいぶって生き残らしてんじゃねぇよ。

36 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/08(木) 23:52:15 ID:mZD5EM4E
>>34
敵の位置は知っていて狙撃するとき普通はレーダー使わないだろ

37 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/09(金) 00:03:24 ID:yXWvGebP
>>36
いくらなんでも遠すぎるし・・・・

38 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/09(金) 00:08:11 ID:gUreOWe3
距離に加えてYF-19ってかなりの高速機だし、全力の突撃っぽいからなあ
いくらクルツでもちょっと無理なギガス

39 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/09(金) 00:18:32 ID:q3XbNkIe
>>36
レーダーっては望遠機能じゃないよな?
狙撃には必要ないと思いますよ
あと、レーダー使えない理由も書いてあるから過去ログ読んできてね
まとめサイトに行って過去作品と一緒に熟読してきてください

>>38
プラスの機体のスピードはマクロス系でも群を抜いてるからなあ
バトロイドとは言え、ファイター時の慣性使って突撃してるなら確かに狙撃できないかも

40 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/09(金) 00:40:27 ID:2kcfTPvb
狙撃は対象のスピードよりかはタイミングというか呼吸を合わせることの方が大事だと思う。
相手の動きさえ読めればスピードは関係無いんじゃね?

それでも今回の狙撃はやり過ぎだと思うけど。
話自体は良かったので修正に期待します。

41 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/09(金) 22:53:34 ID:yXWvGebP
光の壁って触れたらエリアの端から端へワープ出来るんですか?

42 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/02/09(金) 23:16:24 ID:37OAlIpJ
>>41トウヤの話を見るにそのようです。

43 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/09(金) 23:17:45 ID:yXWvGebP
>>42
つまり今回の狙撃はクルツが上手く銃弾の機動を計算したというわけで良いですね?
銃弾が斜めに移動してC-8からB-1へ移動したと

44 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/02/09(金) 23:28:29 ID:37OAlIpJ
>>43いくらなんでも神業すぎます、光の壁の先の様子は見えないかと。
見えない敵を捕捉するのはニュータイプの十八番ですが、クルツの場合は相手の
止まる瞬間のその位置に弾丸を放つタイプのスナイパーなので、あくまで現実的な
射撃が求められます。

45 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/09(金) 23:43:23 ID:q3XbNkIe
>>41>>43
人に聞いてばかりいないでちょっとは自分で調べたり考えたりして下さい
マップ端の光の壁の話は過去SSを読めば分かる話だし、銃弾が斜めに移動したという発言も考えなしで言ってるとしか思えない程ズレています

>>44
確かに統夜が確認したSSでは向こうの様子見えてないから無理がありますね
よしんば見えていてもバルキリーだしマッハで動かれると動態視力とか視界の移動とかの関係でさすがに捕えきれない気がします
クレー射撃的なもので説明するには無理がありそう

46 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/09(金) 23:51:21 ID:yXWvGebP
>>45
考えてみたのですが・・・あくまで直線的に端から端へのワープであって斜めへの移動は出来ないのですね?
ではクルツはC1からB1を狙撃→C8へ戻ったと見ていいのですか?

47 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/09(金) 23:58:48 ID:2kcfTPvb
>>46
そこらへんは作者が修正すると言ってるんだから、今突っ込んだ話する必要なし。

こう言うのもなんだが、今のあんたは初心者を装った粘着荒らしにしか見えない。
せめてルールと過去作品全てに目を通し、常識でモノを考えてから書き込んでくれ。

48 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/09(金) 23:59:34 ID:q3XbNkIe
>>46
斜めに真っ直ぐな線を引いても直線ですよね?
地図上、斜めに直線に通された道路を走っても真っ直ぐに移動してますよね?
光の壁はマップの端を囲うように間断無く走っていているものと思われます
もう一度ゆっくり考えて下さい

49 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/10(土) 00:01:59 ID:i5YqTNkC
>>48
自分が言いたい事は縦にしか行けないのかって事です

50 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/10(土) 08:54:20 ID:SXxNgcpV
十分に長い塀があるとする。
その塀は細いので塀の上を歩くことはできないが、
大した高さはないので乗り越えることはできるとする。
このとき塀の向こう側に行きたい場合、
塀対して直角に乗り越えるか、斜めに乗り越えるかは
自由だぁ〜!

51 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/02/10(土) 10:20:08 ID:ZGE1UVyr
話は変わるけど、このロワはエロスが足りない気がする。
だから人がいない。なので、欝ビス辺りににエロスをさせれば……。

ジョークです。きにせずに雑談してください。

52 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/10(土) 10:52:32 ID:3rL8EZvK
>>51
いや、そのりくつはおかしい(AAry

つーかエロスありのロワの方が珍しいぞ
全年齢だったらLSしかなくね?

53 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/10(土) 11:41:01 ID:Lssa0LaF
>>51
そう思うのならまず君が書いてみるんだ
需要があるのかどうかは知らんが

54 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/10(土) 21:34:52 ID:RLNJVty9
自分が前書いてたロワスレはエロスが暴走してたなあ。
自分も張本人の一人だったからとやかく言えないけどさ。
でも、このスレには過剰なエロスは必要ないかなあ。

55 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/10(土) 21:42:49 ID:6seFD+V4
つまりアイビスにセクハラしようとしたシャアが殴られるんだろ

56 名前: ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 12:28:57 ID:T/Y5ghvZ
差し替え部分の修正を投下します

57 名前:Ground zero(修正760) ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 12:30:03 ID:T/Y5ghvZ
「ゼクスだと!奴もこの世界に来ていたのか・・・・・・」
いや、リリーナと自分がいるならゼクスがいてもおかしくは無い。
「奴の目的はなんだ?俺と同じように情報の収集か?いやそんな事は問題ではない・・・」
本当に問題なのは、
「奴がここでも敵かどうかだ」
呟き、新たに現れた2機に通信をつなぐ。
「こちら基地のヒイロ・ユイだ、貴様は本当にあのゼクスなのか?」

『ヒイロだと!なるほど、お前もここに来ていたのか、リリーナの事は・・・・・・』

「知っている。俺は今、リリーナを殺した相手を探している、心当たりは無いか?」

『あるならすでに私がどうにかしている。ヒイロ、私達はこれから首輪の解析のためにその基地を確保したい。
協力してもらえないか?』

考える、信用できるかどうかを。
しかし、ゼクスはこのゲームに乗るような男でないことは知っている。
元の世界では敵だが、その点については信用できる。
打倒マーダー、そして主催者ならここでは協力できるだろう。
「了解した、だが気をつけろ、その黒い機体はこの殺し合いに乗っている」
このヒイロの一言が皮肉にも戦端のきっかけとなってしまった。

58 名前:Ground zero(修正761) ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 12:30:28 ID:T/Y5ghvZ
「ゼクス、ヒイロの言っていることは事実だ。あの機体とは一度戦っている」
あの時止めを刺しておけばこんな事態にならなかった。
苦い思いでキョウスケは目の前の二機を見る。
バーナードという男の言う通りにはできない。
あの虫型のパイロットがゲームに積極的に参加してるかどうかもわからないのだ。

『ならば要求通りにはできないな、どうする?』

「いちかばちかを仕掛けるしかないだろう、奴が基地に突っ込む前に仕留める」

『賭けだな、確かにそれしかないが、いけるか?』

「ファルケンのスピードなら何とかなる、それほど分も悪くない」

『了解した、こちらも援護はする、頼んだぞ』

「了解した、行くぞ!ファルケン!テスラ・ドライブフル稼働!」

隼が飛ぶ、最悪のタイミングで。


59 名前:Ground zero(修正762) ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 12:31:44 ID:T/Y5ghvZ
もしもキョウスケの突進がもう少し遅れたなら。光龍はもうそこにいなかったかもしれない。
もしもバーニィが無駄に要求などせずに逃げていたら。ゼクス達は無駄に追わず逃がしたかもしれない。
もしもヒイロの忠告が無ければ。キョウスケ達ももう少し様子を見たかもしれない。
もしも光龍の逃走の決断がもう少し早ければ・・・・・・

起こった事は変えられない、改竄は許されない。
カズイはだから最善の事をした。
AI1の教育を。

キョウスケの不運は三つ。
フルドライブによる機動をまだ一度しか使ってないためその正確な性能を本人も知らなかったこと。

普段の光龍ならばしないミス、そしてバーニィのファインプレーか。
ゲッターを少しずつレプラカーンを盾にできる位置に移動させていた。
誰もが少しずつ冷静さを失っていた。
ゼクスは、リリーナを殺された事が。
ヒイロも同じだ。
バーニィには元々そんなものは無かった。
そして光龍にはバーニィの要求が・・・・・・

無論キョウスケは知っていた、ゲッターがレプラカーンをスクリーンにしようとしていたのを。
しかし光龍は気付かなかった、自分の背後にゲッターが移動した事に。
その余裕は無かった。
それがキョウスケの二つ目の不運。
接近するファルケンが自分を狙うと錯覚した光龍は機体をハイパー化させオーラソードを振るう。
激しいGの中でキョウスケがモニターに目を向けるとソードを構えるレプラカーンがいる。
三つ目の不運、それはオーラバトラーという特殊な機体があったことだ。
(いつの間にこんなに接近した!)
狂わされたのは距離感。
もしこれが乗りなれた機体だったら間違いはしない。
こんなにもGの激しくない機体ならレーダーで確認もできただろう。
「くっ!」
これだけスピードが乗っているとかわす事はできない。
本来バーニィーに対しての切り札だったブーストハンマーをここで使ってしまう。
しかし、狂わされた間合いの中でレプラカーンには届かず、ただ隙を作るだけの結果となり・・・・・・
振るわれるソードをかわすことはできなかった。
両断されるファルケン、爆散する。


60 名前:Ground zero(修正763) ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 12:33:14 ID:T/Y5ghvZ
「君のおかげで大迷惑だよ。その代償を払ってもらおうか!」
今のレプラカーンの前ではブラックゲッターでさえも無力なのか。
あっさりとエネルギー切れ寸前のブラックゲッターを追い詰める。
「畜生!こんなところで」
オーラキャノンを被弾し、すでに満身創痍のブラックゲッター。
止めを刺さんとオーラソードを構え突進するレプラカーンに
「やられてたまるかよ!ゲッタービーム!」
カウンターのゲッタービームを炸裂させる。
「ふん、無駄な事を・・・・・・」
今のは少々肝を冷やしたが、それでもレプラカーンにほとんどダメージは無い。
それが油断だった。
「・・・・・・なんだと!」

クロー・オブ・デス。

ゲッタービームを煙幕にして放たれた一撃。
ブラックゲッターの鉤爪がレプラカーンに突き刺さっていた。
「やった!」
勝利を確信したバーニィーを、しかし絶望が襲う。
レプラカーンはまだ生きている。
いや、その力を増してさえいた。
「クックックックック、フハハハハハハ、無駄だよ!君の力なんて無力なものだ!はっははははっはは」
「くっそぉぉぉぉ」
「そろそろ飽きたな、落ちなよ」
「ゲッタァァビィィィム!」
最後の抵抗、最後の力、それすらも届かない。
もはや飛ぶ事すらもままならず、ブラックゲッターは落ちていく。
「まあ、そこそこ楽しめたよ。それじゃあ、さよなら」
落ちていくゲッターにオーラキャノンを放ち、光龍は一人笑う。

61 名前:Ground zero(修正764) ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 12:33:56 ID:T/Y5ghvZ
「素晴らしい!素晴らしい力じゃないか!もはや主なんていらない。
さっさとこのゲームを終わらせて、全てを手に入れようか!・・・・・・ん?」
今のいい気分を害するかのように、もう一機の黒い機体が立ちはだかる。
「ゼクスさん!逃げましょうよ!あんなの勝てッこない!」
「いや、あの怪物をここで放って置くわけにはいかん!ここで仕留める!」
ディバイデッド・ライフルを構える。
外側からの攻撃で目の前の怪物を倒すのは不可能だろう。
ならば取れる手段は一つだけ。
超接近しての零距離射撃。
相手にディバイデッド・ライフルを突き刺して内部から破壊する。
「来るのかい?いいよ、いくらでも相手になろう」
「ディバイデッド・ライフル、ソードモード」
おそらく勝負は一合で決まるだろう。
この攻撃が通じなくては勝ち目は無い。
ここで決めねばならない、他の非参加者のためにも。

「・・・・・・・・・勝負!イグニッション!」

メディウスが一気に加速する。
放たれる無数のオーラキャノン、それを掻い潜りメディウスは疾走する。
もう、目の前には巨大なオーラバトラーの姿が・・・・・・
振り下ろされるオーラソードのさらに内側で、

「これで、終わりにさせてもらう!」

メデゥス・ロクスの切り札。
ゼクス達は知らないが、それは奇しくもキョウスケの切り札に似ていた。
ソードモードのディバイデッド・ライフルを突き刺し内部から射撃する・・・・・・はずだった

「馬鹿な!」

レプラカーンの腕がソードが届く直前でメディウスの腕を抑えていた。

「ちょっとだけひやっとしたよ、でもここまで・・・・・・・・・・・なんだ?オーラ力が?」
レプラカーンの力が失われてきている。
気のせいではない、その証拠に今まで巨大だった姿がどんどん縮んでいく。
「どういう事だよ?パワーが切れたのか?なんなんだよ!いったい!」
そして、その隙を見逃すゼクスではなかった。
「まさか!吸い取られて!」
「スティング・アクセレレイション!」
その一撃は正確にオーラバリアーで巨大化した像の中のレプラカーン本体を貫いた。


62 名前:Ground zero(修正765) ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 12:35:57 ID:T/Y5ghvZ
(そうか、AI1、あれでいいんだね?)
「何だ?メディウスが、勝手に動くだと!」
半壊して落ちてゆくレプラカーンを猛然とメディウスが追う。
そしてディバイデッド・ライフルを正確にコックピットに突き刺す。

そして・・・・・・

「なんだ、何が起こっていると言うのだ!いったい!」
焦るゼクスの背後で、カズイはほくそ笑む。
(いいぞAI1、お前が強くなれば僕も生き延びられる、そして力をもてるんだ!)

それは変形、いや変体といっていいだろう。
レプラカーンのオーラコンバーターとオーラ増幅器の吸収。
そしてスターガオガイガーとレプラカーンとの戦闘経験。
ラズムナニウムの自己修復、自己進化機能。
それらを元にAI1は答えを出す、今時分にとって一番必要な力を。


63 名前:Ground zero(修正766) ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 12:36:43 ID:T/Y5ghvZ
「戦闘は終わっったか・・・・・・が、何なのだ、あれは」
戦闘反応を感じ駆けつけたブンドルは戦闘を見守っていた。
黙っていたのは戦っていたのは非戦闘員以外の者達だったからだ。
もしも勝った物がマーダーならこの場で仕留める。
しかし勝ったのは以前彼が出会ったゼクスという男の機体だった。
ならば基地の奪取という目的は合致している、ゼクスに通信をしようとしたそのときだ。
ブンドルの目に映った禍々しい光景。
メディウスロクスの進化の様。
「美しくないなこれは」

無論基地で戦闘を見ていたヒイロもその光景は見ていた。
「ゼクス!何が起きているゼクス!応答しろ!ゼクス!」


64 名前:Ground zero(修正767) ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 12:37:45 ID:T/Y5ghvZ
この光景を見ていないものもいた。
ブラックゲッターのコックピットから命からがら脱出したバーニィだ。
ゲッターの頑丈さに助けられたがそれでも落下のショックでボロボロだった。
何とか基地から離れようと体を引きずるように歩く。

「俺は生きてる、まだ戦える・・・・・・」
「ほう、そいつはよかったな」

衝撃。
右頬だ。

「ぐわぁっ!」
吹き飛び、そして見る、自分を殴った男を。
自分が殺したはずの男、ベルナンド・モンシアの姿を。

「ラッキーだったぜ、外がうるさいから様子を見に行ったらお前がコックピットから這いずってきた所だからよ。
まあ、たっぷりお礼をさせてもらうぜ小僧」
今日は本当に最悪だ、それがバーニィの思いだった。
自分はこのままこの男に嬲り殺されるのか、それならまだゲッターが落された時に死んだ方が・・・・・・
だが、本当の最悪はそんなものではなかった。

「あ」

バーニィはそう一言声を発し指を指す、モンシアの背後を。

「馬鹿が、そんな古典的な手で騙されるはずは無いだろ?ん?何だ?影が」

それがモンシアの最後の言葉になった。
そして最後に見た光景は巨大な足が自分に迫り・・・・・・


65 名前:Ground zero(修正768) ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 12:38:07 ID:T/Y5ghvZ
この光景を見ていないものもいた。
ブラックゲッターのコックピットから命からがら脱出したバーニィだ。
ゲッターの頑丈さに助けられたがそれでも落下のショックでボロボロだった。
何とか基地から離れようと体を引きずるように歩く。

「俺は生きてる、まだ戦える・・・・・・」
「ほう、そいつはよかった」

衝撃。
右頬だ。

「ぐわぁっ!」
吹き飛び、そして見る、自分を殴った男を。
自分が殺したはずの男、ベルナンド・モンシアの姿を。

「ラッキーだったぜ、外がうるさいから様子を見に行ったらお前がコックピットから這いずってきた所だからよ。
まあ、たっぷりお礼をさせてもらうぜ小僧」
今日は本当に最悪だ、それがバーニィの思いだった。
自分はこのままこの男に嬲り殺されるのか、それならまだゲッターが落された時に死んだ方が・・・・・・
だが、本当の最悪はそんなものではなかった。

「あ」

バーニィはそう一言声を発し指を指す、モンシアの背後を。

「馬鹿が、そんな古典的な手で騙されるはずは無いだろ?ん?何だ?影が」

それがモンシアの最後の言葉になった。
そして最後に見た光景は巨大な足が自分に迫り・・・・・・


66 名前: ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 12:38:46 ID:T/Y5ghvZ
修正版投下完了です

67 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 12:42:00 ID:yu2QhE4x
さて叩くか
>距離感
確かにハイパー化すると巨大化するけど距離が詰まるというのは不自然。
普通にスピードが速すぎてしかもGが凄くて乗り慣れてないから避けられなかっただけでいい気がする

あえてキョウスケ厨的な言い方をするとキョウスケならそれでも避けられるはず。
それとハンマーを使わずに体当たりのしてもOK。
それとバーニィ。巨体を見たら驚かずに逃げるにした方がいいのでは?
マーダーなんでしょ?
だったら自分の生存を優先する筈


68 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 13:14:26 ID:e970qWUH
細かいけど、モニターに目を向けると…ってあるけど、その前に一体何を見てたのかって思う。
モニター見てなかったとすると自然にレーダー見てるんじゃね?

あとファルケンとかテスラドライブ系の機体ってそんなにG激しくかかるもん?
ゼオラみたいな子ども(14歳?)が普通に乗れて射撃できる辺り、大分緩和されてると思うが。
で、かわせないまでも横すり抜けることはできるんじゃないかと。ハンマー使えるならね

69 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 14:31:50 ID:ZBb4ITQb
・キョウスケ爆死
・メディウス進化
・モンシアプチュ

この三点に縛られすぎかも。
一番気になったのはやっぱりキョウスケ関係。

>フルドライブによる機動をまだ一度しか使ってないためその正確な性能を本人も知らなかったこと。
使いづらいから『俺好み!』にしたんじゃなかったっけ?
フルドライブはTBSシングルモードで起動するはず。

>無論キョウスケは知っていた、ゲッターがレプラカーンをスクリーンにしようとしていたのを。
だったらわざわざ直進せずに避けようZE!

あとメディウスも進化するの早くね?

70 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 14:45:52 ID:yu2QhE4x
草が生い茂る平野で二機の巨人が対峙していた。
片方は大柄でもう片方は小柄。
大柄の方がまるで子犬を追いかけるかの様に小柄な方を追い掛け回している。
「ハーッ、ぜぇぜぇ。」
大柄な機体のパイロット、ゴステロは眩暈と息苦しさを覚えていた。
全身の痛みと頭痛に悩まされ標準すらままならない。
「そこのパイロット!君は先程痛みを覚えていると言ったがその原因は何だと思う?」
小柄な機体のパイロット、アムロがゴステロに話しかけた。
「知るかよぉぉ!」
スターガオガイガーから再度、拳が放たれた。
「君の痛みは殺し合いに参加している恐怖から来ているのではないか?」
回避に専念しながらアムロは続けた。
「怖くはねぇよぉ!」
そう言いながらもゴステロは疑問に思った。
恐怖は無いが不安と緊張はある。
自分と機体以外の何にも頼らず闘い続ける事にある程度の不安を抱いていた。
今のままでやっていけるのか?
一瞬、スターガオガイガーの動きが止まった。
それを見てアムロは接近してスターガオガイガーの目の前で止まった。
「恐怖は無いのか。だが君はストレスを感じているのでは無いか?罪悪感も。」
アムロは慎重に言葉を選んだ。
これは仮定だがゴステロはこの状況が始まった時から今までずっと緊張して来たのは無いだろうか。
そして今正にその糸が切れそうになっている。
「ストレスだぁ?俺にそんなもんはねぇぇーーーッ!」
最早話し合いの余地など無かった。
アムロが距離を取ろうとバーニアを吹かしたのとブロウクンファントムが打ち出されるのはほぼ同時だった。
バキィ。
アムロのバルキリーの右腕が砕け散った。
「ちぃッ!」
「食らえぇぇぇ!ドリルニー!」
(間に合わなかったか・・・)
アムロは静かに目を閉じた。
数秒後、アムロは違和感を覚えた。
確実に来たであろう衝撃が無い。
恐る恐る目を開けると・・・そこにはコックピットのハッチを空け、地に膝を付けたスターガオガイガーがあった。
操縦席にパイロットの姿は無い。

71 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 14:46:40 ID:yu2QhE4x
 「おええ」
ゴステロは吐いていた。
止め処も無い痛みに彼の肉体は耐えられなくなったのだ。
数歩歩き仰向けになる。
空を見上げた。
この青い空の下、戦闘がどこかで行われている。
そんな事を考えていても埒が明かなかった。
今は唯寝よう。
強烈な眠気に襲われたゴステロはすぐに鼾をかいて寝始めた。


「この機体を破棄する。」
そういうとアムロはバルキリーから降りてアムロは目の前にあるスターガオガイガーに向かった。
急いでコックピットに乗り移りハッチを閉める。
ゴステロはまだ気づいてないようだ。
小さい機体は小回りが利くが装甲が無い。
大柄な機体は頑丈だがスピードが無く小さい敵に当てにくい。
だが自分の腕ならば。
アムロは新たな機体を駆るとアイビス達が行った方向に機体を動かした。





【アムロ・レイ 搭乗機体:スターガオガイガー(勇者王ガオガイガー)

 パイロット状況:良好
 機体状況:機体状態:左腕損失(プロテクトウォール不可)、左半身にダメージ、EN中消費、装甲表面に多少の傷(戦闘に支障なし)
 現在位置:H-2北東部
 第一行動方針:シャア達との合流
 第二行動方針:首輪の確保
 第三行動方針:協力者の探索
 第四行動方針:首輪解除のための施設、道具の発見
 第五行動方針:核ミサイルの破棄
 最終行動方針:ゲームからの脱出
 備考:ボールペン(赤、黒)を上着の胸ポケットに挿している】


【ゴステロ 搭乗機体:なし
 パイロット状態:睡眠中
 現在位置:H-2
 第一行動方針:今は唯寝る。
 備考:疲労でクタクタです。


VF-1Jバルキリー(ミリア機)はアムロによって破棄されました。
機体状況:両腕を消失、弾薬を半分ほど消費


72 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 15:42:33 ID:m8aIeiHm
>>66
修正お疲れ様です。
ファルケンはアルトよりの出力に設定を書き換えられているはずなので、性能云々はちょいおかしいかな。
距離感は巨大化という現象がキョウスケの常識外であったために接近しすぎたように感じた、でO.Kですか?

