95話「嵐の前」
◆/.Cqqep.oI
ジョナサンが気晴らししている頃、補給ポイントに残るJアークでは、引き続きメンテナンス
を行っていた。
「こっちも、やっぱりダメみたいです」
『ああ、こちらの方もダメだ』
補給ポイントのスキャン終えたキラとトモロは落胆を隠せなかった。
ジョナサンが気絶していた間、キラはF−91補給を行い、滞りなく済ませることがで
きた。しかし、乗換えを行っていざJアークの補給に取り掛かると、既に消滅してし
まった三重連太陽系の船であるJアークの規格・火器管制と物資が合わないのか、一向
に補給が進まない問題が発生したのだ。
通常Jアークでの補給・修復は、補給線がなくとも光子から物質を生成して行うことがで
きる。現地での補給を考慮する必要がなかったのも、補給ポイントによる補給をさらに困難
にしていた。
『だが、これは主催者側も考慮したのだろう』
「え・・・?」
『先ほどチェックしておいた』
『制限こそかけられているがジュエルジェネレーターは稼動している。
光子変換翼の運用可能だ』
『通常時のように無制限にとはいかないが、若干のEN・物資の生成は行えるだろう』
「良かった!それなら何とかなりそうだね」
『ああ』
『しかし、補給ポイントが利用できる機体に比べると、回復量では大分不利な条件だ』
ディスプレイに各武装の生成とENの回復の時間を表示する。
確かに毎時あたりの生成量は微々たるもであった。
「うん、生成に時間のかかる武器の使用は極力控えるようにするよ」
対象内部に直接ミサイルを撃ち込めるESミサイル。中間子と対消滅する反中間子を撃ち
込む反中間子砲。ノイ=レジセイア撃破のため、これら生産数に限りのある武装は温存して
おきたい。こうなるとジョナサンが先ほどの戦闘で、連射したのがちょっと恨めしくなる。
(戦艦状態でもJクォースが使えるよう設計されていたのも救かな)
キラは見ず知らずの設計者、赤の星のアベルにちょっぴり感謝した。
しばらくして、トモロによりシステムが起動されると左舷損傷が虹色に輝きはじめた。
ほんの僅かだが、ゆっくりと再生が開始される。
『現状でできるのは、ここまでだな』
「あんまり物資を消費しなかったね」
『そうだな、この補給ポイントは、まだ補給に用いることができるだろう』
補給ポイントでの補給をあきらめ、キラはトモロから操艦レクチャーを受けることにした。
【キラ・ヤマト 搭乗機体:Jアーク(勇者王ガオガイガー)
パイロット状態:良好、ジョナサンへの僅かな不信
機体状態:キングジェイダーへの変形は可能?、左舷損傷軽微良好(補給修復開始)
現在位置:C-6
第一行動方針:ジョナサンを待つ
第二行動方針:Jアークの操縦に慣れる
第三行動方針:このゲームに乗っていない人たちを集める
最終行動方針:ノイ=レジセイアの撃破、そして脱出】
備考:Jアークは補給ポイントでの補給不可、毎時当たり若干回復。
【初日 19:05】
NEXT「MISS」
BACK「Time Over ―私の中のあなたにさよならを―」
一覧へ