57話「カフェタイム ―あんたらつくづく…―」
◆dHWlzxs/ng
「ふぅ───」
妙にエロいライダースーツを着ている、カテジナ・ルースは、支給食糧の携帯飲料──
どこぞの7のつくコンビニに売られているようなものと似ているが、綴りを読むと「バルトフェルド・カフェ」と書かれたカップのコーヒー
──を飲みながら、機体操作の一切をしていなかった。
する必要もなかったのだ。
「機体が大きくて、尚且飛べると本当に便利よね」
「いやはや、全くですな」
通信機から、ギャリソンさんの声が聞こえる。
「……こんな状態でバランス取りながら操縦するのは難しいんだからな。振り落とされても文句を言うなよ」
「そのくらい、解っている」
アフロの声。今一番働いているのは彼だ。
今、彼等は───空にいた。
「ガンドロの肩に?」
「えぇ」
数十分前、襲撃された後に動きだそうとした矢先、カテジナはふと思い付いたことを話した。
「私の機体も、ギャリソンさんの機体も、あなたの機体とはサイズ差が大きすぎる。
逆に移動力は私の機体が断トツで、あなたの機体は鈍い。
そして私とあなたの機体は飛べるけれど、ギャリソンさんの機体は飛行不可能───
つまり、三人で固まって動くには足並み揃えるのは難しいのよ。
だから、飛行可能で私とギャリソンさんの機体を乗せて運べそうなあなたのガンドロの肩を貸して欲しいのよ」
「んな言ったって………」
「悪くない考えですな」
二対一、多数決の理論でコスモは押し黙った。
「空を飛ぶ連中はあまり居ないわね」
「目立ちますからな。後2時間ほど移動したら、着陸して食事と致しましょうか」
「あぁ確に。まあ、私たちで迎撃出来るから、ある程度の敵なら大丈夫よね。G・テリトリーもあるし」
「…………」
ユウキ・コスモは、通信機に入らない程度の声で呟いた。
「…………平和ボケ、してんじゃねぇよ」
【カテジナ・ルース 搭乗機体:プロトガーランド(メガゾーン23)
パイロット状況:健康。マターリ中。
機体状況:MS形態
現在位置:C-5から西(B-5)に向け移動中
第一行動方針:マターリ索敵
最終行動方針:ゲームからの脱出】
【ギャリソン時田 搭乗機体:ガンダムレオパルドデストロイ(機動新世紀ガンダムX)
パイロット状況:健康、マターリ中。
機体状況:全弾薬の半分近くを消費
現在位置:C-5から西(B-5)に向け移動中
第一行動方針:マターリ索敵
最終行動方針:ゲームからの脱出】
【ユウキ・コスモ 搭乗機体:ジガンスクード・ドゥロ(スーパーロボット大戦OG2)
パイロット状況:軽い眩暈、呆れ
機体状況:G・ワイドブラスター一発分の消費、自重以上を肩に乗せて移動中のため、ENを徐々に消費
現在位置:C-5から西(B-5)に向け、肩の機体を振り落とさないようにゆっくり移動中
第一行動方針:西へ移動
最終行動方針:ゲームからの脱出】
【時刻:15:00】
※ジガンスクード・ドゥロのエネルギーに関しては、移動によってどのくらい消費したかは次の書き手に任せます。
NEXT「気になる、あの子」
BACK「殺意は昏き火が如く」
一覧へ