58話「気になる、あの子」
◆caxMcNfNrg
「目的地に到着です!」
ユリカの声と共に、大地を揺るがす巨竜が動きを止める。
その周囲を旋回していた戦闘機から通信が開かれた。
「補給口か・・・だが艦長、補給はまだ必要ないと思うが?」
黒衣の青年が発した疑問に、ユリカはダイを補給施設の上に移動させつつ答える。
「私達は必要ないですけど、必要な人がいるかもしれないじゃないですか」
「俺達以外の、この周囲にいる参加者か」
「はい!他の人達に待ち伏せするために、ここを占拠しちゃいましょう」
ユリカがそう言い終える頃には・・・ダイの体は、補給路を完全に覆い隠していた。
「しかし・・・それでは効率が悪いんじゃないか?
ここで、来るかもわからない参加者を待つよりは・・・」
「いえ、ガイさん・・・の戦闘機ならともかく、
機動力の無い地上戦艦では、移動に時間が掛かりすぎます
それに、この目立つ機体で移動するよりは、
相手を待ち受けたほうが、リスクは小さいと思いますし」
ユリカの言葉に・・・暫しの沈黙の後、通信機から言葉が返される。
「だが、補給をするという事は戦闘を行ったという事だ。
ゲームに乗っている可能性が高いと思うが」
「戦闘をしかけられて、迎撃しただけの可能性もあります
・・・とにかく、攻撃されたら通信をして説得しましょう」
「了解した」
多少の問答の末に、了承の返事がもたらされる。
青年の返答を聞き満足げに頷くと、ユリカは続けて言った。
「というわけで少し休憩にしましょう。着艦してください、ガイさん」
「どういうわけかはわからないが、俺はまだ問題ない。
周囲は俺が警戒するから、君は休んでいてくれ」
「で、でも・・・」
「大丈夫だ。問題はない」
「・・・むぅ」
不服そうに頬を膨らませるユリカ。
その様子を眺めつつ・・・テンカワ・アキトはヘルメットの下で、微かな笑みを浮かべた。
【テンカワ・アキト 搭乗機体:YF-21(マクロスプラス)
パイロット状態:良好
機体状態:良好
現在位置:D-7補給施設
第一行動方針:ユリカを守る(そのためには、自分が犠牲になっても構わない)
最終行動方針:ユリカを元の世界に返す(そのためには、どんな犠牲も厭わない)】
【ミスマル・ユリカ 搭乗機体:無敵戦艦ダイ(ゲッターロボ!)
パイロット状態:良好、ちょっと不満
機体状態:良好
現在位置:D-7補給施設
第一行動方針:補給施設を占拠して、仲間を集める
第二行動方針:ガイ(アキト)を着艦、休息させる(切実に顔が見たい)
最終行動方針:ゲームからの脱出
備考:YF-21に乗っているのがアキトだと知りませんが、もしかしたらとは思っています
アキトの名前はガイだと思っていますが、若干の疑問もあります】
【初日:15:30】
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