>>68
ゼオラはスクール出身なんで比較対象には何ないと思う。
まぁ、シャイン王女が平気でフェアリオン乗ってたり、逆にGRaMXs時にアイビスの顔が殿方には見せられないほどゆがんだり(ツインテスラドライブだけど)なので、Gは深くつっこまなくてもいいんじゃないでしょうか。
あんま決めすぎたら後の書き手さんも書きにくくなるし。

>>71
投下乙!
だけど、せめて予約と投下後に一言ぐらいは付けましょう。
他の書き手さんもしてることですので。
内容ですが、ドリルニ―とまで叫んだゴステロが機体を降りるまでの行動に違和感が。
いくら吐き気がひどくても戦闘中に機体を降りようと思うのには無理があります。そして自分から寝るはもっとしんどいかと。
アムロの行動も全体的に不用意かと。



73 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 15:45:52 ID:yu2QhE4x
>>72
では明日修正版を書きます。
機体を降りるのでは無くコックピット内で失神ではどうでしょうか?
アムロの機体の乗り換えはナシの方向で。

74 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 15:53:13 ID:viuh3/PN
>>72
すぐ修正に走る事になる作品なら、もう少し推敲を重ねてから投下してほしかった…と思うのは、読み手の傲慢かな?
あと、「〜はどうでしょうか?」と修正後の展開について賛同を求めるのは、出された批判が少ない現状では逆効果だと思います
…というか、なんだか随分他人任せのような雰囲気が伝わってくるんですよね…

あと、これは割とどうでもいい疑問なんですが…
どうして「明日」なんですか?まだ日が変わるまで8hもありますのに…

75 名前:74[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 15:53:56 ID:viuh3/PN
まさかこの状況で安価ミスるとは…orz
>>72→>>73

76 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 15:56:28 ID:yu2QhE4x
>>74
推敲+考察の時間を下さい・・・・・。
掲示板の方に書きます。

77 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 17:07:24 ID:W/rtqLPr
>>67
ふと思った。どっかんターボなアルトアイゼンの方が出力が高そうだから、
Gはあんまり気にならないレベルなんじゃないのかと。

むしろアルトの方が直線のダッシュは早くて、ファルケンの方は小回りが利くのでは
ないのかと。

78 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 18:11:20 ID:yu2QhE4x
草が生い茂る平野で二機の巨人が対峙していた。
片方は大柄でもう片方は小柄。
大柄の方がまるで子犬を追いかけるかの様に小柄な方を追い掛け回している。
「ハーッ、ぜぇぜぇ。」
大柄な機体のパイロット、ゴステロは眩暈と息苦しさを覚えていた。
全身の痛みと頭痛に悩まされ標準すらままならない。
「そこのパイロット!君は先程痛みを覚えていると言ったがその原因は何だと思う?」
小柄な機体のパイロット、アムロがゴステロに話しかけた。
「知るかよぉぉ!」
スターガオガイガーから再度、拳が放たれた。
「君の痛みは殺し合いに参加している恐怖から来ているのではないか?」
回避に専念しながらアムロは続けた。
「怖くはねぇよぉ!」
そう言いながらもゴステロは疑問に思った。
恐怖は無いが不安と緊張はある。
自分と機体以外の何にも頼らず闘い続ける事にある程度の不安を抱いていた。
今のままでやっていけるのか?
一瞬、スターガオガイガーの動きが止まった。
それを見てアムロは接近してスターガオガイガーの目の前で止まった。
「恐怖は無いのか。だが君はストレスを感じているのでは無いか?罪悪感も。」
アムロは慎重に言葉を選んだ。
これは仮定だがゴステロはこの状況が始まった時から今までずっと緊張して来たのは無いだろうか。
そして今正にその糸が切れそうになっている。
「ストレスだぁ?俺にそんなもんはねぇぇーーーッ!」
最早話し合いの余地など無かった。
アムロが距離を取ろうとバーニアを吹かしたのとブロウクンファントムが打ち出されるのはほぼ同時だった。
バキィ。
アムロのバルキリーの左足が砕け散った。
「ちぃッ!」
「食らえぇぇぇ!ドリルニー!」
(間に合わなかったか・・・)
アムロは静かに目を閉じた。
数秒後、アムロは違和感を覚えた。
確実に来たであろう衝撃が無い。
恐る恐る目を開けると・・・そこには地に膝を付けたスターガオガイガーがあった。

79 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 18:11:55 ID:yu2QhE4x
 「おええ」
ゴステロは吐いていた。
全身と脳の痛みに彼の肉体は耐えられなくなったのだ。
機体の電源を切る。
ブゥンと音がしてスターガオガイガーの目が暗くなり動かなくなった。
それと同時にゴステロの意識も遠のいていった。
(獲物が目の前にいるってのに・・・うう・・・)
ゴステロは仰向けに倒れた。
コックピットの天井が目に映る。
薄れゆく意識の中でゴステロはドシンという音を聞いた。
(何だ・・・・)

 アムロは相手の機体の動きが止まったのを確認するとバーニアを吹かして相手の頭部に近寄った。
そして蹴る。何度も何度も。
スターガオガイガーのツインアイのモニターは割れカメラは砕け散る。
その後、相手の背後に回り機体のブースターの部分をミサイルで破壊する。
アムロのコックピットの中でカチンという音がした。
弾切れだ。
(先程使いすぎたか・・・。だがこれでもうこの機体は役に立たない筈だ。)
アムロがそう確認した時異変は起こった。
スターガオガイガーが再起動したのだ。
「寝てられねえだろうがぁ!」
ゴステロが罵声を飛ばす。
「くぅぅ!」
アムロは歯軋りをした。
こういう力押しの相手は例え機能の一部分を奪っても構わずやってくる。
動きが止まった時相手のコックピットに一転集中射撃をしていればよかったかも知れない。
それをしなかった自分をアムロは悔いた。
変形してその場を離れようとボタンを押そうとした時、アムロの目の前で相手の機体はバラバラになった。
「ふぅぅぅ〜〜〜〜。」
「分離したのか!」
ゴステロの乗るガイガーが地面に落ちたドリルガオーを拾い上げ装着する。
「俺の眠りをぉぉ、邪魔するなあ!」
ゴステロがアムロに攻撃を仕掛けた。
それをスレスレで避けるとバルキリーは飛行機形態へと姿を変えた。
飛び去るバルキリーを見てゴステロはドリルを射出した。
「ちいッ!」
巧みな操縦でドリルを避けたアムロだがガイガーの接近に気づかなかった。
「空ならよぉ・・・こちらも飛べるんだぜぇ!」
ゴステロがウィルナイフでバルキリーを切り裂こうとする。
「まだだッ!」
翼にナイフが当たるか当たらないかわからないぐらいのスレスレでアムロは斬撃を避けた。
アムロは焦っていた。
もうミサイルとライフルの残弾数が無い。
後は最後の手段しか残っていない。
「フハハ!逃げるだけかぁ!?」
ゴステロが更に接近する。
「うおお!」
「今だッ!」
バルキリーが全速力で間合いを詰め、突進する。
それに驚いたゴステロは反応出来なかった。
直後、バルキリーがガイガーに衝突し爆発が起こった。
衝撃によりガイガーは吹き飛ばされ地面に叩きつけられた。
(敵ながら・・・あっぱれ・・・だ・・ぜ・・)
再び、ゴステロの意識は遠のいて行った。

80 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 18:12:26 ID:yu2QhE4x
 「やはりあの程度では無理だったか・・・・。」
アムロは一人ごちた。
自分はマーダーになるつもりは無い。
だがマーダーが来たら撃退する。
それが彼の主義だった。
幸いバルキリーからの脱出の際に撃たれる事は無かった。
が、今は機体を見つけなければならない。 
アムロの目に何やら二両編成の電車の様な物が目に入った。
元の世界でも似たような形の電車があったのだ。
アムロはその機体の操縦席を探した。
「後方車両は破損しているな。スイッチで連結を切り離すぞ。」
ピッとボタンを押すと後方にある車両は破棄された。
アクセルを押しエンジンを起動させる。
アイビス達と合流しなければならない。




【ゴステロ 搭乗機体:ガイガー(勇者王ガオガイガー)
 パイロット状態:気絶中
 機体状況:良好 (右腕にドリルガオー装備)
 現在位置:H-2
 第一行動方針:エイジ・カミーユ・ゼクス・ユーゼス・ベガを殺す
 最終行動方針:生き残り優勝
 
【アムロ 搭乗機体:ライナーガオー (勇者王ガオガイガー)
パイロット状態:良好
 機体状況:良好(後部車両の連結を破棄)
 現在位置:H-2北東部
 第一行動方針:シャア達との合流
 第二行動方針:首輪の確保
 第三行動方針:協力者の探索
 第四行動方針:首輪解除のための施設、道具の発見
 第五行動方針:核ミサイルの破棄
 最終行動方針:ゲームからの脱出
 備考:ボールペン(赤、黒)を上着の胸ポケットに挿している】



81 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 18:13:23 ID:yu2QhE4x
時刻を入れ忘れました。
【初日19:50】です。

82 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 19:08:32 ID:e970qWUH
ガイガー空飛べたんだ

83 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 19:09:56 ID:yu2QhE4x
>>82
設定だと
全高:23.5m/重量:112.6t/内蔵タンク総量:34t/
最高走行速度:時速350km/最高飛行速度:マッハ1.0/最大出力:185000kw
との事

84 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 19:43:24 ID:viuh3/PN
>>81

76 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 15:56:28 ID:yu2QhE4x
>>74
推敲+考察の時間を下さい・・・・・。
掲示板の方に書きます。

投下まで2h20min、それだけで推敲+考察の時間が十分だったと。やあ、大した文才ですな。
そして掲示板ってしたらばじゃなかったんですねえ。いやはや、勘違いしていたとはお恥ずかしい限りです。



ふざけるのも大概にしろ、三流書き手

85 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 19:56:51 ID:V1oZM0sQ
>>83
戦闘描写がおかしくて最後の方何やってるかわかんないんだけど
バルキリーを結局どうしたの?とか
バルキリーは自動操縦でぶつけるとかそんなんできないと思うし、それじゃアムロが脱出する暇ないし
残ってんならこれからの火力や取引の都合、反応弾積んでる以上捨てないだろうし
あと、どうもガオガイガーの方ばかりでバルキリーの描写をしようという気概が感じられない
何モードで戦ってるのかすら書いていない
君、バルキリー知らないんだろ?

>>67
どれもOKになる範囲だと思うけどな
キョウスケだったらできた、できなかったってのは作者さんの描写と平等の可能性があると思う
バーニィだって光龍が何考えてるかはわからないから逃げるタイミングを見付けられたとは思えない


86 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 20:05:35 ID:yu2QhE4x
>>84
すみません・・・
>>85
 バルキリーは最後アムロが特攻させました。
 反応弾の件なんですが・・・少し前に書いた人がいるんですけどその時威力をどうするかという流れになった事がありましたよね?
下手に使ってもしゴステロが死んだらこれからの都合上マイナスになるのではと思いました。
 >自動操縦でぶつける、脱出する時間が無い
α外伝でイサムがやっていた竜骨飛び(エンジンを切って慣性に任せる飛行)でぶつけたというのはどうでしょうか?

87 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 20:11:12 ID:V1oZM0sQ
>>86
いますぐバイク乗ってアクセル全開にしてそのまま横から飛び下りてきて
慣性付いてる状態から脱出する危険性が分かるよ
バルキリーはそれの何倍も速く何倍も高い位置にコックピット付いてるからね
あとアムロパイロットスーツやヘルメットのような安全具付けてないのも忘れないで

88 名前:それも名無しだ[] 投稿日:2007/02/11(日) 20:16:17 ID:l14xXIlZ
>>86
で、反応弾は結局どうなったんだ?
それと、
>α外伝でイサムがやっていた竜骨飛び
お前は何を言っているんだ?
『マクロスプラス』の『必殺・竜鳥飛び』だ。原作も知らない奴が知った風に語るな。

89 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 20:16:54 ID:yu2QhE4x
>>87
うう・・・申し訳ありません。
ではバルキリー特攻はナシの方向で再度修正したいと思います。
それと・・・・思ったんですけど・・・ガオガイガーのツインアイ=ガイガーのツインアイでしたよね?

 自分的に極度の興奮状態にあるゴステロが話し合いに応じるとは思えないのですが・・。
見敵必殺の方針にある人間が脱出派の人間の言葉に耳を傾けるとは思えません・・・。


90 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 20:19:17 ID:viuh3/PN
>>89
どうしてアムロが勝たねばならん?別にアムロが撃墜されたっていいじゃないか、死は平等に訪れるもんだ
あるいは痛み分けでアムロ逃亡とかでも全然構わないだろうし、上とは逆にゴステロが死んでもいい

今のままじゃ展開に無理がありすぎると思うぞ

91 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 20:22:43 ID:yu2QhE4x
>>90
>痛み分けでアムロが逃亡
自分としてはそれで行きたいんですよ。
でも後でリレーする人がそれで書き易いかどうかが気になるんですよ。
その場合ゴステロはEN切れで動けなくなってしまうとかでもいいんでしょうか?

92 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 20:26:11 ID:iEeMBnke
>>91
ハァ?
痛み分けだと後でリレーする人がそれで書き易くない理由と、今回の結果だと書きやすくなる理由を教えてくれないか?

93 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 20:27:41 ID:yu2QhE4x
>>92
自分は書き易くないとは言っていません。
今回の結果でも正直アレだなと思っています。
だからこそ皆さんの意見を取り入れてキチンとした作品を書きたいのです。

94 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 20:30:38 ID:CZuQTYzh
>ゴステロが死んだらこれからの都合上マイナス

よくわからないんだが、マーダーが減ることを危惧しているのですか?

個人的には、アムロ死亡・ゴステロ死亡・痛み分け・両者相撃ち、それぞれを思案に入れて練り直してほしいかな
痛み分けにこだわることはないと思います

95 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 20:37:13 ID:e970qWUH
つかCCA版アムロが何故動き止まった敵を殺さずに機能削ぐだけにしてんの?
明らかにマーダーな狂人相手に。
悠長に蹴ってないで殺すか逃げるかだろ。

96 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 20:41:15 ID:iEeMBnke
>>91
答えになっていない。
じゃあ何で書きたかった痛み分けの展開をしなかったんだ?

97 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 20:41:57 ID:AvwCJdqI
とりあえず皆様の意見を聞かずとも空気を読め、まともな作品を独力で書けないと、特にリレー小説の書き手はやれないよ。
残念だけどこのまま修正を重ねても後を引いてしまうだろうし、破棄して書き手としてのレベルを上げてから再挑戦することを勧める。

98 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 20:45:36 ID:yu2QhE4x
>>94
了解です


99 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 21:46:54 ID:yu2QhE4x
疑問に思ったのですが反応弾自体の飛距離は最長でどのぐらいなのでしょうか?

100 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 21:58:46 ID:V1oZM0sQ
>>99
とりあえず、自分に都合の悪い注意文句には耳を塞ぐようならリレー小説には参加しないでくれ

101 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 22:00:41 ID:yu2QhE4x
>>95
考慮します
>>96
ガオガイガーの装甲の事を考えると痛み分けって不可能では無いかと思ったからです。

102 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 22:09:16 ID:hpB9Gmv8
>>101
お前には心底がっかりしたよ

103 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 22:14:30 ID:F4BJEKyV
ていうか、何度同じことを繰り返せば気が済むんだ?
第一次でもライダーロワでもカオスロワでも同じことやって総スカン食らって叩かれまくってるのに
全く反省もなく……どういうつもりだよ。

正直、荒らしよりタチ悪い。


104 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 22:26:45 ID:yu2QhE4x
>>103
自分はそのスレのどれにも参加してはいません・・・

105 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 22:32:33 ID:V1oZM0sQ
>>104
書いた話の問題点や質問応答の仕方が他人とは思えないくらい似てるよ
っていうか他人じゃないだろ
IDも変わり、トリ変えたら別人になるってわけじゃないからね


106 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 22:33:13 ID:yu2QhE4x
>>105
他人の空似という奴でしょう。

107 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 22:36:21 ID:RYemkeQk
わかったから破棄してもう書かないでくれ

108 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 22:37:24 ID:F4BJEKyV
まあ同一人物かどうかはこの際どうでもいい。
◆E4GxMpkzKc氏に言えることは

「文章を一から勉強しなおして、テンプレと前の話全部熟読して、なおかつ最低限の空気読めるようになってから」
出 直 し て 来 い
と。

109 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/11(日) 22:40:12 ID:yu2QhE4x
>>107
断ります。
自分はこのロワに参加して何とかしてこれを終焉へと持っていきたいのです。

110 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 22:46:31 ID:AvwCJdqI
>>109
そんなことは最低限のルールは守ってから言ってください。

以下完全スルーでおk?

111 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 22:50:17 ID:V1oZM0sQ
>>110
おk
他人の空似がいるそうだから、その人(達?)にもひじょ〜うに申し訳ないけどまとめてスルーで

112 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 23:09:19 ID:e970qWUH
本家の◆S5LK8pzfGwと口調と態度が激似な件

113 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 23:17:54 ID:kK81MKFP
>>112
本人が違うって言ってるから違うんでしょw

まあ破棄して以降スルーね
これ以降他人の空似が出てきたりそれに反応する人もスルーで

114 名前: ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:46:38 ID:ozgSAix8
修正版投下します


115 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:47:14 ID:ozgSAix8
 瓦礫の街並みの中、四機の航空機が羽を休めている。
 その羽の下、崩れた家屋の残骸に腰をおろしている男がいた。男の名は神隼人という。
 その眼は三機のゲットマシンを見ていた。
 ――間違いなくゲッターだ。
 真ベアー号に乗り込んだときに理解した。コックピットの内装、ゲットマシンの外観こそ知るものと異なってはいたが、首輪が教えてくれた。こいつは――
 ――真ゲッター。
 ゲッターの後継機としてつくられた機体。早乙女博士の尽力にも関わらず、5年前のあの日起動しなかった機体。それが――
 ――なぜ動いている?
 早乙女研究所の地下に封印されていたはずだ。
 ――いや、それよりも……。あの時、こいつが動いていればムサシは。
 噛みしめた奥歯が鳴る。古傷が顔に浮かび上がってきていた。
 一つ深呼吸をして心を静める。
 ――落ち着け。好都合だ。
 あの化け物がどうやってこいつを持ち出したのかは知らんが、好都合だ。
 決して動かなかったこいつが何故か順調に稼働している。そして――
 動かした視界に一組の男女が映し出される。
 おそらくクインシィを宥め連れ戻すのに苦労したのだろう。ガロードは正座で終わりの見えない説教を受けていた。
 ――ゲットマシンを扱えるパイロットがここに二人いる。
 あの化け物はただ無作為に人を集め訳じゃないらしい。
 翔と剴を見つけた後、どうしても見つけることが出来なかった三人目がここに二人もいる。
 となると、当面の目標は三人目を探すことか。
 そこでようやく隼人は、助けを求めてチラチラと視線を送ってきているガロードに気づいた。
「クインシィ、そのくらいにしておけ」
 少女の意志の強そうな瞳がこちらを向き、鋭い視線と怒気の矛先がかわる。
 それをこともなげに受け流し、話し出した。
「俺たちは別々の世界から集められた可能性がある……」
 最初に交換した情報の中に各自の世界観が異なることはすでに検討がついていた。
「そ〜いうこと。ヘイコン世界に住む者同士ってわけだ」
「並行世界だ」
 以前、クインシィと同様の会話をしていたガロードが得意気に相槌をうち、即座にクインシィの訂正が入る。
「それでこれからの話だが、お前たちはこのままゲッターに乗れ。俺もこのままYF-19に乗る」
 その言葉に、これまで隼人に対してゲッターという単語を口にしてないクインシィの眉がぴくりと動いた。
「そう警戒するな。あれは元々俺がいた世界で俺が乗っていたものだ。お前たちよりはあれに詳しい」
 そして「もっとも肝心なときに動かなかったがな……」とどこか自嘲気味に続ける。
「なら、なぜお前も乗り込まない? 」
「古傷があってな……。だが、そんなことはどうでもいい。それよりひとまず話は中断だ」
『アー、アー、ただいまマイクのテスト中ですの……』
 まるで見計らかったかのようなタイミングで、どこらかともなく少女の声が響いてきた。

116 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:48:13 ID:ozgSAix8
 ――6時間で10人。
 それを多いととるか少ないととるかは、人それぞれである。
 平時に50人強の集団から6時間で10人の死者が出たと考えれば、それは異常に多いだろう。だが未曾有の災害に巻き込まれたと考えれば、その数は少なかった。
 しかし、あの化け物が提示したルール上死者はまだまだ増える。
 最終的に1人しか生き残れないのであれば、その犠牲の数はやはり異常だ。
 ――1人?
 疑問が浮かんだ。
 この殺し合いはシステム上必ず1人は生き残るように設定されている。
 ――何のために?
 自分に科せられた首輪を撫でる。
 ただ殺すのが目的ならば、奴らはたやすくやってのけれるはずだ。
 最初に集められたときでも、今この瞬間でもだ。
 つまりこれは我々を殺すのが目的ではない。ただの娯楽、気まぐれ、余興と言われてしまえばそれまでだが……。可能性としては――
「選定……もしくは観察か……」
 ここに集められる前の記憶――ネオゲッターチームを集めるために自分が出した犠牲者を思い浮かべる。
 ――なんてことはない。俺もあの化け物と同類か。
 小さく哄笑が漏れた。

「俺について来い。まずはゲッターを合体させるぞ」
「なぜお前にそんなことを命令されなければならない」
 立ち上がり歩き出そうとした隼人にクインシィが噛みつく。
「こんなとこで死ぬのはごめんだろ? なら今はくだらんプライドは捨てて俺に従え。ゲッターの扱い方を教えてやる」
 視線がぶつかり合ったあと、隼人は背を向けて真ベアー号のほうに歩きだす。
 背後では納得がいかないといったふうのクインシィを、ガロードが宥めていた。


 痩身長躯の男が真・ジャガー号のコックピットに張り付き、ガロードにあれこれと指示を飛ばしている。
 その様子をモニター越しに眺めていた。
 ――気に入らない。
 神隼人と名乗るその男は、沈着冷静、頭脳明晰、そういった類の人間なのだろう。
 そして、おそらくは最低限の冷徹さも兼ね備えている。
 物に例えるならばナイフのような男――それが抱いた感想だった。
 この先、生き残っていくのには必要な男。それは理解していた。
 だが、どうにも気に入らない。イライラする。ようはそりが合わないということなのだろう。
 ――くだらないな。
 そう思い。気持を落ち着かせる。気持の問題など些細なことでしかない。
「クインシィ、操縦方法は頭に入っているな。ベアー号はオートで発進させる。まずはゲッター1だ。イーグル・ジャガー・ベアーの順で合体しろ。いいな」
 隼人から通信が入る。それにほんの一瞬前までの考えを忘れて、彼女は苛立った。
 どこか上から物を言うような口調、それが気に入らない。
「黙ってみていろ。私の好きにやらせてもらう」
 感情が判断を鈍らせることを下らないと思いつつも、感情的になる自分を御することができない。クインシィはそういう自分に気づいてはいなかった。


