12話「人とコンピューター」
◆IcNDxBraWs
「おい、コンピューター!この機体についての説明は今ので終わりだな?」
「ああ、そうだ。そして私の名前はコンピューターではない。トモロ0117だ。」
「は!そんなことはどうでもいいんだよ。」
B-3の上空を飛行する機体、いや戦艦と呼ぶべきか。
白き箱舟Jアークの艦内で金髪の青年、ジョナサン=グレーンは喋っていた。
彼と会話しているのはJアークの制御コンピューター・トモロ0117。
「ク、クフハハ!どうやら俺は当たりを引いたようだな!バロンズゥをも上回る力!!フハハハハハ!!」
ジョナサンはトモロからこの機体の武装、出力そしてキングジェイダーへの変形の説明を聞き、その内容に歓喜した。
「おい、コンピューター!そのキングジェイダーとやらにはどうやってなるんだ?え?」
今だこの機体を引いた幸運に酔いながらジョナサンは尋ねる。
だが・・・
「だから、トモロ0117だといっている。それと・・・お前がキングジェイダーへの変形を行うことは出来ない。」
「・・・あ?なんでだよ?」
トモロの言葉を聞きジョナサンはその理由を尋ねる
「お前のような心の持ち主ではキングジェイダーへの変形など出来ない。それが理由だ。」
「はぁ!?何ふざけたこと言ってやがる!!俺の何が悪いんだよ!!」
さっきまでの幸福感など吹き飛び、ジョナサンは激昂した。
「この殺し合いで!これだけの力!俺に使えないはずなどないっ!!さぁ教えろ!コンピューター!!」
叫ぶジョナサンにトモロはあきれたように言う。
「言うだけは言おう。今お前の立っている所でフュージョンと言ってみろ。」
「ハハっ!初めから言ってればいいんだよ!!」
変形の方法を聞き出し機嫌がよくなったジョナサンは早速試してみる。
「フュージョンッ!!」
しかしジョナサンの声が空しく響いた以外に変化はない。
「フュージョンッッ!!!!」
もう一度言ってみる
しかし相変わらず艦内にはJアークの稼動音しか聞こえない。
「・・・キサマァッ!!この俺になんて事をさせやがる!!何も起きないじゃねぇか!!!」
再び激昂しトモロに向かって叫ぶ。
「お前には出来ないといっただろう。勇気を持つものならジェイダーへとフュージョン出きるはずだ。」
「勇気だと!?この俺が臆病者だと言うのか!!」
冷静に答えを返すトモロにますます頭に血が上り激しく言い放つ。
しばらくジョナサンがトモロに向かって自分がキングジェイダーへの変形を行うことが出来ないことの苛立ちをぶつけていた。
「だいだいこんな物を使うのにに勇気なんて必要なものかよ!!バロンズゥは・・・」
「まて、前方に他の参加者の機影がある。」
突然の報告にジョナサンが黙る。
「どこにいるんだよ?」
「前方だと言っただろう。人型機動兵機のようだ。」
それを聞きジョナサンがしばらく黙る。
モニターに映された白い機体を少しばかり見て。
そして言う。
「戦えそうかよ?」
「戦えないとは言わない。だが戦いずらいだろう。」
「・・・ほんとに俺ではキングジェイダーへの変形はできないんだな?」
「くどいぞ。」
「・・・っち!!役立たずが!!」
「私がいないとこの艦は機能を十分に発揮できないぞ。」
「あ!?なんだと!?」
またもや口論になりかけたその時
「あ、あの・・・すみません。あなたはこのゲームに乗った人ですか?
乗っていないのなら・・・よければなんですけどこのゲームから逃げるために協力しませんか?」
通信から聞こえた声は少年のようだった。
【ジョナサン・グレーン(ブレンパワード)
搭乗機体:Jアーク(勇者王ガオガイガー)
現在位置:Bー4上空
パイロット状態:健康
(少し怒り気味)
機体状態:良好
(キングジェイダーへの変形は不可)
第一行動方針:とりあえず生き残る
最終行動方針:???】
【キラ・ヤマト(機動戦士ガンダムSEED)
搭乗機体:ガンダムF−91(
機動戦士ガンダムF−91)
現在位置:B−4陸地
パイロット状態:健康
機体状態:良好
第一行動方針:ゲームに乗ってない参加者を見つける
最終行動方針:ゲームから抜け出す】
【初日:12:15】
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