117 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:49:01 ID:ozgSAix8
 赤、白、黄色、三色のゲットマシンが空を飛び、一列に連なる。やがてその間隔は狭まり、合体は三度目で成功した。
「遅い! 時間がかかりすぎだ」
 筋はいい。そう思いつつ苦言を飛ばす。クインシィから返事はなかった。
「まぁいい。次はゲッター2だ。ジャガー・ベアー・イーグルの順に……」
 そこまでで一度隼人は言葉を区切った。
「神さん? 」
 不審に思ったガロードが声をかける。
「ひとまず中止する。南西の方角にお客さんだ」
 ビル群の中をゆっくりとこちらに近づいてくる青い巨人の姿が目視できた。
 距離から推し量るに、その巨体は真ゲッターと同程度の大きさであろうか。
 その足取りの確かさからまずこちらを確認していると見てほぼ間違いなさそうだった。
 ひとまずは接触すべきと考え、一歩前に踏み出す。
 その瞬間、一陣の風が隼人の横をすり抜けていった。
 零コンマ何秒の世界でその赤い風はキロ単位の距離をふいにし、無造作に頭蓋を鷲掴み、大地に叩きつける。
 技術もへったくれもないただ力任せの一撃。しかし、掛け値なしの渾身の一撃。
 重低音が響き、土煙が柱の如く聳え立つ。
 不意を突かれた隼人も、ガロードも、静止は愚か反応さえもできない間の出来事だった。

 ラキと出会ったときに相対した相手だ。警戒はしていた。
 その時の経験をもとに不意を突かれないだけの距離は取っていた――はずだった。
 どろりとした血液が額を伝って流れ落ち、口の中には錆びた鉄の味が広がる。
 軽く脳震盪でも起こしたのか、視界がぶれてうまく焦点が合わない。揺蕩う視界に赤い悪魔が映し出されていた。
「………した…」
 ガラスを引っ掻いたような耳鳴りがするなか、呟きが聞こえてくる。
「……どこへ隠した。勇をォどこへ隠したアアァァァァアアアアア!!!! 」
 聞き返す間もなく呟きは叫びへとかわる。
 フォルテギガスの頭蓋が持ち上げられ、今度はビルの壁面に叩きつけられる。
「答えろ! 勇はどこだ? 」
「な、何のことだ? 」
 何かが潰れるような鈍い音を響かせてフォルテギガスの頭部が打ちすえられる。
「隠すな! お前は知っているはずだ。勇の……私の弟の行方を!! 」
 意味が分からなかった。
 勇という知り合いはいなかった。グラドスにも、地球にも、ここにもだ。
 にもかかわらずこの少女は自分が勇を知ってると思い込んでいる。
 まったく意味が分からなかった。
 ただ一つわかるのは――この少女がどこか普通ではないということだけだった。


118 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:49:54 ID:ozgSAix8
 赤い悪鬼が巨人の頭蓋を鷲掴みにしていた。
 いや既に頭の形を保っていないそれは、頭蓋と呼ぶにはふさわしくないかもしれない。
 言ってみれば潰れた鉄屑だった。
 それが大地に、ビルの壁面に、ところ構わず無造作に叩きつけられている。
 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
 永遠にループするその光景を現すなら、『凄惨』の二字がぴったりであっただろう。
「ガロード、何が起こっている! 状況を説明しろ!! 」
 その狂気の惨劇を眼の前に、隼人が吠える。
「俺にだってわかんないよ。こんなお姉さんは初めてなんだ!! 」
 返ってきた返答に苛立つ。
「ともかく。クインシィを落ちつかせろ」
 吐き捨てるように言い、モニターに視界を戻した。
 巨人が逃れようと鷲掴みにする腕を両の手で掴んでいる。しかし、既に力はない。そんな感じだった。
 ――いや、あれは。
「クインシィ、離れろ! 」
 隼人が叫ぶのとほぼ同時に、フォルテギガスの胸部にある四つのハッチが十字に開かれ、閃光が放たれた。

 立ち込めた爆煙を裂いて東西に赤と青――二機の巨人が弾けとび、数棟のビルが巻きこまれて瓦解する。
 ――くそっ! まさかあんな方法で相殺されるなんて。
 逃げられないように腕を掴み放った起死回生の一手――フォルテギガスのギガブラスター。
 それはゲッターの腹部から放たれたゲッタービームに相殺され、二機は弾けとんだ。
「レイ、損傷を……」
 そこまで言いかけて居ないことを思い出し、機体を立て直す。
 立ち上がったフォルテギガスの中、視界が回る。腹の底から何かが込み上げてきて思わず吐き出す。出てきたものは赤かった。
 あれだけ絶え間なくコックピット内部で揺れに翻弄され続けていたのだ。無理もない。
 揺れる視界、いかれた平衡感覚、遠距離戦は不可。逃げ切ることも難しい。
 ――どうにかして接近戦に持ち込むしかない。
 特殊自律型兵器フィガ、それを射出して距離を詰める。そう決めたときに予想外の衝撃がエイジを襲う。
 強き巨人の名を冠する50m超の巨体が地に埋没し、エイジの意識はとんだ。


119 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:50:45 ID:ozgSAix8
 首のないその風貌が死を司る首なしの騎士――デュラハンを連想させる機体が、強き巨人を足蹴にたたずんでいる。
 爆発が一つ起こり、近場に一つの機体が吹き飛ばされて来た。
 即座に駆け寄り、蹴り倒し、踏み潰した。そこには容赦も慈悲もない。
 生きる為に他人を蹴落とす。今の彼にとっては至極当然の行為だった。
「ちっ、さすがにでかいだけあって硬え」
 踏み砕くつもりで潰したはずの巨人の背にはヒビが入っていたが、砕けてはいない。
 そこに踵の裏で圧力をかける。
 装甲の外板が悲鳴をあげ、四方を持ち上げつつ?がれていく。圧迫された内部の機器が火花を散らし、黒いオイルが血の如く飛び散った。
 その時、立ち込める土煙を裂いて赤い悪鬼が姿を現した。
 横薙ぎにはらわれる大鎌。
 咄嗟のダッキング。風切り音が頭――否、首の直上をすり抜けていった。
 そのまま懐に潜り込み、振り上げられる拳。
 金属同士がぶつかり合う音が響き――

――大鎌の柄と拳が接触した。
「なっ!? 貴様は誰だ! 」
「俺の知らないゲッターだと!? 」
 互いの言葉が交錯する。押し合う拳と大鎌。
「その声、竜馬か! 」
「……!? 」
 割り込んだ声に誘発され生じたわずかな隙。それを見逃さずクインシィは力を緩め、拳を受け流す。
 前のめりに崩れる大雷凰。上段に大きく振り上げられる大鎌。
 次の瞬間、『轟』と呻りをあげて振り下ろされた大鎌は――

――大雷凰の数センチ上でピタリと静止した。
 大雷凰の腕が大鎌の柄をがっちりと掴んでいる。
「てめえ……、隼人かああぁぁぁああああ!!! 」
 強引に大鎌の柄でゲッターの顎をかちあげる。
 ふわりと浮かび上がるゲッター。そのまま流れるように繰り出された大雷凰の回し蹴りが――

――ゲッターの脇腹に食い込み、その巨体が弾け飛ぶ。
「プラズマビュート! 奴を逃すな!! 」
 まだ終わりではない。発せられたのは青白く輝くプラズマの荒縄。
 捕えられるゲッター。強引に引き寄せられ、一度広がった両者の距離が急速に縮まる。
「調子にぃ……のるなああぁぁぁぁぁぁああああ!!!! 」
 ゲッターバトルウィングが展開されプラズマビュートが断ち切られる。
 肩口から斧槍――ゲッタートマホークを取り出し、速度を落とすことなく――否、むしろ加速しつつゲッターが大雷凰に迫る。
 動じることなく竜馬も大鎌――ゲッターサイトを構え、迎え撃つ。
「うあああぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!! 」
「隼人おおおぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!! 」
 ぶつかり合う互いの気迫。交錯する斧槍と大鎌。入れ替わる両者の位置。

 音をたててゲッターの装甲に亀裂が奔った。
 互いに向きなおり、再び対峙したその時――

「落ち着け、二人とも!! 」

――静止が入った。


120 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:51:31 ID:ozgSAix8
 大雷凰と真ゲッター。その二つの大型機のちょうど中間に一つの小型機が割り込んでいた。
「リョウ、どういうつもりだ? お前もあの化け物の企てに乗った口か?」
 その小型機から送られてくる通信モニターに隼人が映っている。
 ――ちっ……。ゲッターに乗ってたのが隼人、てめえじゃないとわな……。
 先入観からかゲッターに乗っているのは隼人。そう思いこんだのは間違いだった。

「俺はなぁ、てめえと早乙女のジジイに引導を渡せりゃ、この殺し合いも化け物もどうだっていい」
 モニター越しに隼人を睨みつけ言い放つ。
「どういうことだ? 何故、早乙女博士をお前が狙う! 」
「とぼけるな、隼人! 」
「答えになってないぞ、竜馬!! 」
 噛み合わない会話の往復。隼人の顔に困惑した表情が浮かぶ。
「いつまでとぼける気だ! 三年前のあの日、てめえが早乙女のジジイを殺し、俺に罪を着せて逃げた!!そのせいで俺はなぁ、隼人!! 永久刑務所で地獄を見たんだ!!! 」
 今にも飛びかかりそうな、隠そうともしない剥き出しの憎悪、それが隼人に向けられていた。
「何のことだ? 何を言っている? 」
「うるせぇ! 俺はここでお前を殺し、後ろのゲッターを手に入れて、ジジイに引導を渡しに行く。ただそれだけだ!! 」
 吐き捨てるように口にされたその一言、それに反応した者がいた。
「できるものならやってみろ!! 」
 YF-19を跳び越え、ゲッターが大雷凰に差し迫る。
「ひっこんでいろ、クインシィ! 」
 隼人の言をまるっきり無視してゲッターは駆ける。
 クインシィにしてみれば、勇の手がかりを目の前にして邪魔をされたのだ。
 彼女の性格を考えれば止まるはずはなかった。
 その様子に苛立ちつつ奥歯を噛みしめ、指示を飛ばす。
「ガロード、オープンゲットしろ! 」
「へっ!? な、なんで? 」
 突然ふられたガロードが素っ頓狂な声を挙げた。
「無駄口を叩くな! ゲッター2だ!! 」
 既にゲッターと大雷凰の間の距離は幾許もない。
ゲッターの背中越しに大雷凰が構え、そして踏み込み、大鎌が振るわれる。
「りょ、了解! 」
「待て、ガロード! 」
 クインシィの静止は一歩間に合わず。ゲッターは分離した。
 振るわれた大鎌の脇を三機のゲットマシンがすり抜け、大雷凰の背後でゲッター2へと姿を変える。
 ゲッター最大の弱点、合体の瞬間。それを狙って竜馬は追撃をかけようとして――

――やめた。
 考えを読んだのか、竜馬の目の前に隼人が立ちふさがっている。
「ガロード、ここから脱出して三人目を探せ。ゲッターの本当の力を引き出さなければ、あの化け物には太刀打ち出来ん!! 」
「わ、わかった」
 隼人の勢いに押される形でゲッターは地中に潜り離脱していく。
 その中でガロードは、怖ろしいほど目を吊り上げているクインシィを確認して、泣きたい気分に駆られていた。


121 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:52:24 ID:ozgSAix8
 照準モニターの向こうで首のない機体と小さな小型機の目まぐるしく動き回っている。
「ちっ……こう動き回られちゃ当たりゃあしないぜ」
 群がるビル群、ところ構わず立てられた広告塔、人目を惹くための派手な看板。そういったものに姿を紛れ込ましている赤い機体の中、クルツはぼやいていた。
 目標は小型機。
 離脱前に存在を確認した赤鬼には、前に直撃させた砲撃の損傷は見当たらなかった。ゆえに同程度の大きさを誇る今回の大型機にも効果は薄いと、かなりいいかげんに予測。
 よって標的は小型機に絞っていた。もっとも当てるだけなら、大型機のほうが遙かに楽なのだが。
 だが、少なくともあの大型機に致命的なダメージを与えるには――
 視線を動かし、地に伏したままぴくりとも動かないフォルテギガスを見る。
――どうしてもエイジが必要であった。
「ったくあの馬鹿。肝心なときにお寝んねしやがって……だいたい生きてんのか? 生きてんなら返事くらいしやがれってんだ」
 通信はすでに何度も試みていた。しかし、のびているだけなのか、はたまた死んでるのか、依然として応答はなかった。
 そもそもだ。そもそも作戦目的がエイジの離脱なのだ。
 奴らの勝敗が決してフォルテギガスにとどめを刺す前に、小型機を撃墜し大型機をひきつける。そのための行動だ。
 仮にエイジがすでに死んでいるのだとしたら、やろうとしていることに大した意味はなかった。
 強いてあげるならば敵機の撃墜だが、ほったらかしにしておいても勝手に潰し合ってくれる。となると後に残るのはリスクだけであった。
「ええい。あと3回……いや5回だ!後10回通信しても応答がなかったら離脱してやる!!」
 そう言って無為に時間は過ぎて行っていた。


122 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:53:08 ID:ozgSAix8
 横一文字にはらわれた大鎌をくぐり抜け、YF-19が大雷凰に肉薄する。
 ヒビの入った腹部を確認し、マイクロミサイルの発射管を開いた瞬間、急制動をかけて機体の勢いを殺す。
 鼻先を膝がすり抜けていった。続けて振り下ろされるのは肘。
 反射的にかわせないと判断した隼人はピンポイントバリアを機体上部に展開。バリアごと弾き飛ばされて一旦距離を置いた。
「勘は鈍ってないようだな、竜馬」
「ずいぶん苦しそうじゃねぇか、隼人」
 息が荒く、呼吸が落ちつかない。古傷は確実に体を蝕んでいる。
 だが、この男に泣き言を言うつもりは全くなかった。
「フ……気のせいだ。それよりもリョウ、落ち着いて聞け。 俺は神隼人だが、お前の知っている神隼人ではない。お前もおそらく俺の知っている流竜馬ではない」
 わずかに竜馬に反応がでる。
「……どういうことだ? 隼人、俺にわかるように説明しろ! 」
 食いついてきた――隼人の内心の思いであった。
「平行世界。おそらく俺とお前は極めて似通った世界からあの化け物に集められたのだろう」
「何を言い出すかと思えば」
 竜馬が鼻で笑う。
「コロニー、MS、NT、オルファン、アンチボディー、グランチャー、どれも俺には聞き覚えのない言葉だ。お前にもないだろう。真ゲッターに乗っていた二人の世界の言葉だ」
 反応を見つつ、言葉を紡ぐ。竜馬の説得をあきらめたわけではなかった。
「真ゲッター、それがあのゲッターの名前か? 」
「そうだ。そして、俺の知っている竜馬は真ゲッターを知っている。お前は知らない。それが理由だ。根拠としちゃ薄いがな……」
 全てを語り終え、流れる静寂。これが最後の説得であった。その静寂を――
「クク……ハハ……ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!! 」
――竜馬のどこか狂った笑い声が打ち消す。
「俺とてめえが違う世界の人間? それがどうした。だとしたら、俺はここでてめえに引導を渡し、他の集められた奴を全員ぶっ殺して、俺の世界のジジイとてめえに引導を渡す。
それだけだ。やることはかわらねぇ」
 その言葉を受けて、隼人は――
「そうか。俺もここでお前に生き残る理由を譲ってやるわけにはいかん」
――竜馬の説得を諦めた。


123 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:54:31 ID:ozgSAix8
 おあつらえ向きに二機が動きを止めた。狙撃を行うなら今がチャンスだった。
 だが、依然としてエイジと連絡は取れない。撃てば奴らは間違いなくこっちに気づく。
 撃つべきか、撃たぬべきか、どうする? どうする?
 思考が渦を巻き袋小路に追いやられる。
 その時、耳元に雑音が届く。通信機の先で何かが身じろぐ気配を感じた。
「エイジ! エイジ、無事か? 」
 はじけたように通信機に齧りつき叫んだ。
 
 見上げた視界に、ぼんやりと天井がうつっていた。見慣れないコックピットに一瞬ここはどこなのかと考える。
「痛っ! 」
 次の瞬間、体中に針の筵にくるまれているかのような痛みが奔って、意識は急速に覚醒していった。
「エイジ! エイジ、無事か? 」
通信機から聞き覚えのある声が流れてくる。体中に奔る痛みのせいか、こいつは今の今まで何をしていた――そういう感じの怒りが込み上げてきて。
「怒鳴らなくても聞こえている! 今まで何してたんだ? 遅い!! 」
 怒鳴り散らした。
「ほぉ〜、お言葉だがな。今の今まで呑気に気絶してた奴に言われる筋合いはねぇ。大体てめえがなぁ、不用意に近寄っていくのがわり〜んだ! 」
 そうして始まった口喧嘩は、暫くの周囲の状況をほったらかしに繰り広げられた後、『今はそれどころではない』ということで一応の和解が結ばれた。
「機体は動くか? 」
「接続部がやられたのか、フォルテギガスとしての運用は不可能。だが、分離すればたいして問題はない」
 機体の各部の損傷チェックを行いながらエイジが返す。
「わかった。俺は小型機を狙う。そっちは大型機を頼む。隙は俺がつくるからうまくやってくれ」
「了解した」
「それと一撃当てたら成功・失敗に関わらず離脱しろ。援護は一回きりで俺も離脱する。誰かさんのせいで補給する暇もなかったんだ」
 ラーズアングリフのFソリッドカノンの統弾数は8発。すでに今までに二度使用しているので残弾は6発。クルツからすればあまりここで消費はしたくなかった。
「十分だ。離脱後は僕はビルに紛れつつ西の壁目指す」
「俺は北の壁で目視を遮った後、C-8の市街地を目指す。お互い命があったらまた会おう。それじゃ、始めるぞ」
 赤い機体がタイミングをはかりつつ折り畳み式の砲身を展開する。
 強き巨人の中、息を潜めつつ分離の手順を簡略化できるように、エイジはコンソールに向かい合った。


124 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:55:22 ID:ozgSAix8
 冷静に状況を分析する。
 敵は共に癖を知りつくした難敵が一機。
 古傷の影響で自機のスペックはフルに引き出せず。体が機体の速度に耐えきれない以上、離脱も戦闘も現実的ではない。
 その中で、足掻けることと言えば、体の状態を無視しての離脱。もしくは――ー撃に賭けた撃破。
 共に現実的ではないながらその二つしか思い浮かばなかった。
 神隼人はリアリストである。ゆえに他の相手なら逃げることを選んだであろう。相手が流竜馬であるからこそ隼人は――

――ー撃に賭けることを選んだ。
 YF-19の右腕にピンポイントバリアが収束されていく。

 狙うのは胸部装甲の凹み、コックピットの可能性の高いその一点。
 そこに限界まで収束、圧縮させたピンポイントバリアパンチを叩きこむ。

 普段と比べ段違いに小さく収束されていったピンポイントバリアはやがて通常のナックルカバーの形状から逸脱し、針の先ほどの点となる。

 その様子をモニター越しに、クルツはタイミングをはかる。浮遊する小型機のブースターの燐光。大きく、小さく、不規則に瞬くその光に呼吸を合わせる。待っているのは突撃の瞬間。
 先ほどまでの戦闘から予測される小型機の速力。それをもとに狙いを定める。
 口の中は渇き、汗が頬を伝っていった。トリガーがやけに重い。外すわけにはいかなかった。
 小型機のブースターが唸りをあげ燐光がひときわ大きく輝く。
――今だ。
 そう思った時にはトリガーを引いていた。撃ったのは二発。
 モニターに視線が釘付けになる。成功したのか、失敗したのか。
 小型機は機体がゆらぎ――

――しかし、何事もなかったかのように突撃した。
 眉間にしわがより、顔に苦渋の表情が浮かぶ。
 ――くそっ!失敗だ。
「エイジ、敵をひきつける。まだ動くな! 」
 そう叫んだ時にはフォルテギガスがすでに分離を始めていた。
「あの馬鹿……ちくしょう! 」
 苛立ちを隠しもせずにクルツは赤い機体の足を戦場へと向けた。


125 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:56:15 ID:ozgSAix8
 大雷凰とすれ違ったYF-19の周辺に細かく砕かれた金属片が散らばっている。
 ――ちっ、外した。
 あの突然の砲撃、それはYF-19に抵触していた。その結果、狙いのずれたピンポイントバリアパンチは脇腹を抉るに留まった。
 そして現在、コントロールを失い機体は地表へと流れていっている。
 体が限界だった。せまいコックピットの中で丸くなってうずくまる。
 ――情けねぇ……。
 地表が迫ってくる。
 ――泣き言を漏らしている暇もないか……。
 体を起し、機体を立て直そうとしたその時、機体を反転させた竜馬のゲッターサイトが唸りを上げて迫っていた。
 金属音が響き――

――いつの間にか迫っていたガナドゥールがファルシオンセイバーごと弾かれて瓦礫に叩きつけられた。
 その外部の様子に気を取られる間もなく機体を立て直そうと抗う。
 次の瞬間、風斬り音が耳元に響き、YF-19は爆発を起こした。

 目の前の突然爆発を起こしたYF-19が黒煙をあげて流れていき、やがて地表に激突して粉微塵に吹き飛んだ。

「隼人おおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!! 」

 その光景を目の前に竜馬はただ叫ぶ。何が起こったかわからなかった。
「へっ! てめえで殺そうとしておいて、何が悲しい!! 」
 レーダーの有効範囲ギリギリの距離に一つの反応が浮かび、同時に通信が入る。
 その瞬間、怒りの矛先はそこに向けられ――
「貴様かああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!! 」
――注意が全てそこに注がれた。
 同時に響く重低音。大きな揺れがコックピットを支配し、大雷凰はエッジブラスターの直撃を受けて地に倒れる。
 流れる視界のなか離脱していく青い機体が目に入った。
「邪魔をするなああぁぁぁぁあああああ!!! 」
 瞬間、血走った目で体勢を立て直すと同時に突撃。瞬く間に大雷凰とガナドゥールの彼我距離が狭まる。
「をおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!! 」
 背後からの蹴りが一閃。そのままの体勢でさらに一閃。そして、そこを足場に軌道を変えた大雷凰が空を駆けた。


126 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:57:26 ID:ozgSAix8
 前のめりに吹き飛ばされるガナドゥールの中、エイジもこのままでは逃げ切れないと悟る。
 ――やるしかない!
「V-MAX起動!! 」
 前のめりの体制のまま、各部ブースターがフルブースト。機体そのものがさながら火の鳥の如く赤い炎に包まれた。

 空を駆ける大雷凰と火の鳥が真っ向から迫る。そして――
「砕け散れえええええーーーっ!!! 」
「ヒートダイブッ! 」
 ――轟音が響き、一つの爆発が起きた。

 立ち込める煙を裂いて当たり負けしたガナドゥールが大地に突き刺さる。
 そして、それを追って大雷凰がなおも駆ける。上空から踏み砕くように繰り出された蹴りは、ガナドゥールの頭部を砕いた。
 続けて足を持ち上げ、二撃目を繰り出そうとして、飛び退く。装甲を擦過して抜けていった砲弾が瓦礫を巻きあげた。
 北に赤い機体が見える。うっとおしい。
 心底そう思った竜馬は衝動に駆られるまま、それを目掛けて駆けていった。


 クルツ=ウェーバーは機体を北東へと全速で走らせていった。背後に迫ってくるのは例の大型機。
 そうとうに距離は開けてあったが徐々に詰めてきているのがわかった。
 ――くそっ! 野郎のケツを持つのなんて、ごめんだってのによ。
 注意をこっちに引き付けたのだ。エイジが生きていれば助かるだろう。生きていればだが。
 ともかく今は全速で光の壁を抜けて逃げることだった。あれを抜ければ一度相手はこちらを見失う。そうすればあとは物陰に身を隠しつつH-8の市街地へ紛れ込む。
 ――それで撒けるはずだ。
 そう思いつつ機体を走らせること十数分後、クルツは無事に壁を越えてほっと一息をつた。

【クインシィ・イッサー 搭乗機体:真ゲッター2(真(チェンジ)ゲッターロボ〜地球最後の日)
 パイロット状態:憤慨、やや疲労
 機体状態:ダメージ蓄積、
 現在位置:B-3
 第一行動方針:ガロードを問い詰める。場合によってはお仕置き
 第二行動方針:勇の撃破(ユウはネリーブレンに乗っていると思っている)
 第三行動方針:ギンガナムの撃破(自分のグランチャーを落された為逆恨みしています)
 最終行動方針:勇を殺して自分の幸せを取り戻す】

【ガロード・ラン 搭乗機体:真ゲッター2(真(チェンジ)ゲッターロボ〜地球最後の日)
 パイロット状態:全身鞭打ち・頭にたんこぶその他打ち身多数。
 機体状態:ダメージ蓄積
 現在位置:B-3
 第一行動方針:お姉さんを宥める
 第二行動方針:ゲッターのパイロットを探す
 最終行動方針:ティファの元に生還】

【神 隼人 搭乗機体:YF-19(マクロスプラス)
 パイロット状況:死亡
 機体状況:大破(木端微塵)
 現在位置:B-1】


127 名前:極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:58:05 ID:ozgSAix8
【流 竜馬 搭乗機体:大雷鳳(バンプレストオリジナル)
パイロット状態:怒り、衰弱
機体状態:装甲表面に多数の微細な傷、頭部喪失、右肩外部装甲損壊 、腹部装甲にヒビ、胸部装甲に凹み
現在位置:C-1 北西部
第一行動方針:クルツを追う
第二行動方針:サーチアンドデストロイ
最終行動方針:ゲームで勝つ
備考:ゲッターサイト(大鎌)を所持】

【アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ 搭乗機体:ガナドゥール(スーパーロボット大戦D)
パイロット状況:死亡
機体状況:中破(頭部全壊、全体に多大な損傷)
現在位置:B-1
備考:ストレーガは損傷軽微で放置】

【クルツ・ウェーバー 搭乗機体:ラーズアングリフ(スーパーロボット大戦A)
パイロット状況:冷静、脇腹がちょっと痛い
機体状況:Fソリッドカノン残り二発、ファランクスミサイル1/3消費
現在位置:C-8 市街地南部
第一行動方針:竜馬を撒く
第二行動方針:ラキの探索
第三行動方針:ゲームをぶち壊す
第四行動方針:駄目なら皆殺し
最終行動方針:ゲームから脱出】

【初日 19:40】


128 名前: ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 02:00:29 ID:ozgSAix8
投下終了。
クルツのパートの追加とそれに伴って終盤をほとんど書き直しました。
読めるレベルのものになっていることを祈ります。
ご指摘、よろしくお願いいたします。

129 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 02:06:29 ID:rFV9Wudv
修正GJ!
前のより確実に良くなっているナイス修正です。
エイジクルツの描写追加でエイジの死に際も熱いものになってるし。
元々クルツの超長距離精密射撃が問題だったんでもう問題点は無いと思います。

130 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 19:38:47 ID:9d/Kk8V0
IF扱いでしたらばに投下したいのですが・・・よろしいですか?

131 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 20:08:56 ID:I+1ILp0G
エイジ(;´д⊂)
なんかあまりいいとこないまま逝ったな…
キョウスケも、今度ばかりは奇跡を起こせなかったか…

132 名前:仮まとめの人 ◆/4lqy.R0j. [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 20:54:43 ID:Y4JpwYqu
ごぶさたしております。以下、基本的に返レスは不要です。

ひとまず「Ground zero(修正版)」を本編102話
「極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅(修正版)」を本編103話
それぞれの修正前をIF23話・24話
「臨界」をIF25話としてまとめさせていただきました。

あと「Ground zero(修正版)」のほうなのですが>>64と>>65で書き込みが重複しておりましたので、
勝手ながら片方を削らせていただきました。一度ご確認のほうお願いいたします。

ついでに報告。2/27〜3/10のあいだ、個人的事情により更新のほうが滞ります。
ご迷惑をおかけすることになると思いますがご了承くださいませ。すみません。




133 名前:臨界 ◆E4GxMpkzKc [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 21:10:24 ID:9d/Kk8V0
>132
ありがとうございます



では自分は文章能力を研磨するためにしばしのお暇を

134 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 21:33:11 ID:ZqDwK/4G
結局のところ、「Ground zero(修正版)」は本掲載なの?
遅レスだけど、キョウスケ関連が納得のいかないところが多かったり。
巨大化云々はあまり気にならなかったけど、不慣れな機体なのにどうして最大加速で突撃しようと思ったのかが謎。
アレか、俺の頭が弱いだけですか。

135 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 21:42:49 ID:D8tyGQdM
>>134
その話をしていたときに臨海が投下されたからなし崩し的に話が収束した。
批判に対してGround zeroの作者の見解はなし。

136 名前:仮まとめの人 ◆/4lqy.R0j. [sage] 投稿日:2007/02/12(月) 21:50:37 ID:Y4JpwYqu
>>134
「Ground zero(修正版)」はとりあえず本編に置いておいて、作者さんの対応に応じて修正を重ねていけばいいかなと軽く考えていたんですが……。
まとめやらせていただいている人間として、そこら辺明言しておくべきでした。もうしわけありません。
その他に今回本編に置いた理由に、後日別個に最初からまとめるのしんどいしといったなまけもちょっとあったりで。
こっちは完璧に申し開き不能。重ね重ねすみません。

まとめ失格だな、自分……orz

137 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 21:52:02 ID:bf9Mr/My
廃棄するほど致命的な問題でもない気がするんで、別にいいんじゃね?

138 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 22:04:03 ID:WVpEh0pG
>>134
まとめさんに噛みついてどうする。
最大加速の理由は

>>「いちかばちかを仕掛けるしかないだろう、奴が基地に突っ込む前に仕留める」

って言ってるから、いちかばちかのタイミングらしいしいいんじゃない?
それほど分は悪くないらしいが、それはファルケンの最大戦速での話だろうし

139 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 22:17:23 ID:rcXEoQjr
>>134
キョウスケは悪運は強いけど別に操縦の腕が天才的に突出してるわけじゃないだろ
結構勘に頼って無茶するし、攻撃も貰う
問題は特に無いって思うんだが

140 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 22:25:51 ID:rFV9Wudv
>>132
毎回お疲れ様です。更新出来ないとか気になさらないで下さい。
リアル>>>ロワは当たり前だし。

>>134
キョウスケ厨乙。と言われても仕方ないぞその態度。
キョウスケの判断については完全に作者の裁量の範囲内。
むしろキョウスケならあの選択をすると思う。理由は>>138ー139

141 名前:仮まとめの人 ◆/4lqy.R0j. [sage] 投稿日:2007/02/14(水) 19:48:27 ID:rC1cnFYZ
たびたび失礼いたします。
えっと携帯まとめのほうの話なので、関係のない方には恐縮なのですが。
以前66話が全部見れないというかたがおられて、分割版も用意させていただいたことがありまして。
で、今回分割版を用意する重さを決めようと思いまして

33話・76話・97話(放送後18話)

の三話で、携帯からだと全部は表示されないという方がおられますでしょうか?
左から順に重い順となってます。
話は重めの話の中で適当な重さの物を無作為に選ばせていただきました。
他の話でもいいので、この話が途中で切れるとかございましたら、教えていただけないでしょうか?
どなたか古めの携帯をお持ちの方、ご協力お願いいたします。
お目汚し失礼いたしました。






142 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/14(水) 20:14:37 ID:1uvDJELt
>>141
いつも乙です。
今しがた自分の携帯で試してみたところ、左からそれぞれ
・九鬼と交渉しているあたり
・アキトがリミッター解除して竜馬と移動している最中
・九鬼の状態表
の所で文章が途切れました。
しかし、携帯まとめにも気を使ってくれるとは頭が下がる思いです。
これからも無理がなければよろしくお願いします。

143 名前:仮まとめの人 ◆/4lqy.R0j. [sage] 投稿日:2007/02/14(水) 21:16:56 ID:ZB0+i0Jh
>>142
お忙しい中、ありがとうございます。
切れているところまで教えていただけたので、
だいたいの重さがわかって非常に助かりました。
そして答えていただいた内容を見てちょっと焦ってます。
申し訳ないのですが

66話A-Part 75話 61話

ではどうでしょうか?
おそらく66話A-Part(最下部はB-Partへのリンク)はアウト、
75話はセーフだと思うのですが。
61話は保険です。
お暇な時で十分ですのでご回答いただけたら助かります。



144 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/14(水) 22:17:45 ID:1uvDJELt
>>143
66-aはクインシィとガロードがゲットマシンで飛んでいき、隼人がベアー号を見てるところで切れました。
他の2話は最後まで見ることができました。

145 名前:仮まとめの人 ◆/4lqy.R0j. [sage] 投稿日:2007/02/14(水) 22:39:16 ID:KheLA9YP
>>144
すみません。たびたびありがとうございます。
おかげで結構な多数のSSを分割しなければならないことがわかりました。
お答えいただいた内容を元に、来週までには反映させていただきたいと思います。
本当にありがとうございました。

146 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/15(木) 01:51:05 ID:xsIon2oa
>>145
お疲れ様です。
今回は協力できなくてすみませんでした。
まとめサイトは見易く、SSを書くときかなり役立ちます。
これからも頑張って続けていってください。

147 名前: ◆vQm.UvVUE. [sage] 投稿日:2007/02/15(木) 02:08:16 ID:9KZGe2Qd
すみません
いろいろ修正しようと思いましたが次官の都合など
ちょっと色々苦しいので
Ground zeroは破棄させてください
すみませんでした

148 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 04:09:35 ID:rNThUHsu
お疲れさまです。
作品の展開はいいかんじだったので、また暇になったときに次回作を投下されるのを期待しています。

149 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 18:53:16 ID:uR1ADWSg
えーっと、放送後の動き無いのって誰だっけ?

シンヤ以外にいたか?

150 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/17(土) 19:09:30 ID:zRM9qbwB
甲児・ヒメ・フロスト兄弟もだな

151 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:21:32 ID:QBm9a1Kp
>>147
問題点があったにしろ、面白い作品だったので残念です
もし時間が出来たらまたよろしくお願いします

>>149-150
動いてない参加者はどうしよう
今後の展開予想をするのも面白いかもと思ったけど
逆に書き手さんには展開の先読みされるのは辛いかな?

152 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:38:05 ID:pl1dnLwh
>>151
当たり障りのないないようならいいんじゃない?

シンヤはまだ単体だし、クルツも移動してきたからやりようはあると思うけど、
ナデシコ組は周囲にユーゼス組しかいない上に進行方向が逆だからな。
散らす為のマーダーも近くにいないし…。
一回、書いてみようと思ったけどヒメがよくわからんかったorz
そういえばカテゴリーFってNTを判別できるの?
Xは大分記憶の彼方なんだ。


153 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 01:07:48 ID:8HNXuI4j
>>152出来ない

カテゴリーFはフロスト兄弟のみのテレパシー能力なので、NTの感知はできないかと。
NTみたいな先読みもできないだろうし。

154 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 01:18:56 ID:pl1dnLwh
>>153
ありがとう。
ってことは、フロスト兄弟ってアムロやカミーユに会っても普通に気づかない可能性あるのか。

155 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 01:37:45 ID:q6LQw7l0
もしかしたら相手がそうとは知らずにNTたちと協力する(本人達は利用しているつもり)
フロスト兄弟、というギャグシチュになる可能性もあるわけだ……
どんどんフロスト兄弟善人化フラグが立っていっている気が。

156 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 01:40:32 ID:zXhe8Nq8
>>152
シンヤとクルツに関しては最終行動から2時間近く経過してるのに
何も行動してないのは違和感あるような。
ロジャーもシンヤもそう離れてない距離だし戦闘が起きてそう。

157 名前: ◆JF9sfJq3GE [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 21:21:51 ID:ZrdHXvJN
じゃあちょっとシンヤとロジャーを予約します。

158 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 22:19:30 ID:mfgMQGsZ
……うは、決戦来たか。期待して待ってるぜ。

159 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 23:48:54 ID:OOnHf76R
1対1か。
相手は補正は付くだろうけど超音速で動く上に核も効かないトンデモ。ロジャー…

160 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 00:01:43 ID:c78VDDgs
>>159
あ、諦めるなよ!!もしかしたらロジャーが勝つかもしれないし、
両者生存で決着付かない可能性だってあるだろ!!!

いやまあ、普通にやったらロジャーの勝率なんて0に等しいだろうけど………

161 名前:例え死者は喜ばずとも ◆JF9sfJq3GE [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 03:41:27 ID:SFg6wmWB
『アー、アー、ただいまマイクのテスト中ですの。…こほん…最初の定時連絡の時間となったので放送を……』
 どこからか流れてきた声を耳にして、貪りつく口を止めた。見上げた眉間に皺が寄る。
「まったく忌々しいね」
 口元に粘りつく食べかす――白い脂身がゆっくりと滑り落ちていく。まるでナメクジがはった後のような尾を残して床に落ちていった。
 次々と読み上げられている名前などはどうでもいい。だが、飼い犬のごとく首輪をはめられているのは耐え難い屈辱だ。
 その元凶の片割れたる存在が、この声の主なのだ。
『以上、10名ですの。…なかなか順調ですの。でも、乗らない方もいますのでやる気を出してもらうためにご褒美のことを……』
「フッ……フフ……ハハハ……。褒美。褒美か……。僕の褒美はね、ノイ=レジセイア。君の首さ。タカヤ兄さんとの決着の邪魔をしてくれたんだ。責任は取ってもらうよ」
 獰猛な笑みを浮かべ、誰に言うでもなく言い放つ。口元が激しく動き、床に落ちた脂身は赤い水たまりに白く浮かんでいた。
 聞こえていようが、聞こえていまいが、そんなことはどうでもいい。ただ口にしないと気が済まなかった。
『続いては禁止エリアですの。一度しか言わないからメモの用意を……』
 ――A-8とD-4。A-8とD-4か……ん?
 忘れないように心の中で反芻する。この段になって彼は、食糧問題とはまた別の死活問題に初めて気づいた。
 ――ここはどこなんだい?
 さすがのテッカマンにもGPS機能なんて便利なものはついていない。地図もない。
 ジワリと汗が浮き出てくる。
 落ち着いて考えろ。ここはどこだ?そう。コックピットだ。ならば何も焦ることはない。
 シートに腰掛け、起動を試みる。何の反応もない。細切りされた状態なのだ。動くわけがない。
 ということは機体からは地図を引き出せず、現在地の特定もできない。
 玉のようになって肌に浮いた汗が顎の先から滴り落ち、床に膜を張った赤と混ざり合って消えた。
 迷子のあげく禁止エリアで死亡なんてのは、いくらなんでも間抜けすぎる。笑い話としても、二流三流を通り越して四流以下だ。
 必死になって記憶を遡る。あやふやな頭の中の地図と照合しつつ現在地を割り出していく。
 しかし、頼りの記憶は途中で途切れていた。しかも起きたときには違う場所。第一、自分の位置を明確に特定できていたのは、サイコを落とされるまでだ。
 さらに食料を奪ってからはその場を離れることを重視して、方角にまでは気を配っていない。
 それでも何とかわかるのは地図南部か北西部の市街地ということだ。
 中央廃墟の可能性もないことはなかったが、周囲の建物の状態から可能性は薄いと判断。
 ひとまずは禁止エリアの可能性は低いとみてほっと一息つき、額の汗をぬぐう。体重を預けられたシートがわずかに軋んだ。
 あとは日差しの方角と壁の位置を確認すれば、南か北西かは割り出せる。
 ただし、それで割り出せるのは大まかな位置。二つの市街地の規模も漠然としか覚えていない。
 次回の放送のことを考えると位置確認の為に起動兵器が必要であった。
 ――キッドといったかな、あの男は……つくづく僕を困らせてくれる。
 睨みつけた視線の先には、自らが葬った男の顔があった。


162 名前:例え死者は喜ばずとも ◆JF9sfJq3GE [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 03:42:55 ID:SFg6wmWB
「見つけた!」
 モニターにヴァルハラを確認して、ロジャーは思わず口走った。
 ショットケーキのように切り分けられたヴァルハラの1ピース。それはクリームの装甲板とスポンジの内部機器からなる奇麗な断面を、さらけ出していた。
 素早くレーダーに目を走らせ、周囲に敵がいないことを確認する。逸る気持ちにまかせるまま機体から飛び降り、駆ける。
 放送は聞いていた。
 しかし、『もしかしたら』というわずかな期待。
 それがそこにはあったのかもしれない。いや、あったのだろう。
 だが、現実はたやすく人を裏切り、希望を踏みにじる。
 ヴァルハラに駆け込んだロジャーを待っていたのは、反吐を吐くような血の臭いと悪魔のような男。
 ひやりとした冷たい蛇の舌が首筋を這っていく。そういう錯覚を覚えて、ぞっと悪寒が走った。
「待っていたよ、Mr.ネゴシエイター」
 蛇が体に纏わりつくかのような声と圧力。姿は違えど間違いなく奴だ。
 人の持つ原初の本能が、生物的優位に立つ相手を目の前に警告を発していた。きっとこういう状態を『蛇に睨まれた蛙』と言うのだろう。
 しかし、それを気迫で押し返すようにして、一歩踏み出す。
「貴様、リリーナ嬢を――」

 ――こつん

 踏み出した足が何かを小突いた。
 肌を覆い尽くす悪寒が数倍に跳ね上がる。鼓動が早鐘を打ち、頭の中では警鐘が鳴っていた。
 見るな、と直感が囁く。
「リリーナ? お探しの彼女なら――」
 聞くな、と直感が叫ぶ。
「――ほら。さっきから君の足もとにいるじゃないか、ネゴシエイター」
 頼むから見ないでくれ、と直感が懇願する。
 しかし、何か抗えぬものに憑かれたかのように視線はゆっくりと動き、彼は見てしまった。赤い水たまりに浮かぶ生首を。
 豊かで美しいブロンドヘアー。端正な顔立ち。この歳の少女としては凛々しすぎる眼差し。間違いなくリリーナ=ピースクラフト、その人の無残な姿を。
 スーツに血が付くのも厭わずに膝をつき、抱えあげる。
 糸を引く金色の髪から滴り落ちた血の滴は、小さな飛沫と波紋を残して血溜まりの中に消えた。
「感動の再会だね、ネゴシエイター」
 心底楽しそうな声で相羽シンヤは話しかける。
 ――黙れ。
「どうしたんだい? もっとしっかり抱きしめてあげなよ」
 ――黙れ。
 声を荒げ睨み返そうとして、リリーナと目が合いやめた。
 怯えを意志の力で抑え込み、まっすぐに前を見据えた瞳――最初に出会ったときと全く同じ光がそこにはあった。
 ――ここからは私の仕事だ。貴女はもう休みたまえ。
 せめて安らかな眠りにつけるようにと、瞼を優しくおろす。
「お祈りかい? 意外と敬謙なんだね」
 ロジャー=スミスは立ち上がり、相羽シンヤを真っ向から睨みつける。
「チンピラが……。私の忍耐にも限度がある!」


163 名前:例え死者は喜ばずとも ◆JF9sfJq3GE [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 03:44:18 ID:SFg6wmWB
 殴りかかったはずのロジャーの体は、その数瞬後には逆に殴り飛ばされて宙に浮いていた。
 ヴァルハラから転げ落ち、アスファルトに体を数回打ち付け、二三回転がった後、仰向けになってようやくとまる。
 口の中に鉄の味が広がり、脇腹には鋭い痛みが走っていた。
「……ッ!!」
 ――肋骨が何本かいったか。
 血を吐きつつも体を起こす。
 奴がヴァルハラから降りてくるのが見えた。
 その男は錆びた鉄のような血の臭いと禍々しい気配を身にまとい、コツコツと靴の音を立てながらゆっくりと歩いてくる。
 動くに動けず距離だけがジリジリと詰まっていく。両者の距離はすでに幾許もない。
 吐いた息がかかりそうな距離になって、焦れたのか、圧力に屈したのか、ロジャーの体が動いた。
 次の瞬間、天地が逆さになる。背から大地に叩きつけられて、ロジャーは自分が投げられたのだということに気づいた。
「あっけないね。彼女の仇を討つんじゃないのかい? ほら、立ちなよ」
 余裕綽々といった様子の声が上から降り注いでくる。
「貴様ッ!!」
 立ち上がった瞬間、拳が迫ってきた。それを身を沈めて避け、脇の下に潜り込むと、腕を掴み、投げ飛ばす。そして、同時に駆けた。
 生身で相対してみてわかったのは、相手が人ではないということ。素手では到底敵わないということ。素手での抵抗はこれが限界だ。
 ――乗るしかない、メガデウスに。
 そう思い、騎士鳳牙へとただ駆けた。50……30、20、10、距離が縮まる。手を伸ばす。
 騎士鳳牙の装甲に手が触れる。
 間に合う、そう思った瞬間、背に突き飛ばされるような衝撃を受けて、うつ伏せに倒れた。
「悪いけど、せっかくあつらえた服を台無しにはしたくないんだ。それには乗らせないよ」
 言葉と同時に脇腹を蹴りあげられて、体ふわりと浮かび上がる。
 その衝撃は人に蹴られたというより、殆ど鉄の塊で殴打されたに近い。
 呻き声をあげながら転がり、荒い呼吸と同時に口中に満ちた血を飲み込んで咽かえる。
 突然、激痛と同時に目の前が暗くなった。踏みつけられたのだ、頭を。
 それからはただの地獄だった。わざと重傷を与えないように弄られていった。まるで猫が獲物をいたぶるかのような光景。


164 名前:例え死者は喜ばずとも ◆JF9sfJq3GE [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 03:45:22 ID:SFg6wmWB
 呻き声一つでなくなったころ、髪を掴んで顔を強引に持ち上げてその顔を覗き込んだ。
「どうした、ネゴシエイター。もう終わりかい?」
 いかにもつまらないといった感じで呟く。
 返答の代わりに飛んだ唾は、頬にかかって落ちていった。
 とたんに残忍な笑みが浮かぶ。
「そうかい。でも安心しなよ、ネゴシエイター。僕は優しいから、もう終わりにしてあげよう」
 悪魔の笑い声を残して、騎士鳳牙を見上げる。わずか二三度の跳躍でそのコックピットに飛び乗ると、中に入る前に一度だけロジャーを振り返った。
「フフ……、もう動くこともできないみたいだね。一思いに踏み潰してあげるよ」
 ボロ雑巾のような姿を確認して満足げに呟くと中に入り込む。
 コンソールに齧りつき、数パターンの起動方法を試してみた。反応はない。
「やれやれ……、面倒をかけてくれるね」
 さらに思いつく限りの起動方法を試してみる。全く反応がない。
「何故だ! 何故動かない!!」
 やつあたりを受けた側面モニターにヒビが走った。
「無駄だ。鳳牙はお前の言うことなど聞きはしない!!」
「……ッ!!」
 その一言が癪に障った。もう踏み潰すなんて生ぬるいことは考えてはいない。
 今すぐに引導を渡そうと、コックピットから顔を出す。
 目の前で糸のようなものが光った気がした。
「……ッ!?」
 突然、息苦しさを覚える。背後に人が降り立つ気配を感じた。
 反射的に伸ばした手が、首に巻きついている何かに触れる。
 ――ワイヤー!
 そのワイヤーを背後のロジャーが全力で絞めている。体勢は不利、人のまま千切れる太さでもない。
 視界が狭まり、意識が朦朧となる。
 ――チッ! 迷ってる暇もないか。
 手を首元からポケットへと滑りこませて、テッククリスタルを取り出す。そして、テックセットを行おうとして、クリスタルを蹴飛ばされた。
「何をするつもりだったかは知らないが、何もさせはしない」
 後ろから押されて足場がなくなり首を吊られる形になる。
 地に落ちたクリスタルがアスファルトにぶつかって、乾いた音を立てるのを聞いた。
 ――死ぬのか?
 近づいてくる死の臭いを濃厚に感じ取って、全身が怖気立つ。
 ――タカヤ兄さん、僕はここで死ぬのか?
 狭まる視界は既にこの世を映さず、兄の偶像が浮かべていた。
 ――嫌だ。嫌だ! 嫌だ!! 嫌だ!!!
 眼が虚ろになり、首元に伸びていた手が力なく滑り落ち――


165 名前:例え死者は喜ばずとも ◆JF9sfJq3GE [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 03:46:08 ID:SFg6wmWB
 ――ロジャーの痛めた脇腹にめり込んだ。
「……ッ!?」
 呻き声が聞こえ、ワイヤーに込められた力が緩む。その隙に抜け出し、シンヤは地上十数mの高さから落下した。


 脇腹を押さえつつロジャーは鳳牙に乗り込み、懐から取り出した小さな手のひらサイズの機械を握り締めた。
「SP1! コマンドインストール!」
 コクピット内のジョイントへギアコマンダーを叩きつける。鳳牙のバイザーがあがり、瞳に光が宿る。
 そして彼は声高らかに叫ぶ、いつもの芝居がかった口調でいつものセリフを。

「騎士凰牙! ショウタァーイム!」

 順調に起動し、外部の様子を映し出したモニターに一つの人影を捉えた。その影は迷うことなく蹴り落としたクリスタルのほうに駆けている。
「お前を見逃していたら人が死ぬ。それを私は許さない。リリーナ嬢の依頼に逆らおうとも、お前だけは私が許しはしない」
 騎士凰牙の右腕が大きく振り上げられ、そして、巨大な槍が相羽シンヤ目掛けて振り下ろされる。

 相羽シンヤは駆ける。落下で左腕は折れ、今上空からは巨大な槍が唸りを上げて迫っている。
 間に合うかどうかもわからないタイミング。それでも彼は駆ける。
 そして、跳んだ。ただ一つの逆転のカギに向って。

 振り下ろされた槍が重い音を鳴らして大地に打ち付けられ、アスファルトには大きな亀裂が奔り、粉塵が立ち込めた。
「やったのか?」
 浮かんだ汗が、頬を伝って流れ、顎の先から落ちた。そして彼は耳にする、悪魔の声を。
「テックセッタァー!」
 粉塵の中で何かが輝く。姿は遮られて見えないが奴が生きている。
 ならば、と槍を手放し、その光の元へ拳を叩きこもうとして、背筋を冷たいものが這うのを感じた。
 全身の肌が粟立ち、細胞が警告を告げる。同時に響く声。
「ボルテッカアァァーーー!!」
 咄嗟に一歩下がる。ドスハードの槍に亀裂が走り、光に飲まれて消える。
 その光景に全身の血が凍りついた。慌てて距離をとり、構えなおす。
 だが、その時には既に敵の姿はなかった。
「逃げられたか……」
 小さく呟く。
 ――追いかけたいところだが、そうもいかないようだな。
 騎士凰牙のコックピットの中、ロジャーの体沈んでいく。体中が悲鳴をあげている。
 受けた傷は体を蝕み、交戦する体力は愚か追いかける体力すら残してはいなかった。


166 名前:例え死者は喜ばずとも ◆JF9sfJq3GE [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 03:47:12 ID:SFg6wmWB
 テッカマンエビルはビルの谷間を縫うように飛んでいた。
 その視界が揺れ、世界が回る。
 体勢が崩れ、飛ぶその勢いのままアスファルトに一つの爪痕を残して倒れ込んだ。
 彼もまた戦えないほど傷ついている。左腕は折れ、槍に潰された右足は自分で切り落とした。
 失血からくるのであろう眩暈と激しい吐き気にも苛まされている。
 それでも彼は槍を杖代わりに立ち上がり、安静にできる場所を望んでその場を離れる。
 全ては再起の為に。
 ――待っていてね、タカヤ兄さん。
 全ては決着をつける為に。
 ――許さないよ、ネゴシエイタアァァー。
 そして、全ては復讐をする為に。


【相羽 シンヤ(テッカマンエビル) 搭乗機体:無し
パイロット状況:テッカマン形態、PSYボルテッカ使用により疲労
          右足切断、左腕骨折、眩暈、吐き気、迷子
機体状況:機体なし
現在位置:D-8市街地
第一行動方針:安静にできる場所を探す
第二行動方針:ロジャーを殺す
第三行動方針:竜馬を殺す
第四行動方針:機体の確保
第五行動方針:十分な食料の確保
第六行動方針:他の参加者を全滅させる
最終行動方針:元の世界に帰る
備考:テックシステムの使用はカロリーを大量に消費】

【ロジャー・スミス 搭乗機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童)
パイロット状態:体力消耗、肋骨数か所骨折、全身に打撲多数 
機体状態:左腕喪失、右の角喪失、右足にダメージ(タービン回転不可能)
       側面モニターにヒビ、EN90%
現在位置:C-8市街地北東部
第一行動方針:リリーナの埋葬
第二行動方針:傷の手当
第三行動方針:テッカマンエビルを倒す。
第四行動方針:ネゴシエイトの相手を探しつつ、マーダーを排除。
最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉)
備考1:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能
備考2:念のためハイパーデンドー電池二本(補給一回分)携帯】

【初日 19:25】


167 名前: ◆JF9sfJq3GE [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 03:51:57 ID:SFg6wmWB
投下終了です。うわっ、もうこんな時間……。
シンヤが死ぬパターン、ロジャーが死ぬパターン、相撃ち、痛み分け、全部考えてましたがとりあえずこんな感じで。
シンヤのパワーバランスに苦しみましたが、このくらいでよかったでしょうか?
ご感想とご指摘、よろしくお願いいたします。




168 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 04:36:19 ID:LArsi4fl
どちらが死んでもおかしくない緊迫した状況で
逆転に次ぐ逆転でこっちもハラハラしました
二人とも危険な状態で今後どうなるかが楽しみになる展開でした
GJ&乙です!

シンヤに関しては原作知らないのでなんとも言えないです
すみません

169 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 14:55:33 ID:dpvhiofc
>>167GJ
熾烈な格闘戦でした。

そういえば、このロワ初の生身による格闘戦だったっけ?

170 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 19:19:56 ID:5dzxSqBG
>>167
シンヤ勝利9割、ロジャー勝利1割で見てたんで予想が裏切られた。
故にGJ。

なんだか積極マーダーが可哀相になってくる展開だよな。
猫被り以外のマーダーで無傷な奴殆どいないんじゃねえ?

171 名前: ◆JF9sfJq3GE [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 20:47:26 ID:U2IaT4RX
>>168-170
ご感想、ありがとうございます。
格闘戦といっても素手の殴り合いじゃ砂にされてるだけですが……。

見落としがあったので修正お願いします。
状態表を

【相羽 シンヤ(テッカマンエビル) 搭乗機体:無し
パイロット状況:テッカマン形態、PSYボルテッカ使用により疲労
          右足切断、左腕骨折、眩暈、吐き気、迷子
機体状況:機体なし
現在位置:C-8市街地北東部
第一行動方針:安静にできる場所を探す
第二行動方針:ロジャーを殺す
第三行動方針:竜馬を殺す
第四行動方針:機体の確保
第五行動方針:十分な食料の確保
第六行動方針:他の参加者を全滅させる
最終行動方針:元の世界に帰る
備考:テックシステムの使用はカロリーを大量に消費】

【ロジャー・スミス 搭乗機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童)
パイロット状態:体力消耗、肋骨数か所骨折、全身に打撲多数 
機体状態:左腕喪失、右の角喪失、右足にダメージ(タービン回転不可能)
       側面モニターにヒビ、EN90%
現在位置:D-8市街地
第一行動方針:リリーナの埋葬
第二行動方針:傷の手当
第三行動方針:テッカマンエビルを倒す。
第四行動方針:ネゴシエイトの相手を探しつつ、マーダーを排除。
最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉)
備考1:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能
備考2:念のためハイパーデンドー電池二本(補給一回分)携帯
備考3:ワイヤーフック内臓の腕時計型通信機を所持】

に修正お願いいたします。



172 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 20:49:00 ID:bfkawkeM
>>167
乙。シンヤボロボロだな。

マーダー勢はカテ公やフロスト兄弟に頑張ってもらわんといかんね。

173 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 22:04:10 ID:hBJ0PxMW
>>167
ちょっとまとめてみた。主観入ってるけどね

・積極的マーダー・・・6人(5人?)
  シンヤ/リョウ/ガウルン/孫光龍/ギンガナム/バーニィ?
・ステルスマーダー・・・1人
  テニア
・消極的マーダー・・・1人(2人?)
  統夜/(バーニィ?)
・マーダー予備軍・・・6人
  シャギア/オルバ/クルツ/ヒイロ/アキト/ジョナサン
・暴走型・・・2人
  ゴステロ/クインシィ
・暴走予備軍・・・2人
  カズイ/カテジナ
・不明・・・1人
  モンシア

上三組だと、統夜とテニアが無傷。あとはガウルン・御大将がまだ元気なほうかな。
モンシアは精神的に荒んでてもおかしくないので入れてみた。




174 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 22:05:50 ID:hBJ0PxMW
アンカー間違えた
× >>167
○ >>170

175 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/22(木) 02:42:20 ID:kpB0eMWm
今回はそれどころじゃなかったけど、リリーナの首輪の所在はどうなったかな。
首が結構良好な状態だから、多分残っていると思うけど。シンヤは持って行っ
てなさそうだし、埋葬後にロジャーが回収かな?

176 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 00:11:36 ID:QTbIvDNn
>>175
んでもってダイに持ち帰って解析と。

177 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/02/28(水) 02:26:10 ID:Gmb7w3cM
保守

178 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 02:51:13 ID:mB8XFsmH
W発売で誰も居ないのかな?
保守しておく

179 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 03:52:07 ID:5gfJ2rVa
hosyu

180 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/07(水) 06:19:21 ID:N3kS0TYV
G-6組書いてる人は居るのかな?

181 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/08(木) 23:05:02 ID:lzsl107L
基地は力がある書き手さんでも破棄になるくらい難しいからな
時間関係が混雑してる上に人も入り混じってる
事実一回機体の到達時間の問題でSSが破棄されてるし
時間軸は違うけど2回ほど基地関連の出来のいいSSが駄目になっているからかなり書きづらいと思う

182 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/09(金) 02:06:57 ID:BEYg0q94
自分は今ネタ思いついて書き始めてる最中なんだが
どうやら完成するのが一週間近くは掛かりそう。
だから今から予約しても三日間の期限破りそうで予約できない。

183 名前:それも名無しだ [age] 投稿日:2007/03/10(土) 00:11:10 ID:pZGK58NH
>>182に期待上げ。

184 名前: ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/12(月) 12:58:47 ID:sh83UKJA
>>182です。キョウスケ・ゼクス・カズイ・光龍・バーニィ・モンシア・ヒイロ予約します。


185 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/03/12(月) 14:35:00 ID:LP0zaSFu
>>184ガンガレ

186 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 15:29:59 ID:IalZYher
大混戦の予感

187 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 16:15:45 ID:rsc3piWw
>>184
あの話没になったのか
ま、個人的には没になってくれて嬉しいんだけどね。

188 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 16:50:12 ID:A5edQq1D
>>187
ここはキョウスケ厨の来る所じゃない! 出て行け――――!!!

189 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 16:59:52 ID:rsc3piWw
>>188
俺はキョウスケあまり好きじゃないしw
ただ展開に難があったんでね。

190 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/13(火) 22:17:49 ID:7X27N4Wi
>>184
うわぁ……
またあんたの鳥が見れて本気で嬉しい
これは期待せざるを得ないな

191 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 12:17:51 ID:FkiNtJkA
>>184
あら久しぶり。

192 名前: ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/14(水) 13:14:12 ID:OnYH3Jwh
それでは投下させていただきます

193 名前:獅子身中の虫 ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/14(水) 13:14:59 ID:OnYH3Jwh
基地内の医務室。ここでモンシアは包帯の交換をしていた。
べっとりと血が染み付いた包帯代わりのシャツを引っぺがす。
腹部の傷は塞がるどころかおびただしい鮮血を流し続けている。
大量の酒を摂取したお陰で、血行は良くなり先程よりも酷い有様だ。

「ちいっ……ぼうっとしてきやがった」

目の前がぼんやりとし、激しい頭痛が続く。
酒にまだ酔っているというわけでもないだろう。先程、粗方吐き出したばかりだ。
これは純粋な出血多量によるもの。
人は体内の三分の一ほどの血液を出血すると死に至るというが、自分は今どれだけの血を流したのだろうか。
朦朧とする意識の中、外からは金属と金属がぶつかり合うような鈍い音が聞こえてくる。

「また、どっかの馬鹿がおっぱじめやがったか。ヒビくんだよっ!ちったあ静かにしやがれっ!」

そう悪態を吐く自分自身の言葉が頭の中に響く。
モンシアは右手で頭を支えながら、今後について考える。
外でやりあってる連中が何を考えているかはわからない。
がこの基地は先程の戦闘で補給ポイントはダメになったとはいえ整備、篭城の点で一つの拠点となりうる場所だ。
ならば戦闘を行っている限りはここを傷つけたくはないというのが本音だろう。
このまま外に出ればもしかすれば戦闘に巻き込まれてお陀仏ということもなりかねない。
せめて戦闘が収まるまではここに居た方が安全なはずだ。

そうしてモンシアは薬品棚へと足を向けた。
自分と同じ血液型のパックを見つけ出し無造作に左腕に突き刺す。
そんな時、一つの薬瓶が目に留まった。

「へへっ、どうやら今日は悪運だけは強えらしいな。」

死と隣り合わせの状況ながら口元は緩む。
なぜか原液のままの狭心病の薬を恐る恐る手に取りながら懐に忍ばせた。

194 名前:獅子身中の虫 ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/14(水) 13:15:48 ID:OnYH3Jwh
赤と黒、二つの機体は進む。
それらを操縦する両者の間に長らく言葉は交わされていない。
だが、二人は恐らく同じような虚無感を、この殺し合いに巻き込まれ、知ったのだろう。
先にそれを知った男は後にそれを知った男に、必要以上の言葉を掛けることはなかった。
キョウスケはゼクスがそれを乗り越えられる男だと、知り合って間もないながら悟っていた。

沈黙を少年が遮る。
といっても、それは沈黙に耐え切れなかったというわけではない。
未だ虚無感に囚われ、集中力が切れやすい状態にあるゼクスを補佐する形でカズイはレーダーなどの確認をしている。
そのレーダーに目的地、G-6基地で戦闘が起きている事を伝えたのだ。
それにキョウスケが答える。
「先程の爆発と関係があると考えて良いだろうな。」
一機のMS、しかも全身火薬庫のような機体の爆発はこちらにも微弱ながら伝わってきていた。
「こちらの目的は基地の奪取だ。致命的な被害が出る前に急行し、ただちに戦闘を停止させる。」
それに答える形でゼクスが今後の方針を唱える。

「すまないな、カズイ。出来る事なら君を巻き込みたくなかったんだが。」

「いえ、大丈夫ですよ。こうなることはここへ向かう段階で覚悟しなきゃならなかったわけですし。」

カズイは努めて元気があるように振舞う。
以前の彼なら恐れるだけで、気丈にも振舞う事すら見せなかっただろう。
彼を変えたAI-1。この力が訴えている。この先で争う2機の機体の力が欲しいと。
あの力を手にすればこの殺し合いの中で何者にも負けない力を持つ事になると。
だから、戦場に赴く事も恐れない。

虚無を知らない少年は暴走する。

195 名前:獅子身中の虫 ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/14(水) 13:16:24 ID:OnYH3Jwh
――あと一撃だ!一撃加えられえれば、どうにかなるって言うのに!
バーニィは焦る。ぶんぶんと煩い蝿のようにレプラカーンはブラックゲッターの周りを飛び交う。
少しずつ、着実にオーラキャノンによる銃撃がブラックゲッターの装甲を削る。
小柄であるABの中でもレプラカーンは火力を売りにした機体である。
装甲の厚いゲッターといえど、確実にダメージは受けていた。
身長差を考えれば、相手に攻撃を与える事でこの攻勢も一発で逆転できる。
はずなのだが、小柄な上に機動力の高いレプラカーンには当たらない。

「ちょこまかとぉ!うっとおしいんだよぉぉっ!」
ゲッタートマホークが弧を描きながらレプラカーンに向かっていく。
だが、レプラカーンには当たる事無く、風を切っていくだけだった。

「フフッ、焦ったところでレプラカーンに攻撃を当てることは出来ないよ!」
光龍は、余裕の表情をちらつかせながらバーニィを挑発する。
だが彼自身気づいてはいなかった。念動力の暴走が徐々に始まっているということに。
「機体はなかなかのようだが、君みたいなのが操縦者じゃあね!」
一気にレプラカーンは間合いを詰める。
その手に握られたオーラソードに念が注がれる。

「くそっ!こうなったら!」
レプラカーンが近づいてくる。
小さな刀身に不似合いなほどの強力なプレッシャーが剣自体を包み込んでいる事にバーニィも気づいていた。
バーニィも近づいてくるレプラカーンに急接近し、両拳からスパイクブレードを突き出す。
オーラソードがゲッターの左拳をスパイクブレードごと切断する。
「これが骨を切らせて肉を断つってやつだ!」
しかしバーニィは臆する事無く右手でレプラカーンを横殴りにする。
だがオーラバリアが展開され、致命的なダメージはレプラカーンに与えられない。

「なっ……まだ動けるって言うのか!」
「――ふふっ、ふふはははっ!なかなかやるじゃないか!こっちも本気を出してあげないと失礼ってやつかな!」
「なんだよ……嘘だろっ!」
その光景に目を疑う。目の前の機体が巨大化している光景に。
自分より小柄だった機体がゲッターと同身長、そしてそれ以上の大きさに膨れ上がる。
「ははっ!どうだい……驚いただろう?」
口ではおどけた態度をとる光龍だがその表情も身体も無理が来ている。
「文字通り化物ってやつかよ、畜生」
絶望を噛み締めている暇はなかった。
「これで終わりだよっ!」
レプラカーンは巨大な剣を振り上げ、そのままゲッターへと力任せに振り下ろす。
その剣は先程のか細い物とは文字通り大きく違う。
喰らえばゲッターといえどただでは済まされない。
相手は大きくなった代わりに動きは鈍重になっている。
が、それでもゲッターと同程度の動きはできるようだ。
ただただ回避行動を取り続ける他はない。


196 名前:獅子身中の虫 ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/14(水) 13:16:56 ID:OnYH3Jwh
大きさは逆転したものの形勢は不利なまま。
ゲッタートマホークで応戦するもオーラバリアが装甲へその刃を通す事を許さない。
「的は大きくなってるっていうのに!」
攻撃は通らず、回避行動を取っているだけでもENは減少し、こちらは疲労していく。
だが相手も先程の様子ではあの状態を保つのが精一杯なようだ。
どちらかが倒れるまで続く消耗戦……それは避けたい。
自分で補給ポイントを破壊したことが悔やまれる。
「なら、この一発で――」
ゲッタービーム。ENの残量を考えれば使いたくは無いが形勢を逆転するにはここで使うしかない。
が、その寸前でレーダーが二つの反応を示す。

「ははっ!2機も僕の力を見せ付けられる参加者が出てくるなんて!」
レプラカーンの中、光龍は狂気の笑みを浮かべる。
先程までの思考と打って変わって好戦的な態度を取る。
彼もまた、自分の念の力に――ハイパー化の力に溺れていた。

「くそっ!こんな所で!」
バーニィにとってまずい状況になった。
ゲッタービームの一撃でレプラカーンに勝ったとしても
二つの機体を相手にするのは今のゲッターの状況と自分の力量を考えても分が悪い。
ここは是が非でもこちら側につけ、レプラカーンを倒したい。
二機の機体が目視できるところまで近づく。
「あの機体……まさかっ!」
二機の片方、真紅の方はバーニィが以前襲った相手である。
これでは味方としてこちら側につくのは望みは薄い。
(くそっ!これじゃあこちら側にはついてはくれないか)
自分の運の無さに落胆するが、なんとかこの状況を打破する考えを模索する。
(冷静になれ……バーナード・ワイズマン――
 あの2機がこのG-6基地に戦闘が起きているというのに近づいたのは何故だ?
 おそらく本来は補給、整備が目的、だからこそここが戦闘により破壊されるのを阻止する為に近づいているのか……?
 なら、一か八か、言ってみるか!)

数秒、いやそれは一秒にも満たない思考の後バーニィはオープンチャンネルを開き、大声で叫ぶ。
「そこの2機、こちら側に手を貸すんだ!従わない場合はこの補給ポイントを破壊する!」

197 名前:獅子身中の虫 ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/14(水) 13:17:31 ID:OnYH3Jwh
管制室の制御コンピューターがカタカタと刻みよく音をさせる。
ヒイロはここからこの基地における格納庫の状況を確認する。
(この情報がブラフでなければ、この基地には機体はおろか資材の類も一切ないということになるか。)
外に目をやれば、見知らぬ機体が二機、交戦している。
(九鬼は……撃墜されたか)
ヒイロは冷静に状況を分析する。
九鬼の死に対し、それほど深い感慨も起きなかった。
ある程度の情報を確認したところで、司令室から出る。
格納庫へ一応の確認をする為だ。



管制塔へ続く廊下を歩む。その足取りはふらついている。
腹部の応急処置は気休め程度、まだ出血は止まっていない。
血液パックからの輸血も殆ど意味は成していないらしい。
やっと階段へと辿り着く事が出来た。
だが上から階段を下りる音が聞こえる。
(ちっ……まだ誰か居やがったのか)
モンシアもまだ爆発を受けた機体のパイロットが生きているとは思ってはいない。
(どっかに奴さんの乗ってきた機体があるって事か……)
そうとなれば話は早い。踵を返し、格納庫へとその足を向ける。
しかし、相手も自分の存在に気づいたようだ。
階段を下りる音は駆け下りる音へと変わる。
「止まれ!」
その聞き覚えのある声の主は恐らく自分に言っているのだろう。
「なんだ。さっきの坊ちゃんかい。」
この年の割りに落ち着いた声質の主が生きているということは機体も持っていないだろう。
「よくあの爆発で生きてられたなあ。感心するぜ。ところで坊ちゃん、機体はどうしたい?」
「先程の爆発で大破した。こちらからも質問させてもらう。この格納庫に機体は置いてあるか?」
「へっ。本当に愛想のないガキだ。ここにはそんなもんねえよ」
「そうか」
言うが早いかヒイロはモンシアヘと近づき、腹部の傷口へ目掛け蹴りを放つ。
モンシアも相手が少年である事で油断し、まさに突然の出来事で防御も取れずその強烈な一撃をくらう。
なんとも言えない嗚咽と共に鮮血を吐き出す。
「先程のスペシャルな罠のお礼だ」
それだけいうとヒイロは廊下を進みだした。
モンシアは蹴りによって傷口がさらに開き、痛みが全身を掛け巡っていた。
下半身に力が入らない。一緒に背骨の神経まで影響を受けたのだろうか。
苦虫を潰したような顔で懐からライターと先程の薬瓶を取り出す。
「ここで……使うつもりじゃあなかったんだがな――」
並々と入ったその薬瓶にライターを落とす。
その薬の名はニトログリセリン。
爆発物としても有名だが、狭心剤としても使用される薬だ。
「しまった、爆発物か」
持ち物を確認しておくべきだったと後悔するにはもう遅かった。
ヒイロは塞ぐ事も叶わずに爆発の中に飲み込まれた。


198 名前:獅子身中の虫 ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/14(水) 13:18:03 ID:OnYH3Jwh
(状況が読めん……)
2機の機体が交戦している。
内、片方は開始後初めて交戦した相手だ。
今度はその相手がこちらに共闘の申し込みをしている。
しかし、改心をした、とは思えないようだが。
「どうする。キョウスケ?」
「あの黒い奴とは以前交戦した。奴の事を信じきれるというわけではないが基地を破壊されることは望ましくない。
 それに交戦している赤い機体……ここで落としておかねば後々厄介なことになる。」
そう。あの赤い虫のような機体からは滲み出るような禍々しいもの。
念動力といった特殊な力を持っていないキョウスケにもその力が危険なものだと予測は出来た。
「そうか……そうだな。では」
それはゼクスにも感じ取れていたようだった。
「黒い機体、とりあえずはそちらに手を貸そう。
 だが背後から撃つような事があれば、こちらも容赦はしない。」
「どっちでも良いから早くしてくれよ!僕にとっては2機増えたところで関係ないんだからさ!」
先程から、話を見物し退屈していた光龍が痺れを切らして叫ぶ。
それを合図にと、G-6基地内からの爆発が起きる。

とっさの出来事でみな唖然としている中、まず動いたのはメディウス・ロクス。
目指す方向はレプラカーン……ではなく、爆発をよけ、バランスが崩れた体制のブラックゲッターへと一直線に。
「ゼクス、何をしている!」
「わからん!突然制御が利かなくなった!」
「これはこれは。こんなときに仲間割れかい?」
好機とばかりにレプラカーンはビルトファルケンへとその牙を向ける。

「うわあああああ!」
暴走するメディウス・ロクスはブラックゲッターへとディバイデッド・ライフルのソードモードを突き刺す。
そこはゲッター線の溜まったゲッター炉へと届きゲッター線を吸収していく。
力を失ったブラックゲッターはそのまま基地へと突っ込んでいく。

ゼクスがコックピット内部で試行錯誤をするその後ろ、カズイはほくそ笑んでいた。
(まだまだ、これだけでは足りないって言うのか。)
カズイはレーダーなどの確認を任されていた間、AI1への自動操縦への切り替え方も探っていた。
そして、この並々ならぬ力を持った2機の機体との遭遇はAI1への学習、進化に大いに役に立つ。
そう踏んでいたが、今力を吸収した機体は元からEN残量が少なかったようだ。
思ったほどの成果は得られなかったが、あと少しでAI1は次へのステップに進める。そう踏んだ。

(これから……これからだよAI1……)


199 名前:獅子身中の虫 ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/14(水) 13:18:36 ID:OnYH3Jwh
(この男、自分の力が制御しきれていない……)
目の前から襲い来るその敵に対し、キョウスケはそんな感想を持った。
相手はどうやら弾切れで先程から、剣による攻撃しかしてこない。
しかし、それでも一撃当たればただではすまない。
「ただ、避け続けているだけというのも芸がない。今度はこちらから行かせてもらうぞ!」
スプリットミサイルとオクスタンライフルの一斉掃射。
弾丸、ビームの雨霰がレプラカーンを襲う。
「無駄無駄ぁっ!こんなものきかないよっ!」
が、やはりオーラバリアの前に打ち消される。
爆煙が晴れる中、目の前に居たはずのビルトファルケンは消えている。
「なっ!何処へ行った!?」
レプラカーンの背後。先程の一斉掃射もこの為の目晦ましにしか過ぎない。
「このハンマー、伊達や酔狂で付いているわけでは無いのでな。」
ハンマーがレプラカーンのバックパックユニット、オーラコンバーターを狙う。
しかし、またもオーラバリアーが展開される。
「無駄だって言ってるでしょうがぁっ!」
しかしハンマーの勢いは死んではいない。取り付けられたブースターによりその勢いを増していく。
「ただ、打ち貫くのみっ!」
ついにオーラバリアを破り、オーラコンバーターにハンマーが届く。
「そんな馬鹿なことがっぁぁぁ!」
光龍の断末魔を聞きながら、ビルトファルケンは地上に降り立つ。
「少々、無理をしすぎたかもしれんな……」
キョウスケは向かってくるメディウス・ロクスへと目をやった。
(伏兵はこの中にも居るのかもしれんということか……)

200 名前:獅子身中の虫 ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/14(水) 13:19:06 ID:OnYH3Jwh
【ゼクス・マーキス 搭乗機体:メディウス・ロクス(スーパーロボット大戦MX)
 パイロット状況:動揺
 機体状況:もう少しで第二形態へ
 現在位置:G-6
 第一行動方針:機体の状況を確認
 第二行動方針:G-6基地を押さえる
 第三行動方針:味方を集める 
 最終行動方針:ゲームからの脱出、またはゲームの破壊】


【カズイ・バスカーク 搭乗機体:メディウス・ロクス(スーパーロボット大戦MX)
 パイロット状況:良好
 機体状況:もう少しで第二形態へ
 現在位置:G-6
 第一行動方針:ゼクス達についていく
 第二行動方針:AI1を完成させる
 最終行動方針:ゲームからの脱出または優勝またはゲームの破壊】


【キョウスケ・ナンブ 搭乗機体:ビルトファルケン(L) (スーパーロボット大戦 OG2)
 パイロット状況:良好、スプリットミサイル数十発消費、オクスタンライフルW数発消費
 機体状況:ブーストハンマー所持
 現在位置:G-6
 第一行動方針:状況の把握
 第二行動方針:G-6基地を押さえる
 第三行動方針:ネゴシエイターと接触する
 第四行動方針:信頼できる仲間を集める
 最終行動方針:主催者打倒、エクセレンを迎えに行く(自殺?)
 備考:アルトがリーゼじゃないことに少しの違和感を感じています】


【バーナード・ワイズマン(機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争)
搭乗機体:ブラックゲッター(真(チェンジ!)ゲッターロボ 地球最後の日)
パイロット状況:気絶、頭部に軽い傷(応急処置済み) 
現在位置:G-6管制塔近く
機体状態:ゲッター炉破損、補給不可(実質大破)、マント消失
第一行動方針:???
最終行動方針:優勝する
備考:頭部に生じているヒビをヘビーアームズのピエロの仮面で隠している】


【孫光龍 搭乗機体:レプラカーン(聖戦士ダンバイン)
 パイロット状態:死亡
 機体状態:全壊
 現在位置:G-6】

【ベルナルド・モンシア 搭乗機体:ガンダムヘビーアームズ改(新機動世紀ガンダムW〜Endless Waltz〜)
 パイロット状態:死亡
 機体状態:全壊
 現在位置:G-6】

【ヒイロ・ユイ 搭乗機体:レイダーガンダム(機動戦士ガンダムSEED)
 パイロット状態:死亡
 機体状態:全壊
 現在位置:G-6】

201 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 13:21:35 ID:rGZ5uU/n


202 名前: ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/14(水) 13:22:01 ID:OnYH3Jwh
【初日 20:50】


ということで投下しました。
意見などお待ちしてます。

覚えていてくれた方がいらっしゃったようで嬉しいです。
この鳥にしてよかったかもw

203 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 13:29:54 ID:FHUwb7/D
乙!

キョウスケの乗っているのが不思議エネルギーの機体だったら、今回こそ確実に死んでたね……。
というかうっかりしていたら、次の話辺りでエンジンを吸収されて、第二形態への触媒にされかねない悪寒。

204 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 19:17:52 ID:JI4eSYT3
GJ!
不死身のモンシアさんも死んじゃったか。
いやしかし、ヒイロを巻き込むとは予想外でした。
AI1vsキョウスケも起こりそうでまだまだG-6基地の騒乱は終わらない。
続きが楽しみな展開です。



205 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 20:17:42 ID:0OVbeZbr
おいおい、ヒイロはウイングガンダムを自爆させても死ななかった男だぜ?
この程度で死ぬ訳…死ぬ訳…死ぬか。
万一生き残ってもまず重体だしな…
さすがに元祖の師匠のようにはいかないか。

206 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 22:22:21 ID:DToTTl1x

そういや1stでもでもヒイロはG−6の基地で死んだんだよな。

207 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 23:15:43 ID:vsEmVdlA

でもレプラカーンの扱いがあんまりすぎないか?
まだほとんど弾薬消費してなかったはずだし、ハイパー化ってオーラバリアの実体化だからハンマーで抜いたからって一撃で落ちるのはどうかと思う
ABを知らないキョウスケがオーラコンバーターを狙うのもちょっと…
いや、決め手はキョウスケの勘とハイパー化による自滅なのかもしれないけど

208 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 00:15:16 ID:0/ExQdQ2
ヒイロの死亡により、薄氷同盟は全滅か…
アスランもヒイロも大事な人を殺した仇を知ることすらなく散ってしまったな

209 名前: ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/15(木) 00:59:16 ID:Ka54g4Mr
>>205
そこは悩んだんですがやっぱり重傷のまま放置ってのもどうかと思ったので

>>207
長時間のハイパー化によりオーラバリアが弱くなっていたというつもりで書きました
キョウスケはオーラコンバーターを分の悪い賭で攻撃させました

210 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 10:37:31 ID:JEYiqzFG
質問です。
一つ考えている話があるのですが、その一部にIF行きになった話の一部を文章そのまま流用しても構わないでしょうか?
勿論流用元は自分のSSで他人様のものではありません。

211 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 10:41:21 ID:Zwwhdgpo
>>210
いいと思うよ

212 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 17:53:09 ID:bPaTNSRG
>>209
いや、分の悪い賭けも何もキョウスケがそこに狙いを付ける理由が全く無いんだけど
オーラバトラーはキョウスケの知るロボットと全く違う技術体系で作られてるんだからキョウスケには情報が無いんだよ
どうしてそこを狙ったか心理描写くらいした方がいいんじゃないかな
全身これ火器のレプラカーンの弾薬いつの間にか切れたのか敢えて使わないか気になるとこでもあるし
前の話までほとんど残ってたろ
あと、ハイパー化して巨大化も運動性は落ちなかった気がする
そのままでかくなってやりたい放題だった
そこ辺りは制限効いてるのかもしれないけど
オーラバリアも弱ってるなら弱ってるなりに描写が欲しいかな
前のSSでハイパー化状態じゃオーラバリアを展開できないって話も有ったし
圧勝でも自滅でもキョウスケが勝つのは良いんだけど、あまりに描写が足りないのが気になったもんで
できれば加筆してくれたら嬉しいかな


213 名前: ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/15(木) 21:24:13 ID:Ka54g4Mr
では明日中に問題の部分を書き直します
ご迷惑おかけしますがすみません

214 名前: ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/16(金) 23:20:54 ID:4FmbI3VW
すいません!
今日中に仕上げるつもりが予定が入り、日曜までは無理そうです
延長させて下さい…orz

215 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 23:42:33 ID:X0fjzI93
>>214
人もそうそういないし、進行に響く程でも無いのでじっくりで大丈夫だと思いますよ。
修正頑張って下さい

216 名前: ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 20:28:48 ID:5x+mQe10
フロスト兄弟・ヒメ・甲児・バサラ予約します。


217 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22:01:46 ID:s85Byx/q
>>216ガンガレ。

218 名前:壁に耳あり、障子に目あり ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 04:20:33 ID:xQTH+s5h
 ふわりと浮きあがるような感覚を感じて、奈落の底から意識がわずかに拾い上げられた。
 夢からうつつへと覚醒を始めた意識。それを再び深い眠りに引きずり込もうと、執念深い睡魔が手を伸ばし足を掴む。
 振り払うように重い瞼をうっすらと開けた。
 予想をしていた目を眩ますような明るさはなく、闇の中にぼんやりと計器類が浮かび上がる。

 コックピット……何のだ?

 混沌とした意識の中でそんな疑問が頭をもたげた。
 愛機ファイヤーバルキリーのものよりもずっと狭い見慣れぬコックピット。
 ここはどこだったのか、ぼやけた頭を働かそうとしてすぐにやめた。
 人の声が聞こえた気がしたのだ。
 

「オルバ、状態はどうだ?」
 わずか3mと少々、人型起動兵器としては型破りとも言えるほど小型な機体の観察を続けていた青年――オルバ=フロストは声を掛けられて振り返った。
 振り向いた視線の先に彼の敬愛する実の兄――シャギア=フロストの姿を見つけて微笑むと彼は答えを返す。
「上々だね。バルカンのようなものを受けた痕跡はあるけれど目立った損傷はなし、おそらくはまだ使えると思うよ。
 ナデシコの格納庫にも収まるサイズだから、さっき拾った緑のMSのように甲板に係留する必要もないしね。ただ――」
 ほんの小一時間ほど前に無傷で放置されているのを見つけ拾った無人の旧ザク。それを引き合いに出しながら話を進めていく。
「内部からロックされているのかコックピットハッチが開かないんだ。万が一に備えてぺガスに見張りをさせるくらいのことはしておいたほうがいい。兄さんのほうは?」
「こちらは駄目だな。コックピットを背後から撃ち抜かれている。パイロットは死亡、機体は使い物にならないと見て間違いないだろう」
「駒としては、だろ? 兄さん」
 悪戯っぽく笑い、視線を兄の指先へと落とす。
「人が死んだのだ、オルバ。滅多なことを言うものではない」
 そう答えたシャギアの右手には首輪が握られていた。


219 名前:壁に耳あり、障子に目あり ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 04:21:36 ID:xQTH+s5h
『シャギアさん、状態は?』
 ナデシコに通信を繋げるなり甲児の質問が飛んできた。
 70m程の大型機と3m少々の小型機、対照的な二体を見つけたときから飛び出したくてうずうずしていたのを押さえて2人で出てきたのだ。当然の反応であった。
「大型機のほうはコックピットを撃ち抜かれている。
 その衝撃で全壊したコックピットに押し潰されたのかパイロットの頭部は潰れていてひどい有様だ。
 彼を助けられなかったのは私としても非常に残念だよ、甲児君」
「僕のほうは機体そのものには損傷は少ないが、ハッチが開かないのでパイロットの生死は不明。
 だけど、ナデシコからの通信やこちらの起動兵器が近づいても何の反応も見られなかったことから既に死亡している可能性が高いね」
 さも残念そうに返した応答に2人が落胆した様子が通信機越しに伝わってきた。
 大型機のパイロットを埋葬した後に小型機をナデシコに持ち帰る旨を伝えて、ひとまず通信を切る。
「頭部が潰れていただって? フフ……兄さんも人が悪い」
「例え潰されたのが死後であっても潰れているのは事実。嘘ではないさ」
 芝居がかった笑みと共に答える兄につられて弟の口元にも笑みが生じた。
 あのアフロの頭は見つけたときには潰れていた。だから不幸中の幸いにも首輪を回収することができた。
 それが彼ら兄弟にとって都合のいい事実であり、実状を知りえない甲児達にとって唯一の真実である。
「では我らに首輪を提供してくれた者の墓をつくるとしようか」
「そうだね、兄さん。あのお人好し共が喜ぶような墓をつくるとしよう」


 わずかに誰かの話声が耳朶を打ってくる。

 そこに誰かいるのか?

 問いかけは言葉にならずに闇の中に消える。震えたはずの喉からは声が出てはいなかった。
 しかし、そのことに気づくよりも早く睡魔は再び奈落の底へと彼の意識を引きずり込む。
 抗い得ぬ誘惑が体を支配し、いっそう重みを増した瞼がゆっくりと下がってくる。

 なあ、そこに誰かい……る……。

 そうして彼は再び深い眠りの淵へと引き込まれていった。


220 名前:壁に耳あり、障子に目あり ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 04:23:10 ID:xQTH+s5h
【シャギア・フロスト 搭乗機体:ヴァイクラン(第三次スーパーロボット大戦α)
 パイロット状態:良好、合体が破られてショックを受けている
 機体状態:EN25%消耗、損傷軽微
 現在位置:C-5
 第一行動方針:ヒメと甲児の信頼を万全のものに
 第二行動方針:ヒメと甲児を利用し、使える人材を集める
 第三行動方針:意に沿わぬ人間は排除
 第四行動方針:首輪の解析
 最終行動方針:オルバと共に生き延びる(自分たち以外はどうなろうと知った事ではない)
 備考1:ガドル・ヴァイクランに合体可能(かなりノリノリ)、自分たちの交信能力は隠している。
 備考2:首輪を所持】


【オルバ・フロスト搭乗機体:ディバリウム(第三次スーパーロボット大戦α)
 パイロット状態:良好
 機体状態:EN25%消耗、損傷軽微
 現在位置:C-5
 第一行動指針:ヒメと甲児の信頼を万全のものに
 第二行動方針:ヒメと甲児を利用し、使える人材を集める
 第三行動方針:意に沿わぬ人間は排除
 第四行動指針:首輪の解析
 最終行動指針:シャギアと共に 生き延びる(自分たち以外はどうなろうと知った事ではない)
 備考:ガドルヴァイクランに合体可能(かなり恥ずかしい)、自分たちの交信能力は隠している。】


【兜甲児 搭乗機体:ナデシコ(機動戦艦ナデシコ)
 パイロット状態:良好
 機体状態:EN30%消耗、相転移エンジンによりEN回復中、ミサイル5%消耗
 現在位置:C-5
 第一行動方針:ヒメ・フロスト兄弟と同行
 第二行動方針:ゲームを止めるために仲間を集める
 最終行動方針:アインストたちを倒す
 備考1:ナデシコの格納庫にプロトガーランドとぺガスを収容
 備考2:ナデシコ甲板に旧ザクを係留】


221 名前:壁に耳あり、障子に目あり ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 04:23:41 ID:xQTH+s5h
【宇都宮比瑪 搭乗機体:ナデシコ(機動戦艦ナデシコ)
 パイロット状態:良好、ナデシコの通信士
 機体状態:EN30%消耗、相転移エンジンによりEN回復中、ミサイル5%消耗
 現在位置:C-5
 第一行動方針:甲児・フロスト兄弟に同行
 第二行動方針:依々子(クインシィ)を探す
 最終行動方針:主催者と話し合う。】


【パイロットなし 搭乗機体:ぺガス(宇宙の騎士テッカマンブレード)
 パイロット状態:パイロットなし
 機体状態:良好、現在ナデシコの格納庫に収容されている
 現在位置:C-5】


【熱気バサラ 搭乗機体 プロトガーランド(メガゾーン23)
 パイロット状況:神経圧迫により発声不可、気絶中
 機体状況:MS形態
      落ちたショックとマシンキャノンの攻撃により、故障
 ナデシコの格納庫に収容中
 現在位置:C-5
 第一行動方針:新たなライブの開催地を探す
 最終行動方針:自分の歌でゲームをやめさせる
 備考:自分の声が出なくなったことにまだ気付いていません】

【初日19:30】

222 名前: ◆960Bruf/Mw [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 04:30:22 ID:xQTH+s5h
投下終了。繋ぎの短い話です。
ヒメと甲児はお留守番ということで勘弁して下さい。
書いたほうがいいのはわかってるんだけどヒメわかんないんです。すみません。
感想と指摘のほうよろしくお願いします。

223 名前:獅子身中の虫(修正) ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 15:11:10 ID:Z0cYUYzZ
「あっちはあっちでやってるようだね。さあ、そこの君!こちらも思う存分楽しもう!」
オーラバルカンで弾幕を張りつつ、ビルトファルケンへと接近する。
肥大したバルカンはもはやいままでのそれにくらべ、ミサイル並みの威力になっている。
キョウスケは次々と発射されるミサイルを避け、あるいは打ち落としていく。
弾幕を縫うようにワイヤーがビルトファルケンへと伸びる。
それはキョウスケの一瞬の隙を突き、先端についた鉤爪が右脇腹部分へと突き刺さる。
レプラカーンは機動力を活かしそのままワイヤーを雁字搦めに巻き付かせる。
「これで身動きは取れなくなった。あとはこれで君は御終いだ!」
オーラキャノンをビルトファルケンへと向ける。
しかし相手からは何の声も発せられない。
絶望に嘆く声も死から逃れようとする声もだ。
「つまらないな。なにか言い残すことは無いのかい?」
暫しの沈黙。そしてキョウスケは答える。
「力に溺れているような奴に俺は倒せん」
「ハハッ!最後まで恐れないというのは面白い」
その言葉と同時にオーラキャノンが放たれる。
「テスラドライブ!フルバースト!」
ビルトファルケンの翼が緑色に光り、ワイヤーを断ち切る。
オーラキャノンを間一髪退ける。

「やってくれるね!だがまだま……ぐっ」
光龍の視界が突然に霞む。
急激な念の暴走。
そしてそれが長時間使用された事により光龍の身体に限界が近づいてきている。
――機体の力に溺れた物の末路――
光龍の記憶にあるその光景。
超機人の力に魅入られ、分不相応ながら力に溺れたある男は対となる四神の超機人に敗れた。
自分は、自分はどうであろうか。
四霊の超機人を操れるほどの自分がこんな虫けらのような機体の力に溺れるはずが無い。
この程度で自分の念が暴走などするはずが無い!
「それを証明してあげよう!」
誰に向かっていったわけではないその言葉。
その言葉とは裏腹に念の暴走はますます進んでいく。

224 名前:獅子身中の虫(修正) ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 15:11:49 ID:Z0cYUYzZ
「奴が誇示している力の元凶はあれということか。手がつけられる内に勝負をつけさせてもらう!」
先程から熱量が増大しているバックパックユニット。
恐らくあれがあの巨大化の源で有ると結論付ける。
スプリットミサイルとオクスタンライフルの一斉掃射。
弾丸、ビームの雨霰がレプラカーンを襲う。
「無駄無駄ぁっ!こんなものきかないよっ!」
強固となった装甲を盾に防ごうともしない。
爆煙が晴れる中、目の前に居たはずのビルトファルケンは消えている。
「なっ!何処へ行った!?」
レプラカーンの背後。先程の一斉掃射もこの為の目晦ましにしか過ぎない。
「このハンマー、伊達や酔狂で付いているわけでは無いのでな。」
レプラカーンのバックパックユニット、オーラコンバーターを狙う。
ハンマーの勢いは取り付けられたブースターによりその勢いを増していく。
「ただ、打ち貫くのみっ!」
オーラバリアの虚像を破り、オーラコンバーターにハンマーが届く。
念の力が生み出したエネルギーは大爆発を起こす。
「そんな馬鹿なことがっぁぁぁ!」
光龍の犯した勘違い。
それは機体の力に溺れたのではなく、自分自身の力に溺れていたということ。

爆発をテスラドライブのフル稼働で避け、ビルトファルケンは地上に降り立つ
「少々、無理をしすぎたかもしれんな……」
キョウスケは向かってくるメディウス・ロクスへと目をやった。
(伏兵はこの中にも居るのかもしれんということか……)

225 名前:獅子身中の虫(修正) ◆WgWWWgbiY6 [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 15:16:53 ID:Z0cYUYzZ
>>199から上記を差し替え
>>196二行目
ゲッタートマホークで応戦するもオーラバリアが装甲へその刃を通す事を許さない。

ゲッタートマホークで応戦するもハイパー化により強度を増した装甲はその刃を通す事を許さない。
に変更します。

ハイパー化中、オーラバリアが展開しないの忘れてました・・・・・・
時間かかってしまいすみませんでした。


226 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/19(月) 17:00:57 ID:YjUAgaFU
>>222
投下乙!
フロスト兄弟黒いぜ黒いぜ。バサラが正体に気づいても声出せないんだよなぁ……
これは先が気になるもどかしさ。

>>225
修正乙。
自分は修正前のでも特に違和感感じなかった人間なんで大丈夫かどうかの判断は
他の人に任せますが修正後の方が良くなっていると思うぜ!

227 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/19(月) 18:44:16 ID:NVcxBWno
>>222
GJ!
脱出するには首輪はどっかで放出しなきゃいけないからな
ヒメと甲児に死体とはいえ頭潰して首輪取る真似は出来ないと思うし、フロスト兄弟いい仕事した
バサラ助けてるしコスモに墓まで作ってくれてるし、ワルっぽい発言してるけどなんだかんだでいい人達だなw

>>225
GJ!修正前よりグッと光龍に迫力が出てて良かったと思う
やられた理由も分かりやすくなったしね
でも、気になったことが一つ
なんかいちゃもんみたいで気がひけるんだけど
レプラカーンはワイヤークロー装備してなかったはず
ダンバインwebやまとめサイトのデータで確認してみたけどやっぱり記載が無いし
もしダンバインの劇中で使ってたならゴメン

228 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 20:56:35 ID:DJzkE08s
>>222GJ!
バサラにとってフロスト兄弟に拾われたのが凶とでるか吉とでるか楽しみです。

229 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/20(火) 02:41:38 ID:B+FrSUDv
>>227
原作は知らんのだがスパロボやACEではワイヤークローついてるな

230 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/20(火) 19:20:09 ID:UdQ4x8wN
>>229
そうか、よかったぜ
ありがとう

231 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/22(木) 13:36:29 ID:zPPb/zIR
保守

232 名前: ◆Ah0pszfSZo [sage] 投稿日:2007/03/22(木) 18:42:16 ID:G9ahCU2d
ユーゼス・ベガ・カミーユを予約します。

233 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/22(木) 18:44:46 ID:uFZWxjxB
一個の話があんまり長いのはリレーにそぐわないよな?
プロット練ってたら無駄に長くなっちまったぜw

234 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/22(木) 18:49:55 ID:G9ahCU2d
人によると思いますが、あまり気にしなくてもいいのではないでしょうか?
私はあまり気にしないたちです。
使う人数が多ければ多いほど自然と話も長くなりますし。



235 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/22(木) 23:16:21 ID:zPPb/zIR
他ロワは中盤から長くなる話が多くなるね
今からなら長くても全然大丈夫な気が

236 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/23(金) 01:18:13 ID:G4b0S9wu
長くてもいいと思うよ。
極端な話、他ロワだと100レスの作品とかあったらしいし。

237 名前: ◆C0vluWr0so [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 00:22:42 ID:HsrYC7CX
キラ、武蔵、テニア、マサキ、ソシエ予約します。
作品自体は完成したんで即投下になるかも。

238 名前:大いなる誤解 ◆C0vluWr0so [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 01:11:29 ID:yhcTrq7t
 キラ、武蔵、テニア――三人が合流してから、早一時間が過ぎようとしていた。
 情報交換や機体のチェックなど、しなければならないことはいくつもある。
 が、それらは滞り無く素早く行われ――終わった後は三人とも特にすることもなく、ジョナサンを待って無為な時間を過ごしている。
 既に辺りは完全な闇に包まれていた。
 闇――それが人の心に与える影響は、決して良いものではないというのは周知の事実。
 まるでこの殺人遊戯の混沌さを象徴するかの如く、三人の胸中にはそれぞれ違った思いが渦巻いていた。


 キラ・ヤマトの心にあるものは、亡くなってしまった少女への想い。
 こう、何もしない時間が続くと――不意に彼女の姿と言葉を思い出してしまう。
 少女は、ここで死ぬべき人間ではなかった。キラはそう思う。
 彼女は、世界を導いていけるだけの思いを備えていた。
 自分はそんな彼女の剣に、盾になりたいと、そう願っていた。
 しかし、その願いも既に打ち砕かれた。あの放送が本当だとは信じたくない。
 だが、それを嘘だと決めつけ、ラクスの生存を信じることが出来るほど自分は馬鹿じゃない。

 少女、ラクス・クラインの死。それは――分かっていても、受け止めたくはない現実。

 沸々と沸いてくる後悔とも怒りともつかない感情を理性で律しているのが、現在のキラだった。
 主催者の言葉に心が揺れなかったわけではない。むしろラクスを生き返らせることが出来るのなら、修羅の道に堕ちることさえ厭わないつもりだった。
 だがそれは、少女の思いとは道を違える考え。
 キラは、彼女の姿に救われたのではない。彼女の言葉、そして思いに救われたのだ。
 ラクスの思いを曲げてまで、彼女の命を取り戻す。彼女がそれを望むとは思えなかった。

「だから僕は……、君の分の思いまで、背負ってみせる。
 それが僕に出来る君への弔いだと思うから……」

 後悔、怒り、悲しみ、憎しみ。その気持ちはあるけれど、それを否定は出来ない。
 それは人の業だから。だからこそ……人は強くなれるのだから。
 少年の心には――確かに、勇気の輝きがあった。


 巴武蔵の心にあるものは、この馬鹿げた争いに対する憤り。
 この馬鹿げた戦いの中心にいるあの異形の化け物は、その外観に負けず劣らず凄まじいほどの力を有している。
 自分はいつの間にあの最初の場へと呼ばれた? それ以前に、あの怪物はどうやって自分たちをあの場へと呼び寄せた?
 なぜ呼んだ? なぜ殺し合いをさせる? 死者を蘇らせることなど本当に出来るのか?
 頭には数多くの疑問符。しかし――『アレは、そういうモノなのだ』と、それだけで納得してしまえるほど――アレは、強い。
 この場に呼ばれるほんの半日ほど前まで闘い続けてきた恐竜帝国……もしかするとあいつらよりもだ。

 だがなぁ……! 勝ち目の無い戦いなんか……絶体絶命のピンチなんか……いくつでも潜り抜けてきた!
 おいらは……おいらはゲッターチームの一員だ!
 たとえ、あの化け物に歯向かうことがどんなに無謀だとしても――
 おいら達は……勝つことを諦めちゃいけないんだ!
 そうじゃねぇとお前らに顔向け出来ないからな。
 なぁ、リョウ、ハヤト……。

 それにな、と武蔵は自機の横にたたずむ白き機体へと目を向けた。
 どうもおいらは……こういうのに弱いみたいだよ。
 柄じゃないんだけどな、と苦笑する。
 それでも、守ってやりたくなるじゃねぇかよ、恋人同士の絆ってヤツは。

「……ホント、柄じゃねぇや」

239 名前:大いなる誤解 ◆C0vluWr0so [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 01:12:08 ID:yhcTrq7t
 フェステニア・ミューズの中にあるものは、裏切りの算段と利用への画策。
 テニアは考える。自分だけがこの悪趣味なゲームに勝ち残り、トウヤを手に入れるための道程を。
 武蔵だけじゃない……今はキラという駒も近くにある。
 少し話してみた限りでは、キラという少年はこの殺し合いに乗るつもりは無いようだ。
 それどころか、この争いを止めるつもりなのだという。
 うふふ……これは好都合ね。
 こんな状況であんな化け物への反抗を企てられる人間は、たいていが持ち前の正義感に酔っている人間。
 常識的に考えて……あんなヤツに歯向かおうなんて甘ちゃんもいいとこ。万に一つの勝ち目も無いんだから。
 それより、ここにいる数十人の中の一人になる方が確率論的にも正しいと思わない?
 そのためにはねぇ……全て、利用するの。
 武蔵もキラもカティアの首輪も……そしてトウヤさえも。

 大丈夫。
『私の』トウヤは殺さないから。
 あの化け物もなかなか粋な計らいをするじゃない?
 ここにいるトウヤは……いくら殺しても大丈夫なんでしょ?
 あはは……あははははは!

 ちょっと思考がずれちゃった。いけないいけない、ここじゃ気を緩めちゃいけないの、テニア。
 それを忘れちゃいけない。でもまぁ……二つも楯があるんだから大丈夫と言えば大丈夫かしら。

 武蔵とキラ……こういう正義漢はね、か弱い女の子のピンチには弱いの。
 弱い者を助けるのが自分の正義だって信じ込んじゃってるから。
 馬鹿よねぇホント……。でもこっちにとっては好都合。他の参加者と潰し合ってくれればこの上ないけど、それでなくても楯くらいにはなってくれるわよねぇ?

「二人とも……アタシのこと助けてくれるよね? アタシ……二人のこと信じてるから」

 うふふふ……あはははははは!


 夜は更けてゆく。三者三様、様々な思いを巡らせて――。

 ◇

『キラ、三時方向から機影が接近している。確認出来る限りでは機影は一つだ。
 どうする? 接触するか? 進行方向と我々の位置から判断するに向こうはこちらに気づいていないようだが』
 トモロからの警告は、見知らぬ機影の接近を知らせるものだった。
 戦艦級のレーダーでようやく捕捉出来る距離にある機体。
 この空間ではレーダーの類が極端に阻害されているらしい、とはトモロの言。
 しかし通信回線を開いたまま接近すれば、向こうの機体とて気づくだろう。
 問題があるとすれば、あの機体に搭乗しているのが殺し合いに乗った人間であるかもしれないこと。
 確認出来た機影は一つ。
「一機……か……」
 何故一機で行動をしているのか? これまで、誰にも会わずに彷徨い続けてきたと考えるのは簡単だ。
 だがもしも、もしもだ。
 あの機体の主が出会った者全てを殺してきたのだとすれば――?
 迂闊に近づいて、武蔵さんたちを傷つけてしまうことだけは絶対に避けたい。
 しかし、地図によれば四百キロ四方もあるらしいここで、この接触の機会を逃せば再び会えるのが何時になるか分からない。
 あの怪物に対抗するには一人でも多くの仲間が欲しい。
 どうする、どうする、どうする?

「キラ! 悩んでたってしょうがない、接触するぞ!」

 キラの思考を遮断したのは武蔵の一声。

「で、でももしもあの機体がこちらに攻撃してきたら……」
「おいら達のことは心配するな。おいらがテニアの分まで守ってやるからな」

 ……言い切られてしまった。どうやらこちらの悩みは向こうには筒抜けだったらしい。

240 名前:大いなる誤解 ◆C0vluWr0so [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 01:12:41 ID:yhcTrq7t
「行こうぜキラ。一人でも多くの仲間を集めて……あの化け物をぶっ倒すんだろ!?」
「……はい! トモロ、急ごう。向こうのほうが先に行ってしまうかもしれないし」

『いや、その心配はない。どうやら駆動系にガタがきているようだな。
 現在、低速で移動中……いや、今完全に停止した。おそらく向こうはまともに動けないだろう』

「ええっ!? もしかしたら戦闘で負傷してるのかも……それなら急がないと!」
「テニア、話は聞いてただろ? 今からその機体のところへ向かう。おいら達についてきてくれ」
「うん、了解。……その機体、動けないんでしょ? それなら大丈夫よね」

 かくして三機は接触を試みるべく移動を開始した。

 ◆

「まったく……マサキの方向音痴ここに極まれりニャー」
「どうしてこんなところで止まるんだニャー」
「う、うるせぇっ! そもそも、コイツが動かなくなったのに俺の方向音痴は関係無いだろっ」
「でもマサキがあんな変なところに入らニャかったら、こんなことにはニャらなかったんだニャ」
「だからやっぱりマサキのせいだニャ。まぁあの地下通路を無事に出られたことは褒めてやるニャ。よしよしだニャー」
「お、おめえら……! ふざけてないでこの状況をなんとかする方法を考えやがれっ!」

 動けなくなった機体――それはマサキの駆る百式だった。
 地下で倒れていた少女を保護した後、どうにかこうにかで地下通路から飛び出しは出来た。
 しかし、落石の影響で損傷をしていた駆動部の調子が悪化し完全に停止することとなる。
 気づけばこうしていつもの掛け合いをすることになっている、というわけである。
 機体に関しては専ら操縦専門、不調の整備は本職でないというマサキに再び百式を動かせ、というのも酷な話。

 ――しかし、このままここにいるのもヤバイ……。撃って下さいと言わんばかりだぜ。
 思わず舌打ちがこぼれる。身動きが取れないこの状態……襲撃をされても交戦すら出来やしない。

「くそッ!」
 気づいたときには拳を握りしめ、コンソールへと叩きつけていた。
 魔装機神の操者として……いや、それ以前に一人の人間として、マサキはこの理不尽な状況への怒りを露わにする。
 その怒りの向かう先は、この殺し合いを演出するあの化け物だけではない。
 放送で呼ばれた死者……。その者たちを手にかけた殺人者たちもまた、決して許せない存在だった。
 無論、その全てが悪人だと断定出来ないことも分かっている。
 襲われたから撃退した――そんな事例も勿論あっただろう。

 だが、とマサキは横で眠る少女の顔を眺める。
 少女は地下通路で保護してか一度も目覚めることはなかった。
 現在も安らかな寝息をたてながら、ときおりロランが〜とかお姉様〜などと寝言を発している。
 けれども少女の右足は痛々しく腫れ上がり、誰の目からでも骨折していることが分かる。
 応急処置のためと巻き付けられた鉄パイプとハンカチでさえ、逆に怪我の深さを表していた。
 クロとシロが見つけたとき、この少女は機体にも乗らずに倒れていた。
 ……生身で動き回る少女というのは、数減らしを目的にした参加者の格好の的に違いない。
 抵抗出来ない少女を狙い、執拗に一時間もの攻撃を続けた機体。
 恐竜の姿をしたそれを、マサキは許せなかった。
「あの恐竜野郎……! 必ず……必ず倒してみせる!」
 収まらない怒りで握りしめた拳を、今度は更なる決意で握りしめる。
 これ以上……犠牲者を増やしてたまるかよ。

241 名前:大いなる誤解 ◆C0vluWr0so [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 01:13:13 ID:yhcTrq7t
「あのーマサキ……熱い決意を胸に宿してる最中に悪いんだけどニャ……」
「どうもピンチかもしれないニャ。機影が三つ接近中だニャ」
「な、なにいっ!? そんな大事なことは早く言えよっ!」
「そんニャこと言ったってここじゃレーダーの調子が悪いんだから仕方無いニャ。
 いきなり撃たれたらたまらニャいニャ、まずは通信を試みてみることを提案するニャ」
「そうだな。相手は三機、おそらく殺し合いに乗った連中じゃないとは思うが……」

 ここで失敗するわけにはいかない。マサキは再び気を引き締めると、通信回線を開くべく機器の操作を開始した。
 どう呼び掛ける? 下手に呼び掛ければ逆に相手の戦意を煽ってしまうかもしれない。
 ……ええい、ままよ! 元々考えるのは性に合わねぇ! 当たって砕けろだ!


「こちら、マサキ・アンドーだ! 俺たちに交戦の意志は無い! 怪我人を抱え、機体も動かねぇ。手を貸してくれないか?」

「こちら、キラ・ヤマトです。こちらにも戦う気はありません。ひとまずはこちらの指示に従ってもらえませんか?」

「キラ……キラだって? お前もしかしてカズイの知り合いのキラ・ヤマトなのか?」

「……! あなた、カズイに会ったんですか!? 彼は今どこに!?」

「俺も少しの間一緒にいただけだ。今あいつがどこにいるかは分からねぇ。
 だが心配はいらねえよ。あいつと一緒にいる連中はなかなか頼りになりそうな奴らだったからな。
 もう一度聞くぞ。お前ら本当にこの馬鹿げた殺し合いには乗っていないんだな?」

「ああ、おいらたちはこの戦いを止めるために動いてる。おいらは巴武蔵、もう一人はテニアだ」

「アタシも戦う気なんて無いよ。どうにかして……ここから脱出したいと思ってる」

「マサキさん、一度こちらの艦に来ませんか? 怪我人がいるんでしょう?
 そして……出来るならば、僕たちの仲間になってください。一緒に、戦ってください!」

「……少し考えさせてくれ。俺にも……しなければいけないことがある」

 マサキは考える。……確かにキラたちの提案は自分の目指すそれに通じるものがある。
 しかし、サイバスターの行方とあの恐竜……それが必ずしも彼らの行く道の上にあるとも限らなかった。
 それでもこの出会いは僥倖と言える。決してこの殺し合いに乗った者たちばかりではなく、こうしてあの化け物を倒すために動いている人間がいる。
 それは今のマサキにとってはこの上なく力強い現実だった。

「まだ一緒に動くかは決めねえ。……決められねえ。だがもう一つの提案は飲むぜ。
 一度そっちの艦に行こう。足を折って動けない奴がいるんだ、運ぶのを手伝ってくれないか?」

242 名前:大いなる誤解 ◆C0vluWr0so [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 01:13:58 ID:yhcTrq7t
 ◇

「……と、ここまでが俺の今までの行動だ。俺は……風の魔装機神の操者として、サイバスターを追わなくちゃいけない。
 そして……あの恐竜野郎もぶっ倒す!」

 武蔵の協力で、未だ眠り続ける少女をJアークの中へと運び込んだマサキは今までの道程とこれからの目的についてキラたちに話していた。
 カズイ、ゼクス、カミーユとの出会い、そして自らの相棒サイバスターとの遭遇。
 サイバスターを追って単身で探索を続け、その途中でこの少女を発見したこと。
 そして……少女を襲ったと見られる恐竜の姿をした機体。

「そいつは……無敵戦艦ダイだ。おいらが元居た世界での敵で、かなりの力を持っている」

 マサキの語る機体の特徴に武蔵が反応する。
 と、それと同時に――

「ン、ううん……。あれ? ここはどこなの?」

 ようやく少女が目を覚ました。
 純朴そうな瞳が一同を見渡す。その表情からは明らかな戸惑いが見られた。

「あなたたち……誰? ここはどこなの? ……ッ、痛っ!」

 立ち上がろうとした少女は尻餅をつく。骨折の激痛が少女の顔を苦悶で彩っていた。

「お、おい無茶するな! 骨折してんだぞ!
 安心してくれ、俺たちはお前を襲おうなんて思っちゃいないぜ」

 慌ててマサキが少女のもとへと駆け寄り、その肩を抱く。

「あなた……その言葉、信用していいの?」
「嘘なんかつくつもりはないぜ。信じてくれ……としか言えないけどな。お前名前は? 俺はマサキ、マサキ・アンドーだ」
「……ソシエ・ハイムよ。ソシエでいいわ。マサキ……あなたの言うこと、確かに嘘じゃないわね。
 もしあたしを襲う気なら気絶してる間にいくらでもチャンスはあったわけだし。
 なら、教えてちょうだい。あたしはなんでこんなところにいるの?」
「……もう一度説明、か。話すのはあんまり得意じゃないんだけどな……」
「仕方ないニャマサキ」
「……え? あれ? もしかして今、このネコ……」
「どうもはじめましてだニャ、ソシエ。アタシたちはクロとシロ。二人揃ってマサキの使い魔だニャ」
「えええええええ!? な、何なのこれ……!? ネコが喋るなんて非常識もいいとこじゃない!」
「あー分かった……。そこらへん含めてもう一回説明だな」

 で、かくかくしかじか……。
 マサキの説明を聞いたソシエはようやく納得の表情を浮かべる。

「そしたらマサキがあたしを助けてくれたってこと?
 ありがとう。おかげでどうにか生きてられたみたいだし、いくら感謝してもしきれないわね。
 それでこの子たち、あなたのしもべってわけかしら」
「しもべ……確かにそうニャんだけど……」
「はっきり言われるのはニャんだか複雑な気分ニャ……」
「あら、いいじゃない。あなたたち可愛いし」

「ま、まぁこいつらのことは置いといてだ……。ソシエ、お前はどうして機体にも乗らずにあんなところにいたんだ?」
「そうね、話せば長くなるんだけど……かいつまんで話せば襲われて機体が壊れてどうしようもなくなったから外に出たの。
 そしたらあの恐竜……無敵戦艦ダイだっけ? あれに攻撃されたみたい。
 情けないことだけどすぐに気絶しちゃったから、あまり詳しくは分からないんだけどね」

243 名前:大いなる誤解 ◆C0vluWr0so [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 01:14:34 ID:yhcTrq7t
「やっぱりここでもダイはおいらたちの敵なのか……クソッ!」

 倒すべき宿敵――ダイの暴挙を聞いた武蔵は怒りに拳を震わせる。
 その目は今にも燃え出しそうな憤怒ではち切れんばかりだった。

「キラ……おいらたちでダイを倒せないか?
 隣のエリアにはテニアの仲間の遺してくれた機体が無傷のまま残ってる。
 マサキにも協力してもらって4機で攻めればいくらダイでも……。
 いや、おいらはやっぱり一人でもダイを倒しにいく。それがゲッターチームの一員としての……おいらの義務だ」
「……武蔵、その機体ってのはどこにあるんだ? 俺も手伝うぜ。あいつを野放しに出来ないのは俺も同じだからな」
「マサキ……! いいのか? ダイの恐ろしさは……直接戦ったおいらにはよく分かる。下手をすれば……」
「関係ないぜ。俺も武蔵と思いは同じだ。これ以上……傷つく人間を増やすわけにはいかねえ!」

 ダイを倒す――! その目的に武蔵だけでなくマサキも賛同する。
 そして勇気を心に秘め持つ少年もまた――

「……トモロ、Jアークの残りの武装を確認してくれ」
『キラ……』
「僕も……僕も願いは同じだから。誓ったんだ。一人でも多くの人を助けるって。だから……」
『……Jアークの武装は現在80%まで回復している。持久戦にでもならない限り戦闘を行うには十分な数値だ』
「分かった。それなら大丈夫だね。武蔵さん、マサキさん。僕も……戦います。一人でも多くの命を助けるために」

 キラもまた、名乗りを上げる。

「みんな行くんなら……アタシだけ行かないわけにもいかないよね」
「テニア……! でももし……」
「その時は武蔵たちが守ってくれるんでしょ? ……大丈夫。やれるよ」
「もちろんあたしもついていくわよ! そりゃ操縦はこの足じゃちょっと難しいけど……
 でも出来る限りで手伝うわ。あたしだってあの恐竜にはお返ししなきゃと思ってたところだしね」

 そして少女たちもまた……。

 ◆

 ここに竜を討たんとする者たちが五人。
 竜――無敵戦艦ダイとの戦いは熾烈を極め、穿たれる傷も数多くなることだろう。

 しかし、本当に最悪なのは……。
 彼らが大きな誤解をしていたこと。
 一人の少女を除いて彼らの願いは同じもの。
 それすなわち『この場からの脱出』。
 彼らは知らない。彼らの思う敵もまた――同じ目的のもと動く同志だということを。



【共通認識】
・無敵戦艦ダイ、およびそのパイロットを危険だと判断。
・D-6に放置されたVF22S・Sボーゲル2Fを回収次第ダイへと攻撃予定。

【キラ・ヤマト 搭乗機体:Jアーク(勇者王ガオガイガー)
 パイロット状態:良好・ジョナサンへの不信
 機体状態:ジェイダーへの変形は可能?・左舷損傷軽微良好(補給修復開始)
      EN、弾薬共に80%まで回復
 現在位置:C-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:テニアがもしもゲームに乗っていた場合、彼女への処遇
 第三行動方針:このゲームに乗っていない人たちを集める
 最終行動方針:ノイ=レジセイアの撃破、そして脱出】
 備考:Jアークは補給ポイントでの補給不可、毎時当たり若干回復。】

244 名前:大いなる誤解 ◆C0vluWr0so [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 01:15:08 ID:yhcTrq7t
【フェステニア・ミューズ 搭乗機体:ベルゲルミル(ウルズ機)(バンプレストオリジナル)
 パイロット状況:非常に不安定
 機体状況:良好・マニピュレーターに血が微かについている・ガンポッドを装備
 現在位置:C-6
 第一行動方針:どのように行動を取ればうまく周りを騙せるか考察中
 第二行動方針:とりあえずキラ達についていく
 第三行動方針:参加者の殺害
 最終行動方針:優勝
 備考1:武蔵・キラ・マサキ・ソシエ、いずれ殺す気です
 備考2:首輪を所持】


【巴武蔵 搭乗機体:RX-78ガンダム(機動戦士ガンダム)
 パイロット状態:カラ元気でも元気、ダイに対する激しい怒り
 機体状況:良好・オプションとしてハイパーハンマーを装備・反応弾を所持
 現在位置:C-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:統夜を探しテニアを守る
 第三行動方針:信頼できる仲間を集める
 最終行動方針:主催者を倒しゲームを止める
 備考1:テニアのことはほとんど警戒していません
 備考2:キラと行動を共にする場合は反応弾を彼に任せてもいいと思っています。】


【マサキ・アンドー 搭乗機体:無し
 パイロット状況:良好、シロとクロも健康
 機体状況:
 現在位置:C-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:サイバスターを追いたい
 第三行動方針:サイバスターを邪悪な者には渡さない
 第四行動方針:味方を集める
 最終行動方針:ゲームからの脱出またはゲームの破壊
 備考:謎の小石はクロが銜えています。
     地下道はマサキ達が確認できている範囲では一本道です】


【ソシエ・ハイム 搭乗機体:無し
 パイロット状況:右足を骨折、気力回復
 機体状況:
 現在位置:C-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:新しい機体が欲しい
 第三行動方針:仲間を集める
 最終行動方針:主催者を倒す
 備考:右足は応急手当済み】

※百式(機動戦士Ζガンダム)
 機体状況:外見がボロボロ、機体各部の装甲や駆動系にダメージ
      修理をしなければ稼働不可

 がC-6エリアに乗り捨てられています。

【初日 21:30】


245 名前: ◆C0vluWr0so [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 01:19:09 ID:yhcTrq7t
投下完了……っと。
実は>>233は俺ですw
この後ダイ戦まで書こうかとプロットは練ってたんですがあまりの長さに断念……
結局ただの繋ぎになったのに結構長くなってしまって申し訳ない気分です。
指摘、感想お待ちしています。

246 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/24(土) 07:58:29 ID:qZ+L0P4p
ちょwwwwwww

ユリカに死亡フラグキタコレ………
アキトとガウルンも間に合ったとすると大変な事になりそうだなこれ………

247 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/24(土) 20:34:44 ID:7f3hYjvO
乙!
方向音痴で壊されたか百式……。

しかし、D-5→C-7→D-7→C-6とどこに向かってたんだ、マサキは?

248 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/24(土) 21:14:18 ID:RSaTspYE
百年持つようにと作られた百式が落盤と迷子で1日持たずに行動不能とはなんという皮肉www

249 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/26(月) 17:41:00 ID:WCKFdxdO
現在首輪解除が出来そうな人材と設備ってどんくらいかね?
ユーゼス、アムロ、カミーユあたりは設備さえあれば解析可能だろう。
んで解析可能な施設が基地と戦艦系機体?

250 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/26(月) 20:42:14 ID:5gFBm2R9
単純な科学力で言うとNASA行った甲児、コーディのキラもいけるか?
しかし首輪にアインストの技術入ってるから科学力あっても無理かもな

251 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/26(月) 21:36:49 ID:rrog7ooB
アインストの不思議パワーはバサラあたりに……w

ところで>>232氏は投下まだかしら?
確か予約は3日間だったよね?

252 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/26(月) 21:53:16 ID:0TAmVSix
ならキラがJアークで今すぐ解析できるんでは?
トモロもいるし不思議パワーはJジュエルでなんとか?

253 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/26(月) 22:05:37 ID:AoDh32w+
不思議パワーは赤い玉破壊するだけで意外と簡単に除去できる気がしてる
たしかC2で玉破壊でラインがヴァイスに戻ったはず
インパクトではどうか知らんが
でも自分の首元の爆弾の一部をあえて壊したいと思う奴はおらんだろうな

254 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/28(水) 01:06:24 ID:sAmZz3NA
キラが得意なのはプログラムで、メカを作る・分解するといった構造的なものはハロも作れるアスランだな。もういないけど…
それでも解析には役立つと思う。
アムロか隼人に会えればなあ。ユーゼスは危ないしw

255 名前:それも名無しだ [sage] 投稿日:2007/03/28(水) 01:32:39 ID:rt0icrYY
隼人はすでに逝った。

256 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/28(水) 10:36:48 ID:6VOWTKfa
作る・分解するならなら
月面放棄のゲッターを改造して黒ゲ作った竜馬
いろんなところからパーツを拝借してザクを修理したバーニィ
このあたりはどうだろう
二人ともなんとなく解析には向いてなさそうな上にマーダーなわけだが・・・

原作知らんが完璧超人のブンドルは解析方面はどうなん?


257 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/28(水) 14:04:14 ID:AVrULskc
小説版「覚醒する密林」では、小型飛行機の構造を調べて、エンジンの仕組みを把握したりしてた。
その事から一般人以上の科学知識は持っている事が知れるが、専門の科学者と言うわけではないので、機動兵器の設計開発までは不可能。
そんな事が出来るなら、わざわざ死ぬほど高価なジッター博士謹製のメカを使ったりはしていなかったはずだからな。

ただし、ブンドルの最も得意とする分野は、情報収集分析。
基礎知識量が半端無く、また洞察力が非常に優れているので、全体の構造から異常個所を見付け出すくらいの事はやってのけそう。

258 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/29(木) 00:09:48 ID:n2akzjTt
機体は、戦艦以外はサイバスターのラプラスコンピュータも解析に役立つ?
AI1もイケそうではあるが、いかんせんカズイが…。
他に電子戦機ってあったっけ?
あとシロクロはどうなんだろか

259 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/03/31(土) 11:02:53 ID:at7N/sJh
保守しとくか

260 名前:それも名無しだ [age] 投稿日:2007/03/31(土) 21:45:06 ID:gK9ih0Fl
ラプラスコンピューターは制限対象になるぐらいに強力なコンピューター。
多作品でいえばゼロシステムや大空魔竜のコンピューター代わりをした人
なみの演算能力を持つはず。だというのにマサキは地球を7週してしまう。

シロクロは無意識的な範囲を含めてマサキの知識の範囲内のことしかできない。




261 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/04/02(月) 20:49:02 ID:ShNLefpP
ほしゅ

262 名前:それも名無しだ[] 投稿日:2007/04/04(水) 10:12:12 ID:DtpGrg/c
保守age

263 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 13:20:23 ID:iYoRKCC7
まとめにラジオの告知来てたねー。
ラジオまでに新作投下出来るように頑張らなければ……

264 名前: ◆7vhi1CrLM6 [sage] 投稿日:2007/04/05(木) 20:46:21 ID:yPe8yg0i
統夜・ラキ予約
書きあがってはいるので早ければ今日中に投下できると思う

265 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/04/05(木) 20:49:30 ID:F6T8A9Eu
>>264
新作wktk

266 名前:暗い水の底で ◆7vhi1CrLM6 [sage] 投稿日:2007/04/05(木) 22:33:17 ID:yPe8yg0i
 闇夜の中にぼんやりと光る壁がある。
 周囲を明るく照らすほどではなく、見過ごしてしまうほど弱くもなく闇の中に屹立するそれは、昼間に見たときよりも遙かに幻想的な姿をしていた。
 その果てを見ようと視線を左右に走らせてみるが、遙か彼方で闇に吸い込まれていてその光跡は辿れない。
 ならば、と上空を見上げてみるが結果は同じだった。
 見上げた視線の先に星空が広がっている。
 光の壁に覆われながらもぽっかりと口を開けた空は、そこから逃げ出せるようにも、それ自体が周到な罠のようにも思えた。
 ――もしあそこから抜け出せたら……。
 とりとめのないことを考えている。逃げ出せたら何をしたいかを今考えている。
 考えても仕方のないことだと思う。今考えるべきは逃げ出した後のことではなく、いかに生き延びるべきかだということも分かっている。
 それでも見上げた空は魅力的だった――。
 思考が散漫になってきている。集中力もモチベーションも落ちてきているのは放送直後から自覚していた。
 一つ大きく深呼吸。
 伸ばした腕が光の壁に吸い込まれ、小石を水面に落としたかのような波紋が生じる。
 注意深くすり抜けたその先で、壁の光りを受けた湖面がわずかに煌く。
 しかし、それも壁のすぐ側だけの話で周囲は漠々たる闇に覆われていた。
 ――暗いな。すごく暗い。
 名残惜しそうに明るい壁際から離れ、まるで引きずり込まれているような錯覚を覚えながら暗い水面へゆっくりと沈んでいく。
 水の中は果てしなく暗かったが、コックピット内部には灯りがあったことが幸いだった。少なくとも闇に脅えずにはすむ。
 ――まずはゆっくり休もう。そして、目が覚めたら。
 赤毛の少女の顔が頭の隅をかすめる。
 ――その先は起きてから考えよう。


267 名前:暗い水の底で ◆7vhi1CrLM6 [sage] 投稿日:2007/04/05(木) 22:35:12 ID:yPe8yg0i
 耳につく甲高いアラームのような音に跳び起きる。
 呼吸が荒い。体がだるい。疲れが全く抜けきっていなかった。寝ていたのは正味一時間くらいだろうか。
「くそっ!」
 鉄とオイルの臭いが鼻をつき、顔をしかめた。住み慣れた自分の部屋、体になじんだ自室のベッドの上……ではない。
 ――コックピット?
 未だに鳴り続ける甲高いアラームに無性に腹が立つ。
 ――アラーム?
 はっとして周囲を見回す。鳴っているのは――
 ――接近警報!!
「カティア、敵は――」
 いつもの癖でそこまで言いかけて、言葉を失った。
 ――いるわけないじゃないか……、彼女は……。
「くそっ!」
 眉間に皺がよる。自分のうかつさが腹立たしかった。
 しかし、そんなことにいつまでも気を取られている暇はない。慌てて状況を確認していく。
 敵機はレーダー有効範囲内、ただし通信と目視の有効圏外。
 通常ならばこの世界においてレーダーの有効範囲は目視のそれにはるかに劣る。
 しかし、わずか数m先の確認すらも危うい夜の湖底に限って言えば、その関係は完全に逆転していた。
 それは同時にかなりの近距離まで相手の接近を許していることを意味している。
 ヴァイサーガの体勢を襲撃に備えたものに変える。巨体にかかる水圧のせいか動きが鈍い。
 じりじりと距離が縮まっていく。
 わずかな時間がひどく長く感じられた。やがて目視よりも早く通信圏内に互いの機体は収まる。
 こちらから通信はしない、そう決めた。
 進んで通信を行わないことのメリットは二つ。相手がこちらに気づいていない場合、やり過ごしと不意打ちの機会を得れること。
 進んで通信を行うメリットは一つ。ニアミスの場合でも相手がテニアかどうか確認できること。
 だがそこには期待と不安が入り混じっている。
 確認したいという思いはある。会いたいという思いもある。でも少なくともテニアに会ってどうするか、まだ決めてはいない。
 そんな状態で会うべきなのか――。
 心が揺れ動く。自分は本当はどうしたいのか――答えは見えてこない。
 そんな統夜に構うことなくピッと小気味のいい音をたてて通信が入ってきた。
「そこの大型機のパイロット、聞きたいことがある」
 抜けるような青い髪の女。テニアではないことに安堵と失望を覚える。同時に頭の隅で打算的な考えも働いていた。
『大型機』と相手が口にしたことから、相手はこちらを既に視界にとらえていることになる。にもかかわらずこちらの目視圏外。ということはおそらく相手はこちらよりもだいぶ小さい。好戦的でもないようだしこのまま戦闘に発展させるよりは、一先ず通信に応じるべきだろう。
「なんだ?」
「ジョシュア=ラドクリフという青年を知らないか?」
「ジョシュア=ラドクリフ?」
 その青年に会った覚えはなかった。しかし、名前を聞いた覚えはある。
 ――たしか、放送で呼ばれた……。
「知らない。だけどその人は死んだんじゃないのか。聞いてどうするつもりだ?」
 死んだ人間について聞いてくる。そのことが気になった。

268 名前:暗い水の底で ◆7vhi1CrLM6 [sage] 投稿日:2007/04/05(木) 22:37:33 ID:yPe8yg0i
「私は知りたい。ジョシュアがここで誰と会い。何をして過ごし、そしてどうして……死んだのかを」
「あんたは敵討ちをするつもりなのか?」
 その問いに女性は左手を唇と顎にあて暫く考える姿勢を示した。やがて顔をあげて彼女は答えを返してくる。
「わからない。いや、はっきりとは言えないが違うと思う。私は」
 一度言葉が区切られる。そして彼女は訥々と語り始めた。自分の内側を一つ一つ確認するように。
「私はジョシュアが先に死んだときのことなど考えてもいなかった。まったくひどい女だ。ジョシュアは私が死んだら、きっと私の為に何かしてくれたと思う。
 でも私は、ジョシュアが死んだというのに何をすればいいのかまったく見当がつかない。だからまずは知ろうと思う。
 おかしなことに私はジョシュアのことをよく知りもしないんだ。こころまで繋がっていたのに、よく知っているはずなのに、思い返してみると知らないことがいっぱいあるんだ。
 だから、ここにいるあいつのことを知っているやつと会おうと思う。会って知ろうと思う。そうしたら何かできることが見つかると思うから……」
 そこで言葉は終わり、あたりを静寂が満たす。わずかな機体の動きによって生じた空気の泡が水面を目指す、それだけの音がやけに大きく聞こえた。
 向けた視線の先にあるはずの相手の姿は望めず、漠々たる闇を見つめる。言葉を探すが何も出てこない。
「名前――」
 呟くように発した言葉は聞き取りにくかったのか、はたまた彼女にとって突飛な言葉だったのか、やや間の抜けた声が返ってくる。
「名前、教えてもらえないかな? 他の人にあったら聞いてみようと思うから」
 聞いてどうする、聞いた後からそう思った。言葉に窮して出た質問だ、あまり意味はない。
「グラキエースだ。ラキとも呼ばれている」
「ファミリーネームは?」
「知らん。とういうかファミリーネームというのは何だ?」
「グラキエースっていうのはファーストネームだろ? グラキエースの後ろについてくる名前だよ。例えば俺の名前は紫雲統夜で、ファーストネームが統夜、ファミリーネームが紫雲」
「それだと私のファミリーネームは、グラキエースという名前の前にあるのではないのか? というかファーストネームなのになんで後ろほうなんだ?」
「ああ、日本人の場合は順番が逆になるんだ」
「何故逆になるんだ?」
「日本の場合は文化が……何で俺はこんなこと説明してるんだ?」
 急にまじめに説明しているのが馬鹿らしくなってきた。そもそもこんなことを聞くことに大した意味はないのだ。
「知らん。よくわからんが名前を二つに分けるのならグラキ=エースでいいのか?」
「そうじゃなくて……。やっぱりもういい」
 もう説明する気も失せていた。何か疲れたような気がする。しかし、久しぶりに気を張らずに会話をしたような気もした。
 そんなこちらの状態に頓着せずにラキは質問を投げかけてくる。
「もう一つ、聞きたいことがある。アイビスという女を知らないか?」
 アイビスという名前にわずかにひっかかりを感じた。感じたがその元が何なのかが思い出せない。
「いや……。知り合いか?」
「違う。だがジョシュアがここで会った女らしい」
 不確かな回答。おそらくは誰かに会ってそのことを聞いたのだろう。
 暫くの会話の後、レーダーのラキを示す光点がゆっくりと動き出す。
「もう行くのか?」
「ああ、手間を取らせたな」
「見つかるといいな」
「そうだな……」

269 名前:暗い水の底で ◆7vhi1CrLM6 [sage] 投稿日:2007/04/05(木) 22:39:13 ID:yPe8yg0i
 わずかな名残惜しさを感じつつも彼女の光点がレーダーのレンジ外に抜けていくまで見つめていた。
 常識の抜けた、どこか変わった雰囲気を持つ変な女性だった。毒気を抜かれたような気もする。
 彼女は死んだ知り合い(あの口ぶりからすると恋人だろう)の為にできることを探していると言った。その為に人を探しているとも。
 死んでいってしまったカティアにメルア。彼女たちの為に自分は何かできるのだろうか? そしてまだ生きている少女もいる。
 ――馬鹿らしい。
 ラキの知り合いはもう死んだ。死んだからこそ彼の為に何かしてやることができる。自分が生き残るという前提条件付きでだ。
 しかし、テニアは生きている。一人しか生き残れないルールの内で生者にしてあげられることなど何もない。
 そして、死んでいったカティアにメルア、彼女たちは自分よりもテニアの無事を願うだろう。わずかな時しか彼女たちと過ごしてない自分が、彼女たちの絆の間に割って入れているとは思いづらかった。
 ――寝よう。
 毛布をかぶり、シートに体を預ける。軋んだ音が小さく鳴った。
 阻害された睡眠時間を補充しよう。寝れるときに寝ていたほうがいい。体も疲れている。そしてできるだけ楽しい夢を見よう。この殺し合い自体がベタな夢オチなんかだったらもう最高だ。
 そう思って目を閉じる。
 もしテニアに会ったら自分はどうするのか――答えはまだ出ない。ギュッと毛布を巻きこんで丸くなる。
 ここに呼ばれる前はいつも大抵三人娘の誰かしらはそばにいた。そして、さっきここに来てから初めて人と普通にふれ合った。そのせいか目を閉じていても人恋しさが込み上げてくる。
 グラキエース、彼女はもし生きているジョシュアに会ったらどうするつもりだったのだろうか――。
 ――アイビス?
 毛布を跳ねのけ起き上がる。汗がじわりと肌に浮かんできた。
 知っている。聞いたことがある。確か小型の機体を踏みつぶしギンガナムを押しつけたときにあの青年が叫んだ名前。それがたしか――。
「アイビス」
 ――ということはあの青年がジョシュア?
『敵討ちをするのか』と聞いたとき、彼女は『わからない』と答えた。同時に『たぶん違う』とも……。
 しかし、彼女は死んだ者のためにできること探している。
 名前をあの二人に名乗った覚えがある。彼女はアイビスに会ったら、いったいどうするのだろうか?
「あいつも俺の敵だったんだな……」


【紫雲統夜 搭乗機体:ヴァイサーガ(スーパーロボット大戦A)
 パイロット状態:疲労、精神状態が若干不安定
 機体状態:無傷、若干のEN消費
 現在位置:G-8水中
 第一行動方針:朝まで休息
 第二行動方針:他人との戦闘、接触を朝まで避ける
 第三行動方針:戦闘が始まり、逃げられなかった場合は殺す
 第四行動方針:なんとなくテニアを探してみる(見付けたとしてどうするかは不明)
 最終行動方針:優勝と生還】

【グラキエース 搭乗機体:ネリー・ブレン(ブレンパワード)
パイロット状況:精神やや安定。放送の時刻が怖い
機体状況:無傷
現在位置:F-8水中
第一行動方針:アイビスを探す
最終行動方針:???
備考1:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分(全体量の約半分以上)な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません
備考2:負の感情の吸収は続いていますが放送直後以外なら直に自分に向けられない限り支障はありません】

【時刻:21:00】


270 名前: ◆7vhi1CrLM6 [sage] 投稿日:2007/04/05(木) 22:42:12 ID:yPe8yg0i
投下終了。
統夜視点のあまり動きのない話です。
といっても視点を固定した意味はさしてないのですが。
感想と指摘、お願いします。

271 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/04/05(木) 23:13:23 ID:PdvNOTnG
>>270
GJ!
統夜がどこの立ち位置にも向かえそうになってきたな
没二つのブッ壊れマーダー化もかなり良かったけどこれはこれで

272 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/04/06(金) 00:24:29 ID:BHhbtjSj
乙&GJ
統夜の不安定な心理状態が良かった
そして天然なラキに萌えた(*´Д`)

これからの二人の行動が楽しみ

273 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2007/04/06(金) 09:10:07 ID:F1IcLbyW
投下乙
統夜の心理描写良かった。ここからどう転ぶかな?
そしてラキ可愛いよラキ。アイビスと会える位置ではあるんだよなぁ……